AdMob メディエーションとは
メディエーションは、アプリに広告を配信するすべての広告ソースを 1 か所で管理できる AdMob の機能です。メディエーションを使用すると、届いた広告リクエストを複数の広告ソースに送信し、使用可能かつ最適な広告ソースを確実に見つけて広告を掲載することができます。メディエーションでは、メディエーション グループを使用します。これにより、最適化された掲載結果に基づいてすべての広告ソースをランク付けして、収益を最大化することができます。
メディエーション グループとは
メディエーション グループは、広告ユニットで得られる収益の最適化を目的とするターゲット設定の組み合わせです。事前にメディエーション グループを作成しておけば、広告ユニットと広告ソースをいつでも追加できます。すべて一度に作成することも可能です。メディエーション グループに対してメディエーションを一度設定すれば、あとはそのグループに広告ユニットを追加するだけです。広告ユニットごとに繰り返しメディエーションを設定する必要はありません。
メディエーション グループ ページを表示するには、AdMob にログインして、サイドバーの [メディエーション] をクリックします。
AdMob でメディエーションを設定した後で、Google Developers ガイド(Android 向け、iOS 向け)に沿ってアプリにメディエーションを実装することができます。
メディエーション グループの仕組み
いずれかの広告ユニットから AdMob へ広告リクエストが送られると、AdMob メディエーションはその広告リクエストの内容を確認し、お客様が定義したメディエーション グループのターゲット設定と比較します。
- いずれか 1 つのメディエーション グループのターゲティングが広告リクエストに一致した場合、その広告リクエストに対する広告掲載には、該当のグループに含まれているいずれかの広告ソースの広告が使用されます。
- 広告リクエストが複数のメディエーション グループに一致した場合、そのリクエストに対する広告掲載に使用するグループは、各グループの優先度に基づいて決まります。メディエーション グループ間の競合は可能な限り起こらないように設定する必要があります。
- 広告リクエストに一致するメディエーション グループがない場合は、代わりに AdMob(デフォルト)グループから自動的に広告が配信されます。
例
パブリッシャーが Android ゲームアプリにバナー広告ユニットを追加する場合:
開発した Android ゲームアプリに、10 個のバナー広告ユニットを追加したいと考えています。このアプリのユーザーはほとんどが日本人なので、メディエーション グループを使用して、日本のユーザーに広告を配信する広告ソースを管理することにしました。
- フォーマット: バナー
- プラットフォーム: Android
- 名前:「日本向けバナー広告」
- 位置情報: 「日本」
このメディエーション グループに 10 個すべての広告ユニットを追加します。次に、広告ソースとして、主に日本を対象とするサードパーティ広告ネットワークをいくつか追加し、設定します。設定が完了したら、メディエーション グループを保存します。
最後に、広告ユニットとメディエーションをアプリに実装します。
メディエーション グループの優先度とは
優先度は、収益目標を達成するうえでどのメディエーション グループが重要であるかを AdMob に定義するものです。広告掲載に使用できるメディエーション グループが複数ある場合、広告掲載に使用されるメディエーション グループは [優先度] 列の値に基づいて決定されます。
優先度を設定する際は、次の点にご留意ください。
- 複数のメディエーション グループが広告リクエストのターゲティング(地域やプラットフォームなど)に一致した場合は、優先度が最も高い(数値が最も小さい)メディエーション グループが広告掲載に使用されます。
- 最も高い優先度として設定できるのは 1 です。
- 最も低い優先度して設定できるのは、作成したメディエーション グループの数と同じ数値です。たとえば、メディエーション グループが 5 つある場合、最も低い優先度として設定できるのは 5 となります。優先度を 8 に設定した場合でも、自動的に 5 にデフォルト設定されます。
広告リクエストがメディエーション グループに一致すると、そのグループの広告ソース間で順次処理が行われます。
例
仙台の Android ユーザーから広告リクエストを受け取った場合:
- 「宮城県の Android ユーザーを対象とするバナー広告」(優先度 3、InMobi、Flurry、AdMob ネットワークを使用)
- 「全世界の Android ユーザーを対象とするバナー広告」(優先度 5、AdFalcon、Flurry、AdMob ネットワークを使用)
- 「東北地方の Android ユーザーを対象とするバナー広告」(優先度 1、Flurry、Chartboost、AdMob ネットワークを使用)
メディエーション グループ内で入札広告ソースとウォーターフォールの広告ソースが連携する仕組み
1 つのメディエーション グループで入札広告ソースとウォーターフォールの広告ソースの両方を使用する場合は、混合型の設定となります。メディエーション グループ`に一致する広告リクエスを受け取ると、入札オークションがリアルタイムで行われます。オークションを落札した入札広告ソースは、ウォーターフォールの広告ソースとともにメディエーション ウォーターフォールに配置されます。
オークションを落札した入札広告ソースがメディエーション ウォーターフォールの先頭に配置された場合は、優先的に広告が配信されます。メディエーション ウォーターフォール内に、入札広告ソースよりも eCPM の高い広告ソースがあれば、そちらの(ウォーターフォール方式の)広告ソースが先に呼び出されます。
例
入札額 4 ドルのエクスチェンジ B が入札オークションで勝ち、メディエーション ウォーターフォールに配置されます。ウォーターフォール内の順位は eCPM に応じて決まります。例 2 と異なり、エクスチェンジ B の入札額よりもネットワーク 1 の eCPM(5 ドル)のほうが高いため、エクスチェンジ B はウォーターフォールの 2 番目に配置されます。
以降のウォーターフォール処理は通常どおりです。ネットワーク 1 に配信可能な広告があればネットワーク 1 から、なければエクスチェンジ B から広告が配信されることになります。
メディエーション グループ間の競合の回避
前もって計画することで競合を回避できます。複数のメディエーション グループを作成し、そのうちの 1 つで特定の国や地域、プラットフォーム、フォーマットをターゲットにした場合、他のメディエーション グループではそのターゲットを除外します。
上記の例では、「カナダの Android ユーザーからのバナー広告リクエスト」をターゲットにしたメディエーション グループをすでに作成しています。「Android ユーザーからのバナー広告リクエスト」をターゲットにした他のメディエーション グループから「カナダ」を除外することで、グループ間の競合を回避できます。
ただし、多数のメディエーション グループを作成して広告ソースを管理している場合、状況によっては競合が発生する可能性があります。AdMob で効率的に収益アップを図るには、メディエーション グループの優先順位を正しく指定することが重要です。
AdMob(デフォルト)グループ
ほとんどの場合、AdMob が受け取る広告リクエストはメディエーション グループと比較され、条件が一致するグループから広告が配信されます。ただし、広告リクエストの条件がどのメディエーション グループとも一致しない場合もあります。
どのメディエーション グループとも一致しない広告リクエストには AdMob(デフォルト)グループが自動的に応じ、AdMob ネットワークから直接広告が配信されます。
[メディエーション グループ] タブには、AdMob(デフォルト)グループがすでに作成されています。
例
- フィンランドの Android ユーザーを対象とするインタースティシャル広告
- フィンランドの iOS ユーザーを対象とするインタースティシャル広告
- ノルウェーの Android ユーザーを対象とするインタースティシャル広告
- ノルウェーの iOS ユーザーを対象とするインタースティシャル広告
- スウェーデンの Android ユーザーを対象とするインタースティシャル広告
- スウェーデンの iOS ユーザーを対象とするインタースティシャル広告
これら 6 つのメディエーション グループは、いずれも他の国の場所を除外しています。