メディエーションの仕組み

パブリッシャー様のモバイルアプリからメディエーション リクエストが送信されるたびに、アド マネージャーでは収益グループ ターゲティングに基づいて競合可能な広告ネットワークが選び出され、リクエストを受け取る順にそれらのネットワークを並べたリスト（チェーン）が作成されます。

メディエーション リクエストのライフサイクルの段階

1. パブリッシャー様のモバイルアプリからアド マネージャーに広告リクエストが送信される
2. アド マネージャーで、リクエストに対して競合可能な広告申込情報と収益グループが選び出される
3. アド マネージャーで、メディエーションの一部として呼び出す広告ネットワークのチェーンが作成される
4. アド マネージャーで、他のアド マネージャー広告申込情報と推定収益が比較される
5. アド マネージャーからパブリッシャー様のモバイルアプリにメディエーション チェーンが送信される
6. Google Mobile Ads SDK から各広告ネットワークに、広告が返されるまで順にリクエストが送信される
7. 返された広告が Google Mobile Ads SDK によって表示される

各段階の詳細

1. パブリッシャー様のモバイルアプリからアド マネージャーに広告リクエストが送信される

広告リクエストは、Google Mobile Ads SDK と特別な第三者広告ネットワーク アダプターを介してアド マネージャーの広告サーバーに送信されます。詳しくは、メディエーションの利用を開始するをご覧ください。

2. アド マネージャーで、リクエストに対して競合可能な広告申込情報と収益グループが選び出される

アド マネージャーでは、広告枠ターゲティングに基づいて、競合可能な広告申込情報と収益グループのリストが作成されます。詳しくは、一致する広告申込情報と収益グループのリストの作成をご覧ください。

3. アド マネージャーで、メディエーションの一部として呼び出す広告ネットワークのチェーンが作成される

1 つまたは複数の収益グループが広告リクエストに合致すると、それらの競合可能な収益グループに含まれるメディエーション ネットワークが単一のリスト（チェーン）にまとめられます。このリストでは、ネットワークが推定収益順に並べられます。収益の推定には、過去の掲載結果データやユーザーが入力した CPM 値が使用されます。Ad Exchange の場合は、リアルタイム オークションの落札単価が使用されます。

メディエーションでは、各広告ネットワーク タグの推定 CPM とリアルタイムの Ad Exchange CPM に基づいて、CPM の高い順に広告ネットワーク タグが並べ替えられます。

例

広告ネットワーク 1 は CPM が最も高く、したがってチェーンの最初に配置されます。

1. 広告ネットワーク 1: CPM 5.75 ドル
2. Ad Exchange: CPM 4.00 ドル
3. 広告ネットワーク 2: CPM 3.50 ドル
4. 広告ネットワーク 3: CPM 3.25 ドル
5. 広告ネットワーク 4: CPM 2.00 ドル

推定 CPM は、各メディエーション ネットワークに対して入力された「デフォルト CPM」、または自動データ収集が有効になっている場合は「ダイナミック CPM」に基づきます。アド マネージャーでデータが自動収集される場合、推定 CPM は、その広告ネットワーク タグの過去の CPM を基準に、アド マネージャーで記録されたインプレッション数との差異を考慮して調整された値になります。

• Ad Exchange に競合可能な入札がある場合は、メディエーション チェーンの末尾に Ad Exchange クリエイティブが含められます。
• Ad Exchange よりも推定収益の低い広告ネットワーク タグは、チェーンから除外されます。
• Ad Exchange の広告の CPM がすべてのネットワーク タグより高い場合、Ad Exchange の広告のみが返されます。

代替広告を設定している場合は、メディエーション チェーンで代替広告がどのように処理されるかについて、モバイルの代替広告の概要をご確認ください。

4. アド マネージャーで、他のアド マネージャー広告申込情報と推定収益が比較される

メディエーション チェーンでは、ダイナミック アロケーションに基づいて他のアド マネージャー広告申込情報を考慮することもできます。

最適な広告申込情報が Ad Exchange の落札単価を上回る空き枠広告申込情報の場合は、Ad Exchange の入札単価ではなく、その広告申込情報がチェーンに含められます。

例

いくつかの収益パートナーから、Ad Exchange およびアド マネージャーのバックフィルとともに、異なる CPM の入札が返されました。

1. 広告ネットワーク 1: CPM 5.75 ドル
2. Ad Exchange: CPM 4.00 ドル
3. 広告ネットワーク 2: CPM 3.50 ドル
4. 広告ネットワーク 3: CPM 3.25 ドル
5. 広告ネットワーク 4: CPM 2.00 ドル
6. アド マネージャー価格優先広告申込情報 1: CPM 5.00 ドル
7. アド マネージャー広告申込情報 2: CPM 4.00 ドル

価格優先広告申込情報が Ad Exchange の入札単価を上回っているため、アド マネージャーは次のメディエーション チェーンを返します。

1. 広告ネットワーク 1: CPM 5.75 ドル
2. アド マネージャー価格優先広告申込情報 1: CPM 5.00 ドル

配信に選ばれた広告申込情報が Ad Exchange の落札単価を上回る保証型広告申込情報の場合は、Ad Exchange ではなく保証型広告申込情報が含められます。

例

いくつかの収益パートナーから、Ad Exchange およびアド マネージャーのバックフィルとともに、異なる CPM の入札が返されました。

8. 広告ネットワーク 1: CPM 5.75 ドル

9. Ad Exchange: CPM 4.00 ドル

10. 広告ネットワーク 2: CPM 3.50 ドル

11. 広告ネットワーク 3: CPM 3.25 ドル

12. 広告ネットワーク 4: CPM 2.00 ドル

13. アド マネージャー標準広告申込情報 1: CPM 5.00 ドル

14. アド マネージャー広告申込情報 2: CPM 4.00 ドル

 

標準広告申込情報は Ad Exchange の入札単価を上回っているため、アド マネージャーは次のメディエーション チェーンを返します。

4. 広告ネットワーク 1: CPM 5.75 ドル

5. アド マネージャー標準広告申込情報 1: CPM 5.00 ドル

Ad Exchange の入札単価を上回っていないアド マネージャー広告申込情報はチェーンに含められません。

Ad Exchange に競合可能な入札または広告申込情報がない場合、メディエーション チェーンには広告ネットワーク タグのみが含まれ、メディエーション チェーンの末尾に純広告を追加できます。

5. アド マネージャーからパブリッシャー様のモバイルアプリにメディエーション チェーンが送信される

メディエーション チェーンは、Ad Exchange、空き枠、保証型の広告申込情報（配信対象となる場合）が末尾に追加された状態でパブリッシャーのモバイルアプリに返されます。

6. Google Mobile Ads SDK から各広告ネットワークに、広告が返されるまで順にリクエストが送信される

返されたメディエーション チェーンに基づき、モバイルアプリの SDK からネットワーク アダプターを介して、広告が返されるまで各広告ネットワークに順にリクエスト（「コールアウト」）が送信されます。

返されたメディエーション チェーンに含まれる広告ネットワークのいずれも広告リクエストに対応できない場合、そのリクエストに対して広告は配信されず、広告サーバーへの自動パスバックも行われません。

自動データ収集を有効にするか、各パートナーが実際に受け取った入札単価に基づいて各メディエーション ネットワークの CPM を定期的に調整するようにしてください。

7. 返された広告が Google Mobile Ads SDK によって表示される

最終的に返された広告が、Google Mobile Ads SDK によってパブリッシャー様のモバイルアプリに表示されます。