広告ユニットでスマートバナー サイズを使用すると、固定された高さで、画面の幅いっぱいにバナー広告を表示できます。開発者は広告ユニットの固定サイズを指定する必要がなくなり、画面の幅いっぱいに表示するよう指定するだけで済みます。スマートバナーは幅しか拡張されないため、アダプティブ バナーのような柔軟性はなく、それほどの効果は見込めない可能性があります。
Google Mobile Ads SDK ではスマートバナーがサポートされており、次のようにクリエイティブが表示されます。
- Google アド マネージャーから直接配信される広告の場合、バナー表示の余った幅の部分は透明になります。
- Ad Exchange からバックフィルされた広告の場合は、必要に応じて灰色のタイルがクリエイティブに追加され、バナー表示の幅全体が埋められます。たとえば広告の表示サイズが 360x50 の場合、320x50 のクリエイティブの左右は 20 ピクセル幅の灰色のタイルで埋められます。
ここからは、スマートバナー広告ユニットの作成方法と、広告の高さが決まる仕組み、スマートバナーにおけるバックフィルの処理などについて説明します。
スマートバナーのサポートの終了
スマートバナーは、標準のバナー呼び出しとメディエーションでのみ使用できます。ネイティブ広告などの他の機能とスマートバナーの併用はサポートされていません。また、スマートバナー サイズの広告ユニットは、インタースティシャルでは使用できません。注: プログラマティック直接取引キャンペーンではスマートバナーを使用できます。
スマートバナー サイズの広告ユニットを作成する
- 通常どおり広告ユニットを作成し、[サイズモード] プルダウンで [スマートバナー] を選択します。
- アプリで次のいずれかの広告サイズを使用して広告を表示します。
- iOS:
kGADAdSizeSmartBannerPortrait
またはkGADAdSizeSmartBannerLandscape
- Android:
SMART_BANNER
スマートバナー広告ユニットはアプリ専用であるため、Google アド マネージャーのタグ作成ツールでこの広告ユニット用に作成できるのはモバイルアプリ広告タグのみとなります。 - iOS:
- Google アド マネージャーで、次の両方の条件を満たす広告申込情報が配信候補として選ばれます。
- 高さがリクエストされた高さと同じである
- 幅が次の式に該当する:
(リクエストされた幅 ÷ 2) <= クリエイティブの幅 <= リクエストされた幅
たとえば、360x50 のスマートバナーのリクエストに対して配信可能なクリエイティブのサイズは 180x50~360x50 となります。
広告の高さ
次の表のとおり、広告の高さはデバイスの高さで決まります。
デバイスの高さ | 広告の高さ |
---|---|
400 dp 未満 | 32 dp |
400 dp 以上 720 dp 未満 | 50 dp |
720 dp 以上 | 90 dp |
また、高さはデバイスの向きによっても異なります。通常は次のようになります。
- スマートフォン(縦): 50 dp
- スマートフォン(横): 32 dp
- 10 インチ型タブレット、iPad(縦、横): 90 dp
- 一般的な Android 7 インチ型タブレット(縦): 90 dp
- 一般的な Android 7 インチ型タブレット(横): 50 dp
スマートバナーにおけるバックフィルの処理
アド マネージャーでは、スマートバナーのバックフィルでの validAdSizes
の使用はサポートされていません。複数サイズ リクエストを設定すると、Google Mobile Ads SDK でバックフィルのサイズが検出されます。
Ad Exchange の広告申込情報ではスマートバナー サイズの広告ユニットをターゲットに設定できます。広告申込情報には、アド マネージャーで広告申込情報の照合に使用するサイズ範囲内の固定サイズが設定されている必要があります。広告申込情報は、次の両方の条件を満たす必要があります。
- 高さがリクエストされた高さと同じである
- 幅が次の式に該当する
(リクエストされた幅 ÷ 2) <= クリエイティブの幅 <= リクエストされた幅
たとえば、360x50 のスマートバナーのリクエストに対して配信可能なクリエイティブのサイズは 180x50~360x50 となります。
スマートバナーは、AdSense の広告ユニットレベルのバックフィルには対応していません。このタイプのバックフィルでは固定サイズの広告ユニットが必要となるため、スマートバナーは使用できません。スマートバナー サイズの広告ユニットをターゲットに設定するには、代わりに AdSense または Ad Exchange の広告申込情報バックフィルを使用します。広告申込情報では、スマートバナー広告ユニットに要件を満たすクリエイティブが配信されるように、固定サイズを選択してください。バックフィルのクリエイティブが配信されるようにするには、スマートバナー スロットの幅の 50% 以上の幅で、同じ高さの固定サイズを選択する必要があります。
たとえば、スマートバナー サイズの広告ユニットを設定し、320x50 の固定サイズを指定した Ad Exchange の広告申込情報でこの広告ユニットをターゲットに設定したとします。この場合、スマートバナー広告ユニットに 320x50 の広告をバックフィルできるのは、高さが 400~720 dp のデバイスから行われたリクエストに対してのみです。バックフィルされた 320x50 の広告が表示される際、320 dp のクリエイティブで埋まらなかったバナー表示の余白は SDK によって埋められます。
一般的な問題
以下では、スマートバナーを使用する際に発生する可能性のある問題とその解決方法を紹介します。
スマートバナー広告が配信されない
配信候補となる有効な広告申込情報があることと、デベロッパーが Google Mobile Ads SDK を使って AdSize.SMART_BANNER サイズを適切に実装していることを確認します。ここでは、広告リクエストに smart_w パラメータと smart_h パラメータが含まれているかどうかをチェックします。
広告スロットに対してスマートバナーが有効になっている場合は、SDK で自動的にモバイル デバイスのサイズが検知され、そのサイズが広告リクエストに含められます。以下のサイズに該当する広告申込情報とクリエイティブはすべて配信候補となります。
- リクエストされた高さと同じ高さがある。
- リクエストされた幅の半分以上の幅があり、かつリクエストされた幅以下の幅である。たとえば、360x50 のスマートバナーのリクエストに対して配信可能なクリエイティブのサイズは 180x50~360x50 となります。
スマートバナー広告が中央に配置されない
イメージ広告のサイズがバナー用の領域よりも小さく、領域全体が埋められない場合は、画像が中央に配置されます。広告が中央に配置されない場合は、クリエイティブの実寸が Google アド マネージャーのターゲット サイズと一致しているかどうかを確認してください。たとえば、360x50 のクリエイティブに対して 320x50 のサイズを指定している場合、SDK では 360x50 の広告ビューがレンダリングされ、その領域に 320x50 のサイズでクリエイティブが表示されます。クリエイティブは、サイズごとに作成する必要があります。