Google は 2015 年に EU ユーザーの同意ポリシー（EU UCP）を導入しました。その導入以来、このポリシーは広告主、パブリッシャー、ユーザーの皆様にそれぞれ責任をもってオンライン広告のエコシステムを活用していただけるようにしたいという Google の姿勢を示すものとなっています。EU UCP はプライバシーに関する欧州の 2 つの規則、e プライバシー指令（ePD）と一般データ保護規則（GDPR）の要件を反映しており、Google で広告を掲載するマーケターにはエンドユーザーの同意を得てその選択を尊重することが義務付けられます。
本年から Google ではオーディエンス ソリューションと測定ソリューションにおいても EU UCP の施行が強化されます。これに伴い、欧州経済領域（EEA）のユーザーに広告を表示するアプリおよびウェブの広告主様は、キャンペーンのパフォーマンスを維持するため、検証可能な同意シグナルを Google に送信することが求められます。規制エコシステムの変化を受け、Google では Google 広告、Google マーケティング プラットフォーム、および Google アナリティクス向けの同意モードのアップグレードを発表しています。そのため、広告のパーソナライズ機能を継続してご利用いただくには、2024 年 3 月までにお客様の側で早急に対応していただく必要が生じる場合がございます。
Google の CMP パートナーを利用して同意モードを活用する
来たる変化に備えて、Google は同意モードの API をアップグレードし、同意の取得をより詳細に管理できる 2 つの新しいパラメータを追加しました。また、長期にわたる同意管理プラットフォーム（CMP）とのパートナーシップにより、同意モードの有効化を促進する CMP Partner Program を開始しています。CMP パートナーはウェブやアプリのエクスペリエンスにおいてますます欠かせない存在となっているため、Google ではこのプログラムをさらに拡大し、投資を継続したいと考えています。
お客様は CMP パートナーに以下の業務を委託して、管理作業の手間を軽減していただけます。
- ウェブサイト / アプリで同意モードのバナーを実装またはアップグレードする。
- 同意モードのバナーのコンテンツを管理する。
- コンバージョン測定やオーディエンス ターゲティングに関するユーザーの同意状況を確認するために、同意モードを介して同意シグナルを Google に渡す。
自動化されたソリューションが必要な場合は、EEA における規則の変化にスムーズに対応できるよう Google の CMP パートナーによるサポートをご利用いただけます。複数の CMP パートナーが、最新の同意モード API への自動アップグレードを提供しています。ただし、お客様がより柔軟かつ詳細な管理を望まれる場合は、カスタム ソリューションを実装することができます。この点で参考となるリソースがいくつかありますので、ぜひご参照ください。
お客様またはお客様の技術パートナーが Google の API や SDK を使用して Google とオーディエンス データを共有している場合は、最新の Google Ads API およびディスプレイ＆ビデオ 360 API にアップグレードする必要があります。アプリの広告主様は、Google のアプリ コンバージョン トラッキング API または SDK を最新バージョンに更新することが求められます。これにより、同意シグナルを適切に伝達して、ユーザーの選択を尊重し、包括的な測定とモデリングを可能にすることができます。App Attribution Partner（AAP）をご利用のアプリの広告主様は、AAP SDK / API の最新バージョンにアップグレードし、AAP パートナーとともに同意シグナルが Google に適切に通知されていることをご確認ください。
今後に向けて
今年、マーケティングは 1 つの転換点を迎えます。2024 年後半には Chrome のサードパーティ Cookie のサポート終了が予定されており、デジタル市場における規則の変化への対応も急がれます。とはいえ、同意モードを導入すれば、持続可能なソリューションの適切な基盤を整え、同意を得て収集したファーストパーティ データと Google AI を活用することができます。皆様には、このような方法でオンライン広告に押し寄せる激しい変化の波を乗り越え、引き続き成果を拡大していただきたいと願っております。
Posted by Shirin Eghtesadi - プロダクト マネジメント担当ディレクター
