組織の情報ガバナンス計画の一環として、ドライブ内のファイル(Meet の録画を含む)の保持期間を管理できます。保持ルールを使用すると、ファイルをいつまで保持し、いつ削除するかを設定することができます。
カスタム保持ルールを設定すると、特定の条件に一致するデータを一定期間にわたって保持できます。組織内のすべてのライセンス取得済みアカウントのサービスについて、すべてのデータを一定期間保持する必要がある場合は、デフォルトの保持ルールを設定します。カスタム保持ルールはデフォルトの保持ルールよりも優先されます(デフォルトの保持ルールの保持期間の方が長い場合でも)。
保持ルールの設定にあたり、あらかじめ保持の仕組みに関する記事をご一読ください。
ドライブと保持に関する重要なお知らせ
Vault では、ドライブに保存されている次のアイテムの記録保持(リティゲーション ホールド)、保持、検索、書き出しを行うことができます。
- Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム、サイト、図形描画
- Google Meet の録画および付随するチャット、Q&A、アンケートのログ(Meet の録画の詳細)
- ユーザーのドライブに保存された Jamboard ファイル
- ユーザーがドライブにアップロードした Google 以外の形式のファイル
フォルダとドライブのショートカットは対象外です。
保持ルールは、ポリシーの適用対象となる組織部門のユーザーが所有しているファイル、またはそうしたユーザーと直接共有されているファイルに適用されます。ユーザーと直接共有されている共有ドライブ内のファイルも、そのユーザーがその共有ドライブのメンバーであるかどうかにかかわらず、保持ルールの適用対象です。
[共有ドライブを含める] チェックボックスをオンにした場合、対象となる組織部門のメンバーが含まれる共有ドライブにも、保持ルールが適用されます。
保持ルールによって、ユーザーのドライブ内にあるすべての対象ファイルが保持されます(共有ドライブのファイルを対象に含むようにルールを設定している場合は、共有ドライブのファイルも保持されます)。保持の対象となるファイルは、該当する組織部門のユーザーが所有または共有しているファイルです。ただし、保持期間満了時にパージされるのは、該当する組織部門のユーザーが所有するファイルに限られます。組織部門の外部からユーザーに共有されたファイルがパージされることはありません。
共有ドライブにカスタム保持ルールを適用すると、次のようになります。
- すべての共有ドライブを対象とするカスタムルールは、ドメイン内のすべての共有ドライブの保持期間に影響します。
- 特定の共有ドライブを対象とするカスタムルールは、選択した共有ドライブの保持期間にのみ影響します。
共有ドライブを対象とする保持ルールが設定されている場合にのみ、共有ドライブのファイルをパージすることができます。
- 保持ルールによって、ユーザーのドライブ内にあるすべての対象ファイルが保持されます(共有ドライブのファイルを対象に含むようにルールが設定されている場合は、共有ドライブのファイルも保持されます)。ただし、共有ドライブのファイルはチームが所有するものであり、特定のユーザーが所有するものではないため、共有ドライブのファイルがパージされるのは、共有ドライブを対象とする保持ルールが設定されている場合に限られます。
- 保持ルールの適用対象がユーザーで、[共有ドライブを含める] がオンになっている場合は、共有ドライブのファイルの保持期間の延長のみが可能です。
- 保持ルールを作成、更新する際、そのルールが反映されるまでに最長で 3 時間ほどかかることがあります。その間にユーザーがファイルを削除すると、ファイルは保持されないため、ファイルにアクセスできなくなります。
- 保持期間満了の際、対象ファイルがドライブから削除されるまでには最長で 15 日ほどかかることがあります。
ドメイン外で作成されてドメイン内のユーザーと共有されたファイルは、所属組織の記録保持または保持ポリシーの対象にはなりません。
- アップロード - タイムスタンプにはファイルがドライブにアップロードされた時刻が反映される
- ローカル - タイムスタンプにはアップロード元のデバイスまたはサービス上にある元のファイルと同じものが反映される
ファイルのアップロード元(クライアント) | 作成時刻 | 変更時刻 |
---|---|---|
ウェブアプリ | アップロード |
2020 年 4 月 8 日より前: アップロード 2020 年 4 月 8 日より後: ローカル |
ドライブ ファイル ストリーム | ローカル | ローカル |
バックアップと同期 | アップロード | ローカル |
iOS | アップロード | アップロード |
Android | アップロード | アップロード |
Google Workspace Migrate | ローカル | ローカル |
Drive API | 呼び出し元で設定可能 | 呼び出し元で設定可能 |
ドライブ内のファイルに対して複数のカスタム保持ルールを作成する場合は、各ルールを次のように設定する必要があります。
- 最終更新日または作成日に重複しない値を設定する
または - 重複しないユーザー グループに適用する
たとえば、ある組織部門にルールを適用している状態で、その組織部門のすべてのメンバーがアクセスする共有ドライブに適用されるルールを追加しようとすると、ルールが競合する可能性があります。新しいルールと既存のルールの作成日または最終更新日が同じ場合、Vault では新しいルールが拒否されます。
また、[共有ドライブを含める] 設定を使用することで保持ルールを区別することができます。まったく同じ保持条件のルールであっても、一方では [共有ドライブを含める] を有効にし、他方では無効にした場合、この 2 つのルールは競合しません。
ファイルに複数の保持ルールが適用されている場合、そのファイルは保持期間が最も長いルールに基づいて保持されます。
Google サービスの中にはデータがドライブに保存されるものがあります。このデータには、次のようにドライブの保持ルールが適用されます。
サービス | 保持 |
---|---|
Jamboard |
Vault ではユーザーのドライブに保存された Jam が保持され、ドライブの保持ルールが適用されます。未保存の Jam は Jamboard セッションの終了時に破棄され、Vault では使用できません。 |
Google Meet |
Meet の録画にはデフォルトでドライブの保持ルールが適用されます。 Meet の録画をドライブの他のアイテムとは異なる方法で管理するには、Google Meet の保持ルールを設定します。Meet の保持ルールが有効になっている場合、ドライブの保持ルールは Meet の録画に適用されません。 |
カスタム保持ルールで、ユーザーがファイルを [ゴミ箱] に移動してから一定の日数が経過した後にファイルをパージするよう設定できます。この moved-to-trash ルールの対象となるのは、2016 年 8 月 1 日以降に [ゴミ箱] に移動されたファイルのみです。
- moved-to-trash ルールは、ユーザーの [ゴミ箱] 内にあるファイルと、ユーザーが [ゴミ箱] を空にしたときに削除されたファイルの両方に適用されます。
- moved-to-trash ルールによってパージされるのは、そのルールの適用対象のユーザーまたは共有ドライブがオーナーとなっているファイルのみです。
- [ゴミ箱] 内のファイルに複数の保持ルールが適用される場合は、moved-to-trash ルールが最優先されます。複数の moved-to-trash ルールがファイルに適用されている場合、そのファイルは有効期限が最も先のルールに基づいて保持されます。記録保持(リティゲーション ホールド)は保持ルールよりも常に優先されます。
- 記録保持や保持ルールが適用されないすべてのドライブファイルは、[ゴミ箱] に移動されてから約 30 日後にすべての Google システムから完全に削除されます。
ユーザーは Google ファイルを別の Google ファイルにリンクできます。たとえば、Google ドキュメントで、Google スプレッドシートのデータにリンクしたグラフを作成することができます。スプレッドシートが更新されるたびに、ドキュメント内のグラフも更新されます。
この例で、たとえばドキュメントが保持ルールで保護されている一方で、スプレッドシートには保持ルールや記録保持(リティゲーション ホールド)が設定されていない場合、ドキュメントが保持されてもスプレッドシートはパージされる可能性があります。
ドライブのカスタム保持ルールを設定する
次の手順は、新しい Vault(vault.google.com)を対象としています。従来の Vault の手順に移動
- vault.google.com にログインします。
- [保持]
[カスタムルール]
[作成] をクリックします。
- サービスとして [ドライブ] を選択し、[次へ] をクリックします。
- エンティティを選択します。
- 組織部門 - 特定の組織部門にルールを適用します。
- 該当する欄をクリックして組織部門を選択します。
- (省略可)選択した組織部門内のアカウントがメンバーとなっている共有ドライブにルールを適用するには、[共有ドライブからの検索結果を含める] チェックボックスをオンにします。
- すべての共有ドライブ - 組織内のすべての共有ドライブにルールを適用します。
- 特定の共有ドライブ - 特定のアカウントがメンバーとなっている共有ドライブにルールを適用します。
- アカウント(複数可)を入力して [検索] をクリックします。
- 共有ドライブ(複数可)を選択します。
- [追加] をクリックします。
- 組織部門 - 特定の組織部門にルールを適用します。
- [次へ] をクリックします。
-
ファイルの保持期間を選択します。
- このルールの対象となるファイルを永続的に保持するには、[期限なし] を選択します。
- 一定期間が経過したファイルを破棄するには:
- [保持期間] を選択します。
- 1~36,500 の範囲で日数を入力します。
- 保持期間開始の基準となる時間を選択します。
- 保持期間を設定する場合は、保持期間の終了後にファイルをどのように処理するのかを選択します。
- ユーザーの [ゴミ箱] からすでに削除されているファイルだけをパージするには、1 番目のオプションを選択します。
- 削除されていないファイルを含め、すべてのファイルをパージするには、2 番目のオプションを選択します。
警告: ルールを設定すると、保持期間を過ぎているデータのパージがドライブで直ちに開始されます。削除の対象となるデータの中には、ユーザーが保持しておきたいデータが含まれている可能性があるため、ルールを適切に設定したことを確認してから、次の手順に進んでください。 - [作成] をクリックします。保持期間を設定した場合、ルールの影響を理解しているかどうかを確認するメッセージが表示されます。チェックボックスをオンにし、[承諾] をクリックしてルールを作成します。
ドライブのデフォルトの保持ルールを設定する
次の手順は、新しい Vault(vault.google.com)を対象としています。従来の Vault の手順に移動
デフォルトの保持ルールは、カスタムルールまたは記録保持(リティゲーション ホールド)の対象とならないドライブ内のファイルに適用されます。
- vault.google.com にログインします。
- [保持] をクリックします。デフォルト ルールのリストが表示されます。
- ドライブ アイコン
をクリックします。
-
ファイルの保持期間を選択します。
- このルールの対象となるファイルを永続的に保持するには、[期限なし] を選択します。
- 一定期間が経過したファイルを破棄するには:
- [保持期間] を選択します。
- 1~36,500 の範囲で日数を入力します。
- 保持期間開始の基準となる時間を選択します。
- 保持期間を設定する場合は、保持期間の終了後にファイルをどのように処理するのかを選択します。
- ユーザーの [ゴミ箱] からすでに削除されているファイルだけをパージするには、1 番目のオプションを選択します。
- 削除されていないファイルを含め、すべてのファイルをパージするには、2 番目のオプションを選択します。
警告: ルールを設定すると、保持期間を過ぎているデータのパージがドライブで直ちに開始されます。削除の対象となるデータの中には、ユーザーが保持しておきたいデータが含まれている可能性があるため、ルールを適切に設定したことを確認してから、次の手順に進んでください。 - [保存] をクリックします。ルールの影響を理解しているかどうかを確認するメッセージが表示されます。チェックボックスをオンにし、[承諾] をクリックしてルールを保存します。
ediscovery.google.com でドライブの保持ルールを設定する
ドライブのカスタム保持ルールを作成する
組織部門、期間、特定の検索キーワードに基づいて、カスタムルールを設定できます。カスタムルールは常にデフォルトのルールよりも優先されます。1 つのメッセージやファイルに対して複数の保持ルールが適用される場合は、保持期間が最も長いルールに基づいて保持されます。
カスタム保持ルールを作成するには:
- Vault にログインします。
- 左側のナビゲーション領域にある [保持] をクリックします。
- [ルールを作成] をクリックします。
- ルールの適用対象を選択します([ドライブ])。
- プルダウン リストからエンティティを選択します。
- 組織部門:
- ボタンをクリックして組織部門を選択します。
- (省略可)その組織部門のメンバーと関連付けられている共有ドライブにこのルールを適用する場合は、[共有ドライブからの検索結果を含める] チェックボックスをオンにします。
- すべての共有ドライブ - ドメイン内のすべての共有ドライブにルールを適用します。
- 特定の共有ドライブ - [共有ドライブを探す] をクリックしてメンバー アカウントを入力し、特定の共有ドライブにルールを適用します。
- 組織部門:
- ファイルの保持期間を選択します。
- [期限なし] を選択すると、このルールが適用されるファイルが無期限で保持されます。[保存] をクリックすると、保持ルールが作成されます。これで手順は完了です。
- 一定期間が経過したファイルを破棄するには、1~36,500 の範囲で日数を入力します。次のどのタイムスタンプに基づいてルールを作成するのかを指定します。
- 作成
- 最後の更新
- ゴミ箱に移動済み
- 指定した期間が経過した後、ファイルをどのように処理するのかを選択します。
- 1 番目のオプションを選択すると、ユーザーによって削除済みのファイルのみが消去されます。
- 2 番目のオプションを選択すると、すべてのファイルが消去されます。ユーザーのドライブにあるファイルのほか、削除済みのデータも対象になります。
- [プレビュー] をクリックしてこの保持ルールの対象となるファイルのリストを表示し、ルールが正しく設定されていることを確認します。ユーザーが必要とする可能性のあるデータは、完全に削除されることのないよう十分にご注意ください。
警告: 新しいルールを設定すると、保持期間を過ぎているデータのパージ処理が直ちに開始されます。削除の対象となるデータの中には、ユーザーが保持しておきたいデータが含まれている可能性があるため、ルールを適切に設定したことを確認してから、次の手順に進んでください。
- [保存] をクリックして、ファイルを消去する保持ルールを作成します。この保持ルールの影響を理解していることを確認するメッセージが表示されます。チェックボックスをオンにし、[確認] をクリックしてルールを作成します。
ドライブのデフォルトの保持ルールを設定する
デフォルトの保持ルールは、カスタムルールや記録保持(リティゲーション ホールド)の適用対象にならないすべてのファイルに適用されます。マイドライブや共有ドライブにあるファイルも対象となります。
組織のデフォルトの保持ルールを設定するには:
- Vault にログインします。
- 左側のナビゲーション領域にある [保持] をクリックします。
- [デフォルトの保持ルール] で [ドライブ] をクリックします。
- [Google ドライブのデフォルトの保持ルールの設定] チェックボックスをオンにします。
- ファイルの保持期間を選択します。
- [期限なし] を選択すると、すべてのファイルが無期限で保持されます。[保存] をクリックすると、保持ルールが作成されます。これで手順は完了です。
- 一定期間が経過したファイルを破棄するには、1~36,500 の範囲で日数を入力します。各ファイルの作成日と最終更新日のどちらに基づいてルールを作成するかを指定します。
- 指定した期間が経過した後、ファイルをどのように処理するのかを選択します。
- 1 番目のオプションを選択すると、ユーザーによって削除済みのファイルのみが消去されます。
- 2 番目のオプションを選択すると、すべてのファイルが消去されます。ユーザーのドライブにあるファイルのほか、削除済みのデータも対象になります。
警告: デフォルトの保持ルールを設定すると、保持期間を過ぎているデータの削除処理が直ちに開始されます。削除の対象となるデータの中には、ユーザーが保持しておきたいデータが含まれている可能性があるため、ルールを適切に設定したことを確認してから、次の手順に進んでください。 - [保存] をクリックして、すべてのファイルを消去する保持ルールを作成します。この保持ルールの影響を理解していることを確認するメッセージが表示されます。チェックボックスをオンにし、[確認] をクリックしてルールを作成します。