Google Vault を使用する際の必知事項を以下に記載します。
監査レポート - 指定した期間中に Vault 対象ユーザーが行った Vault 関連の操作に関するレポート。Vault の操作は、Google Workspace のサブスクリプションがアクティブになっている間、Vault ユーザーや Google が削除できないデータベースに記録されます。監査レポートが削除されるのは、組織の Vault サービスが終了してから約 1 か月経過後です。
削除 - ユーザーがメッセージやアイテムをゴミ箱に移動すること。削除するには、Gmail でもドライブでも [削除] をクリックします。
完全に削除 - ユーザーが Gmail またはドライブのゴミ箱を空にすること。ユーザーは完全に削除したデータを復元できません。ユーザーが Gmail のメールを完全に削除した場合、メールは Google の実稼働システムからパージされるようマーク(^deleted
)が付けられます。
^deleted
- [ゴミ箱] フォルダから削除し、パージするよう Gmail のメールに適用される Google の内部ラベル。Gmail の 30 日間の保持ポリシーでは、「^deleted
」というラベルの付いたメールは 30 日間保持され、その間は管理者がデータを復元できます。「^deleted
」ラベルが付けられてから 30 日間が経過し、保持ルールまたは記録保持(リティゲーション ホールド)の適用対象にならないデータは Google のシステムからパージされます。
eDiscovery - ケースまたは調査に関連する、電子的に保存された情報を特定し、データを保持、収集、分析するプロセス。
書き出し - Vault ユーザーがダウンロードするために Google Vault で作成されたアカウント データと関連メタデータのセット。
消去 -(現在はパージと称します)Google の実稼働システムからデータが完全に削除された場合。消去されると、どの実稼働システムでもデータを使用できなくなり、Vault で使用できなくなります。
Gmail の 30 日間保存ポリシー - Gmail のゴミ箱から削除されたメッセージは、その後 30 日間、Vault ユーザーが Vault からアクセスできます。その 30 日の間に Vault の保持ルールの期限が切れた場合でも、この保存ポリシーが優先されます。つまり、保持期間が切れた後にメッセージをパージするように保持ポリシーが設定されていても、保存ポリシーの期限が切れていなければ、メッセージは保存ポリシーの期限が切れるまでパージされません。
保持データ - 記録保持(リティゲーション ホールド)が適用されるすべてのデータ。このデータは、すべての記録保持が解除されるまで削除対象から除外されます。
記録保持(リティゲーション ホールド) - Vault でユーザーによって作成されるポリシーで、Google Workspace サービスによるデータの削除が禁止されます。記録保持は、個別アカウントまたは特定の組織部門の全アカウントで所有または共有しているデータに適用できます。記録保持は、法的要件や調査の目的でデータを保持するために使用されます。記録保持は保持ルールよりも優先されます。記録保持と保持ルールの対象となるデータは、記録保持を解除した後にのみ削除できます。案件へのアクセス権がある Vault ユーザーのみが、記録保持対象のユーザーとデータを確認できます。
無期限 - 保持ポリシーを変更するか、Google Workspace のサブスクリプション期間が終了するまで、Vault を介してデータが恒久的に保存されます。無期限保持データは、サブスクリプションが終了した場合または更新されなかった場合には、保持されません。
情報ガバナンス - 法的および規制上の義務に準拠して、組織のデータ保持ポリシーと削除ポリシーを策定、実装するプロセス。Vault では、保持ルールを設定して、対象となるサービスのデータを一定期間保持し、必要に応じてそのデータを削除できます。
案件 - 訴訟案件や調査のデータなど、関連した検索、書き出し、記録保持を格納するワークスペース。案件に含まれるデータ:
- 保存された検索クエリ(ある場合)
- 記録保持(リティゲーション ホールド)が適用されるアカウントのリスト(ある場合)
- 案件にアクセスできるアカウントの一覧
- 案件に関するエクスポート セット
- 案件の監査証跡
メッセージ - メールとチャット メッセージの記録を総称する用語。
完全に削除 - データを恒久的に削除することです。完全に削除されたデータは Gmail やドライブの [ゴミ箱] フォルダから削除されます。
パージ(旧「消去」)Google の実稼働ストレージ システムからデータを完全に削除すること。パージされたデータは、どの実稼働システムでも使用できなくなるため、Vault で使用できなくなります。
削除 - メッセージの場合は Gmail のゴミ箱から削除され、アイテムの場合はドライブのゴミ箱から削除されます。このデータには、パージの対象としてマークが付けられます。この操作は、ユーザーがドライブで [削除] をクリックした場合とは異なるものです。ユーザーがドライブでゴミ箱に移動すると、アイテムはゴミ箱に移動されますが、消去のマークは付けられません。ユーザーは、削除されたメッセージやアイテムにはアクセスできませんが、Vault ユーザーは引き続き Vault でこのデータを検索したり閲覧したりできます。
保持ルール - 指定したスコープと条件に一致するデータが Google サービスから削除されないようにする Vault のポリシー。データは特定の日数または無期限に保持できます。Vault ユーザーは、保持ルールの保持期間が終了したデータの処理方法を設定できます。詳細
保持期間 - データが Vault で使用可能であり、Google サービスで削除されない日数。
Vault ユーザー - Vault の保持ポリシーの設定、記録保持の管理、データの検索と書き出しに必要な権限を持つ Google Workspace ユーザー。