不正なソフトウェアはマルウェア(「malicious(悪意のある)software」に由来)とも呼ばれ、特にインストールされたコンピュータやソフトウェアに悪影響を与えるために作成されたあらゆるソフトウェアを指します。不正なソフトウェアは、クレジット カード番号やパスワードなどの個人情報を盗んだり、メール アカウントから本人の知らないうちに偽装メールを送信したりします。不正なソフトウェアにはウイルス、ワーム、スパイウェア、アドウェア、トロイの木馬などがありますが、これらに限定されません。
コンテナは不正なソフトウェアがないか自動的にスキャンされ、不正なソフトウェアが検出された場合、感染しているコンテナが報告されます。不正なソフトウェアが発見されたサイトを参照するタグは、配信が停止されます。
サイトやネットワークが感染する経路
ほとんどの場合、不正なソフトウェアとして機能するタグがコンテナに潜んでいてもユーザーは気づいていません。ネットワーク プロバイダが第三者事業者のライブラリやテンプレートをウェブサイトにインストールしたときに不正なソフトウェアに感染し、その後、ユーザーがタグ マネージャーを通じて自分のウェブサイトにカスタム HTML タグを公開すると、そのタグを通じてユーザーのサイトに不正なソフトウェアが送信されてしまいます。そのため、通常はユーザーに責任はありません。
不正なソフトウェアに感染した場合の一般的な症状としては、意図しない URL のリダイレクト、ポップアップ広告、検索結果の改ざん、不要なブラウザ ツールバーやサイド検索バーの追加、パソコンの処理速度の低下などが挙げられます。
コンテナに不正なソフトウェアがあると報告された場合の対処方法
コンテナに不正なソフトウェアがあると報告された場合、そのコンテナの所有者に通知メールが送信されます。タグ マネージャーでは、公開バージョンで配信されているタグに不正なソフトウェアの報告がある場合、その旨のアラートが表示されます。バージョン履歴にも同様のアラートが表示されます。
この問題を解決するには、問題が発生しているコンテナに移動し、不正なソフトウェアに感染しているタグからトリガーをすべて削除します。さらに、該当するタグをタグの順序付けから削除して完全に無効にします。
コンテナの設定を修正して再公開すると、不正なソフトウェアがないか自動的に再スキャンされます。
不正なソフトウェアの問題を回避する最良の方法は、Google タグ マネージャーに組み込まれているタグ テンプレートを使うことです。タグ マネージャーは第三者事業者のタグ テンプレートを多数サポートしており、その他の多くのテンプレートもコミュニティ テンプレート ギャラリーで提供しています。
広告ネットワークの運営者様が不正なソフトウェアの報告を受けた場合の対処方法
下の手順に従って、ご利用のコンピュータに不正なソフトウェアがないか確認し、サイトから悪意のあるコードをすべて削除したうえで、審査用にサイトと広告を送信していただく必要があります。
- Google の Search Console サイトでサイトのステータスをチェックします。
- google.com/webmasters にアクセスしてログインします。
- Search Console を初めて利用する場合は、入力欄にウェブサイトの URL を入力して [サイトを追加] をクリックします。ご自身のサイトであることの確認をお願いする場合があります。
- 該当サイトのステータス表示で、どのような問題があるか確認します。
- 下のシナリオのうち当てはまるものを選択すると、次の手順の詳細が表示されます。
必要な手順の概要は次のとおりです。
- サイトを隔離する
- 被害の程度を確認する
- サイトをクリーンアップする
- Google にサイトの再審査を依頼する
こちらの詳しい手順に従って作業を進めます。プライマリ ドメイン、すべてのサブドメイン、リダイレクト先であるすべての確認済みサイトについて、不正なソフトウェアに感染していない状態にしてください。
技術的な手順の実施が難しい場合、ウェブ ホスティング プロバイダにご相談ください。
Search Console でサイトに問題が確認されない場合でも、タグ マネージャーのシステムによって検出されたセキュリティ上の問題が残っている可能性があります。サイトのウェブマスターやウェブ ホスティング プロバイダに問題の確認を依頼してください。
コンテナが不正なソフトウェアに感染したサイトを参照し続けている場合の措置
不正なソフトウェアが含まれるタグは無効になり、実行されません。問題のあるタグを再度有効にすると、Google タグマネージャ アカウントがロックされる可能性があります。ロックされた場合、アカウントのオーナーにメールで通知されます。
不正なソフトウェアを検出、削除できる Google のプログラム
Google は不正なソフトウェアを削除するプログラムを提供していませんが、セーフ ブラウジングというサービスを提供しています。このサービスでは、Google で定期的に更新される、フィッシングや不正なソフトウェアの感染が疑われるページのリストと照合して URL をチェックできます。他にも、次のようなサードパーティ ソリューションが有効です。
これらのプログラムで問題が解決しない場合は、HijackThis などの高度なトラブルシューティング プログラムをお試しください。
不正なソフトウェアについて政府機関に申し立てを行う方法
米国では、連邦取引委員会(FTC)が米国内の不正または不当なビジネス手法(米国内でホストされているサイトが配布する不正なソフトウェアを含む)についての申し立てを処理します。申し立てを行うには、www.ftccomplaintassistant.gov をご覧ください。
米国以外の国で申し立てを行う場合は、21 か国の消費者保護機関を代表するサイト(www.econsumer.gov)をご覧ください。