多変量テスト(MVT)を使うと、統制された方法でページ内の複数のセクションをテストして、セクションの相互作用について確認できます。
多変量テストとは
多変量テスト(MVT)では、ウェブページの複数の項目のパターンを同時にテストして、最良の結果が得られる組み合わせを特定します。MVT では、A/B テストのように最良の結果を得られるページのパターンを特定するのではなく、最良の結果を得られる各要素のパターンとともに、要素のパターンの最適な組み合わせを特定します。
たとえば、次のような多変量テスト(MVT)は、ランディング ページで使う最適な見出し(H1、H2)とメイン画像(A、B、C)の組み合わせを特定する際に役立ちます。
用語の確認
多変量テストを作成する前に、理解しておく必要がある重要な用語がいくつかあります。
- 多変量テスト – 複数の要素(またはセクション)の組み合わせをテストし、それぞれの効果を明らかにするテスト方式。たとえば、広告見出しのパターンとヒーロー画像のパターンを同時にテストできます。A/B テストのようにどのページパターンが最も効果的かを割り出すのではなく、パターンの最も効果的な組み合わせを割り出すのが MVT の特徴です。シンプルな A/B テストでは通常 2~3 つのページパターンを使用します。一方、多変量テストでは、複数のページ要素についてそれぞれ複数のパターンを用意し、それらを組み合わせて同時にテストします。
- セクション - パターンを作成するために変更を加えるウェブページの一部分(見出しやヒーロー画像など)。A/B テストでは 1 つのセクションが使用されますが、多変量テスト(MVT)では複数のセクションが使用されます。
- 組み合わせ - 複数のセクションが使用される多変量テスト(MVT)では、組み合わせとは各セクションのパターンから作成されたウェブサイト エクスペリエンスを意味します。たとえば、上に示した組み合わせ 1 は、見出し 1 と画像 A から構成されます。
テストに関する用語は、ここに示したもの以外も、オプティマイズの用語集でご確認いただけます。
多変量テストを作成する
多変量テスト(MVT)を作成するには:
- オプティマイズ アカウントを開きます(メインメニュー > [アカウント])。
- コンテナを選択します。
- [テストを作成] をクリックします。
- テスト名を入力します。半角 255 文字(全角 127 文字)まで入力できます。
- エディタページ(テストするウェブページ)の URL を入力します。
- [多変量テスト] をクリックします。
- [作成] をクリックします。
Google アナリティクスの [プロパティ] には、リンク先のアナリティクスのプロパティが自動的に入力されます。
セクションと組み合わせ
テストに名前を付けて、エディタページを選択すると、テストの詳細ページが下書きモードで表示されます。このページでは、新しいパターンを作成できます。MVT のパターンを作成する際は、A/B パターンを作成する場合と同じ手順に従います。ただし、パターンはセクションごとに作成できます。
セクションとは、ウェブページの 1 つの要素(ボタンや画像など)のことで、パターンはセクションを変更して作成します。A/B テストでは、(1 つ以上のパターンからなる)1 つのセクションが対象となります。多変量テスト(MVT)の場合、複数のセクションが同時にテストされます(ボタンと画像など)。
[作成] をクリックすると、セクションと組み合わせの選択ツールが表示されます。上で入力したエディタページはオリジナルとして使用され、2 つのセクション(下で説明する A と B)が作成されます。多変量テスト(MVT)には、2 つ以上のセクションと、それぞれのセクションに 2 つ以上のパターン(オリジナル パターンと新しいパターン)が必要です。
新しいパターンを作成する
新しいパターンを作成するには:
- 適切なセクションで [+ 新規パターン] をクリックします。
- パターン名(「見出し 1」など)を入力します。
- [追加] をクリックします。
- 必要に応じてこの手順を繰り返します。
- 完了したら [保存] をクリックします。
見出しセクションのパターンを 1 つ(「見出し 1」)、画像セクションのパターンを 2 つ(「画像 1」と「画像 2」)を作成した場合、合計 6 つの組み合わせができます。
パターンにカーソルを合わせて [エディタ] ボタン をクリックすると、パターンがオプティマイズのビジュアル エディタで開きます。パターンを削除するには、パターン名の横にあるその他メニュー
、[削除] の順にクリックします。
ビジュアル エディタを使用する
上で入力したエディタページの URL に誘導されると、オプティマイズのビジュアル エディタが表示されます。ビジュアル エディタは、アプリバー(ページ上部)とエディタパネル(右下)の 2 つのコンポーネントで構成されます。パターンを作成するには:
- 編集するページ要素をクリックします。
- エディタパネルで編集します。
- [保存] をクリックします。
- [完了] をクリックします。
- それぞれのパターンについてこの手順を繰り返します。
詳しくは、ビジュアル エディタを使う方法についてご覧ください。
新しいセクションを作成する
新しいセクションを作成するには:
- [+ 新規セクション] をクリックします。
- セクション名を入力します。
- [追加] をクリックします。
- 必要に応じてこの手順を繰り返します。
- 完了したら [保存] をクリックします。
セクション名やパターン名を変更するには、名前をクリックして、名前欄を編集します。
組み合わせ
テスト対象の組み合わせをすべて表示するには、[組み合わせ] タブをクリックします。このタブでは、必要に応じて各組み合わせをプレビューでき、ページが正しく表示されることを確認できます。各パターンを新しいタブでプレビューするには、[組み合わせ] タブで各パターンの横の [プレビュー] ボタン をクリックします。
詳しくは、プレビュー モードについてご覧ください。
テストを設定する
パターンを作成したら、テストの目標設定とターゲティングを行います。詳しくは、目標設定とターゲティングを行う方法についてご覧ください。
テストを開始する
[テストを開始] をクリックします。ウェブで最初のテストが開始されると、[ステータス] が [実行中] になります(通常は 1 分以内に更新されます)。
テストの実施期間
テストは、少なくとも次のいずれかの条件が成立するまで続けます。
- 2 週間が経過する(ウェブ トラフィックが 1 週間周期で変動する傾向を考慮)
- 1 つ以上のパターンについて、ベースラインを上回る確率が 95% に達する
レポート
実行中のテストを監視したり、完了したテストの結果を確認するには、テストの詳細ページの上部にある [レポート] タブをクリックします。レポートページは、テストに関するデータが記載された複数のカードに分割されており、ステータスに加え、目標に対するパターンのパフォーマンスが表示されます。
A/B テストやリダイレクト テストで使用できるパターンは 1 つですが、MVT では複数のパターンの組み合わせを使用できます。オプティマイズの MVT レポートによって、どの組み合わせを使えば最も効果的に改善できるかがわかります。
サマリーカード
オプティマイズの MVT レポートでは、1 つ目のカードとして、テストのステータスとパフォーマンスが記載されたサマリーカードが表示されます。具体的な内容は次のとおりです。
- ウェブテストのステータス - 下書き、実行中、終了
- 最善の組み合わせ - 現在の最善の組み合わせ
- 改善度 - パターンとベースラインのコンバージョン率の差
- ベースラインを上回る確率 - 選択したパターンのコンバージョン率がオリジナル パターンのコンバージョン率を上回る確率
- 最適である確率 - 選択したパターンのパフォーマンスが他のすべてのパターンより高くなる確率
- ウェブテスト セッション - 開始以降のウェブテストのセッション数(合計数と時系列のグラフを表示)
テストに関する用語は、ここに示したもの以外も、オプティマイズの用語集でご確認いただけます。
改善率の下に括弧付きで示されている値は、期待値と 95% 区間を示すモデル指標です。オプティマイズのモデルに基づくと、改善率(またはコンバージョン率)は、95% の確率で括弧で示した範囲に実際に当てはまります。
目標の詳細カード
オプティマイズの MVT レポートに表示される 2 つ目のカードは、2 つの部分に分かれています。上部には、設定時に選択した目標に対する組み合わせのパフォーマンスが表示されます(下の例では [目標 1 の完了数])。それぞれの名前の横の青いチェックボックスをクリックすることで、組み合わせの有効または無効を切り替えることができます。
カードの下部のグラフには、コンバージョン率が時系列で表示され、組み合わせのパフォーマンスを確認できます。目標の詳細カードの下部に表示されるグラフの影付きの部分は、オリジナル パターンと組み合わせのパフォーマンスが 95% の確率で当てはまる範囲を示しています。範囲の中央に示された線は、テストの主要な傾向を示します。
時間の経過とともに取得されるデータが増えると、通常は範囲が収束し、小さくなっていきます。ただし、これはオリジナル パターンと組み合わせの両方のコンバージョン率の範囲について当てはまるため、範囲が狭くなることと、ベースラインを上回る確率が高くなることとは、直接の関係はありません。パターンのベースラインを上回る確率が低下またはゼロになった場合も、コンバージョン率の範囲は、時間の経過とともに狭くなります。
オプティマイズのすべてのコンバージョン率の指標はモデル化されたものであるため、アナリティクスのアナリティクス ウェブテスト画面とは異なる結果になります。実際に測定されたコンバージョン率はオプティマイズのレポートには表示されませんが、アナリティクスのテストレポートには、コンバージョン率の指標として表示されます。この指標は、コンバージョン数をテストのセッション数で割って計算されます。
アナリティクスのレポート
ユニバーサル アナリティクスのみ
オプティマイズで表示されるレポートは、Google アナリティクスでも確認できます。Google アナリティクスにログインして、[レポート] タブをクリックし、レポート ナビゲーションから [行動] > [ウェブテスト] をクリックします。
詳しくは、オプティマイズのレポートについてご覧ください。
関連動画
この動画では、多変量テスト(MVT)を作成する方法について、以下の 3 つの簡単なステップで紹介しています。
- セクションを特定してパターンを作成する
- パターンを表示する対象を決める(ターゲティング)
- 測定対象を決定する(目標を選択する)