ユーザー獲得レポートでは、アプリの全体的なユーザー獲得傾向、ユーザーをどこから獲得しているか、ストアの掲載情報の変更がどのように影響したかといった点から、Google Play のストアの掲載情報のパフォーマンスを評価できます。また、マーケティング キャンペーンがコンバージョンにつながる有望な訪問者を誘導できているかを判断したり、重点的に取り組めるよう競合デベロッパーと比べてパフォーマンスが低い領域を特定したりもできます。
パフォーマンスの測定方法
ユーザー獲得の機会
ユーザー獲得レポートでは、インストール数ではなく、ストアの掲載情報がどの程度ユーザー獲得に寄与しているかを測定します。具体的には、そのアプリをその時点でどのデバイスにもインストールしていないユーザーについてのコンバージョン パフォーマンスを計算します。このようにすることで、ストアの掲載情報の訪問者のうち特にストアの掲載情報の影響を受けた層を対象としたレポートとなります。アプリを別のデバイスにすでにインストールしているユーザーは、ストアの掲載情報のコンテンツにかかわらずインストールする可能性が高いためです。
新規ユーザーとリピーター
デフォルトでは、過去に一度もそのアプリをインストールしたことがない新規ユーザーの獲得と、過去にそのアプリをインストールしたことがあるがその後すべてのデバイスから削除していたリピーターの獲得がレポートの対象となります。新規ユーザーとリピーターの両方を含む全般的なユーザー獲得傾向を知ることで、ストアの掲載情報のパフォーマンスを包括的に把握できます。
ストアの掲載情報によるユーザー獲得のみ
ユーザー獲得レポートは、ストアの掲載情報からのコンバージョンが対象となり、ストアの掲載情報ページおよびストアの掲載情報のミニページ(Google Play 検索結果の最初の結果としてときどき表示される)からの獲得ユーザーを含んでいます。Google Play の他のサーフェス(記事コンテンツなど)からの訪問者や獲得ユーザー、他の要因(バックアップや復元など)を通じて Google Play にユーザー獲得として記録された件数はカウントされません。
なお、日本と韓国で検索を行ったユーザーに対しては、すべての検索結果でストアの掲載情報のミニページが必ず表示されます。訪問者の多くがコンバージョンにつながらないため、これらの国ではコンバージョンが減少することがあります。
注: Google Play および Google ネットワーク全体から、バックアップ、Google 検索、ピアツーピア(P2P)など、ストアの掲載情報以外の要因で発生したインストール数は、[統計情報] ページで確認できます。
さまざまな方法でアプリのユーザー獲得状況を把握
レポートのさまざまなページ、指標、ディメンションを使用して、アプリのユーザー獲得状況をさまざまな形で分析できます。
ストアの分析でユーザー獲得の全般的なパフォーマンスを評価
[ストアの分析] ページ([成長] > [ストアのパフォーマンス] > [ストアの分析])では、アプリのユーザー獲得パフォーマンスの概要と重要な傾向が一目でわかり、詳しく見る必要がある領域を特定できます。
トラフィック ソースの表には、ストアの掲載情報のユーザー獲得数が、「Google Play の検索」、「Google Play の探索」、「サードパーティの参照」というトラフィック ソース別に表示されます。下の「ストアの掲載情報のユーザー獲得数」セクションには、ストアへの全訪問者、ユーザー獲得数、コンバージョン率など、ストアの掲載情報のパフォーマンスに関する統計情報の概要が表示されます。このデータは、ページ上部のフィルタを使用して国、言語、アプリのインストール状態、期間で絞り込むことができます。
国、言語、ストアの掲載情報、インストール状態、検索キーワード、UTM ソース、キャンペーンごとの内訳の表には、各ディメンションでパフォーマンスの高い値の概要が表示されます。[探す] を選択して、特定のディメンションの詳細ページに移動することができます。また、特定の値の横にある右矢印をクリックして、その値が記録された時点を含む一定期間の記録を [コンバージョン分析] ページ([成長] > [ストアのパフォーマンス] > [コンバージョン分析])で表示することもできます。
コンバージョン分析で特定のディメンションを詳しく見る
[コンバージョン分析] ページ([成長] > [ストアのパフォーマンス] > [コンバージョン分析])では、選択した期間におけるストアの掲載情報の訪問者数、ユーザー獲得数、コンバージョン率を表示できます。
トラフィック ソース、ストアの掲載情報、国、言語、UTM ソース、キャンペーン、獲得状況によってデータを絞り込んで、訪問者のどの層がどの程度コンバージョンに至っているかをより詳細に把握できます。
コンバージョン率のベンチマーク
コンバージョン率のベンチマークを使用して、パフォーマンスを類似アプリと比較し、最も改善の余地がある部分を特定できます。たとえば、特定の言語のコンバージョン率が類似アプリよりも低い場合は、ストアの掲載情報がその言語で正しく翻訳されているかどうかを調べます。
「ストアの掲載情報のコンバージョン率」のグラフでは、毎日のコンバージョン率と、類似アプリの中央値、25 パーセンタイル、75 パーセンタイルを比較できます。下記の内訳表では、期間の合計コンバージョン率と、その選択した期間での過去 28 日間の類似アプリの中央値を比較できます。
注: ベンチマークを利用できるのは、国別、言語別、インストール状態別、トラフィック ソース別でパフォーマンスを表示している場合のみです。これらのディメンションのフィルタもサポートされています(1 つのディメンションにつき 1 つまで選択可能)。
指標とディメンション
ユーザー獲得データは太平洋時間(PT)に基づいています。履歴は 2020 年 2 月 25 日以降の分を表示できます。
指標指標 | 定義 |
---|---|
ストアの掲載情報の訪問者数 |
ストアの掲載情報にアクセスしたユーザーのうち、それまでいずれのデバイスにもそのアプリをインストールしていなかったユーザーの数です。 注: ストアの掲載情報に複数回アクセスするユーザーは、1 日に 1 回、ディメンションごとに 1 回のみカウントされます。たとえば、ユーザーがストアの掲載情報に検索から 1 回アクセスし、その後で同じ日に直接リンクから再びアクセスした場合は、2 回カウントされます。ユーザーがストアの掲載情報に同じリンクから 2 回アクセスした場合は、1 回カウントされます。 |
ストアの掲載情報のユーザー獲得数 |
ストアの掲載情報にアクセスしてアプリをインストールしたユーザーのうち、その時点で他のいずれのデバイスにもそのアプリをインストールしていなかったユーザーの数です。 注: アプリを複数のデバイスにインストールしたユーザーは 1 回しかカウントされないため、ストアの掲載情報のユーザー獲得数はインストール数より少なくなります。 |
ストアの掲載情報のコンバージョン率 |
ストアの掲載情報の訪問者のうち、獲得につながったユーザーの割合です。 |
ディメンション | 定義 |
---|---|
トラフィック ソース |
ユーザーがストアの掲載情報にアクセスした方法(例: Google Play での検索)。 トラフィック ソースの内訳について詳しくは、下記のトラフィック ソースの種類をご覧ください。 |
国 / 地域 | ユーザーの Google アカウントが登録されている国または地域。 |
言語 | ユーザーのデバイスの言語設定。 |
検索キーワード |
ストアの掲載情報にアクセスする前にユーザーが検索したキーワード。Google Play の検索のみが対象です。 注: このディメンションは、トラフィック ソースを「Google Play 検索」で絞り込んだ場合にのみ表示されます。 |
UTM ソース |
ストアの掲載情報へのディープリンクの |
UTM キャンペーン |
ストアの掲載情報へのディープリンクの |
アプリのインストール状態 |
ユーザーがそのアプリを初めてインストールするか(新規ユーザー)、そのアプリを過去にアンインストールしているか(リピーター)。 注: 「再獲得」という用語が使われている場合はリピーターについての統計情報です。 |
ストアの掲載情報 | ユーザーがアクセスしたストアの掲載情報。メインのストアの掲載情報またはカスタムのストアの掲載情報のいずれかです。 |
ステータス | 説明 |
---|---|
すべてのトラフィック ソース | ストアの掲載情報からアプリをインストールしたユーザーのうち、その時点で他のいずれのデバイスにもそのアプリをインストールしていなかったユーザーの合計数。 |
Google Play の検索 | Google Play で検索を行った後にストアの掲載情報にアクセスし、その後アプリをインストールしたユーザーのうち、その時点で他のいずれのデバイスにもそのアプリをインストールしていなかったユーザーの数。 |
Google Play の探索 | Google Play から、ただし検索結果経由ではなくストアの掲載情報にアクセスし、その後アプリをインストールしたユーザーのうち、その時点で他のいずれのデバイスにもそのアプリをインストールしていなかったユーザーの数。 |
サードパーティの参照 | Google Play 以外からストアの掲載情報にアクセスし、その後アプリをインストールしたユーザーのうち、その時点で他のいずれのデバイスにもそのアプリをインストールしていなかったユーザーの数。 |
従来の Google Play Console のユーザー獲得レポートとの相違点
訪問者数、ユーザー獲得数、コンバージョン率
新しいユーザー獲得レポートでは、そのアプリをそれまで試したことがないユーザーに加えて、過去にインストールしたことがあるユーザーの訪問と獲得がレポート対象となりました。そのため、大多数のアプリについては、レポートの訪問者数とユーザー獲得数の両方が増加することになります。
新しいレポートでは、アプリがいつどのようにユーザーを獲得しているかをデベロッパーが把握しやすいように、現在いずれかのデバイスにそのアプリをインストールしているユーザーは除外しています。このようにして、コンバージョンの可能性のある訪問者のみがレポート対象になるようにしています。そのため、ほとんどのアプリについてレポートのコンバージョン率が向上することになります。こうしたレポート対象の絞り込みにより、一部のアプリについてはレポートの訪問者数とユーザー獲得数が減少することもあります。
さらに、新しいレポートでは、ストアの掲載情報にアクセスしてから短期間のうちに発生したユーザー獲得のみがカウントされます。このようにアトリビューション期間が短くなったことで、一部のアプリについてはレポートのユーザー獲得数が減少することもあります。
トラフィック ソース
ユーザー獲得は、どのサーフェスがユーザーをストアの掲載情報に誘導したかに応じて、獲得経路が「Google Play の検索」、「Google Play の探索」、「サードパーティの参照」のいずれかであるかがレポートに表示されるようになりました。たとえば、検索結果や Google Play 検索広告をクリックしたユーザーは、経路が「Google Play の検索」と表示されます。同様に、ストアの掲載情報に直接アクセスしたユーザーはすべて、経路が「サードパーティの参照」と表示されます。他の Google Play ページからアクセスしたユーザーは、セッションの開始方法に関係なく、経路が「Google Play の探索」と表示されます。
また、「Google Play の検索」という獲得経路の定義を広げ、ユーザーが検索結果ページにアクセスする前に、検索機能によって自動的に最も関連性の高い結果としてそのアプリが表示された場合も「Google Play の検索」に含まれるようにしました。検索機能によるこうした自動表示リンクをたどったユーザーは、経路が「Google Play の探索」ではなく「Google Play の検索」と表示されます。この方が実際のユーザー エクスペリエンスをより正確に表しているといえます。
コホートのコンバージョンの指標
新しいユーザー獲得レポートでは、アプリをアンインストールしていないユーザーや購入者に関するコホートのコンバージョンの指標は提供されません。このデータを確認したい場合は、2020 年 11 月 2 日に削除される前に、以前のバージョンの Google Play Console からダウンロードしてください。
よくある質問
すべてのソースからのユーザー獲得数がカウントされていますか?いいえ、Google Play ストアの掲載情報からのユーザー獲得数のみが含まれます。含まれるソースについて詳しくは、ストアの掲載情報のパフォーマンスを測定する方法についての説明をご覧ください。
新しいユーザー獲得レポートは、広告かオーガニック検索かにかかわらず、ユーザーがストアの掲載情報に到達する直前にアクセスしていた場所に基づいて、トラフィック ソースを追跡します。
ユーザーが Google Play の検索結果に表示された広告からストアの掲載情報にアクセスし、アプリをインストールした場合、そのユーザー獲得は「Google Play の検索」に関連付けられます。ユーザーが Google Play の他の場所で表示された広告からストアの掲載情報にアクセスした場合は、「Google Play の探索」に関連付けられます。ユーザーが Google Play の外部からストアの掲載情報にアクセスした場合は、「サードパーティの参照」に関連付けられます。
Google 広告キャンペーンのパフォーマンスを追跡するには、Google 広告アカウントにログインします。
[コンバージョン分析] ページの [レポートをエクスポート] ボタンを使用して、グラフと表に現在表示されているデータをダウンロードできます。
注: 従来の Google Play Console から Google Cloud Storage を使用して、アプリをアンインストールしていないユーザーおよび購入者に関するレポートにプログラムでアクセスすることもできます。現時点では、新しい Google Play Console に表示されるデータにプログラムでアクセスすることはできません。
ベンチマークのデータは、現在のレポート設定で選択した類似アプリセットのデータが十分にある場合のみ表示されます。ベンチマークの情報が表示されない場合は、別の類似アプリセットを選択するか、フィルタを削除するか、別の内訳を選択して表示してみてください。
注: ベンチマークを利用できるのは、国別、言語別、インストール状態別、トラフィック ソース別でパフォーマンスを表示している場合のみです。これらのディメンションのフィルタもサポートされています(1 つのディメンションにつき 1 つまで選択可能)。
期間内に一定の訪問者数やユーザー獲得数に至らなかった検索キーワード、UTM ソース、UTM キャンペーンがある場合、個々のレポートは取得されず、内訳に「その他」が表示されます。
「不明な地域」と表示される国や地域があるのはなぜですか?
以前のユーザー獲得レポートは、従来の Google Play Console のサービスが終了する 2020 年 11 月 2 日をもってアクセスできなくなります。このレポートに関連するエクスポート機能にも、この日以降はアクセスできなくなります。
ユーザー獲得レポートを使用してストアの掲載情報のパフォーマンスを分析する一般的な方法をご紹介します。
- ストアの掲載情報の変更がコンバージョン率に与えた影響を評価します。
- アクセス時によく使われている Google Play の検索キーワードを調べて、ユーザーが何に関心があるのかを確認します。
- UTM でトラッキングしているキャンペーンのパフォーマンスを確認します。
- 訪問者数の多い国を確認し、ストアのカスタム掲載情報を検討します。
- コンバージョン率の低い言語を確認し、どの部分の翻訳を改善する必要があるかを判断します。
- オフライン マーケティングが質の高い訪問者をストアの掲載情報に誘導しているかどうかを評価します。