Google Play の「1 回限りのアイテム」は、以前はアプリ内アイテムと呼ばれていました。今回、この 1 回限りのアイテムの定義と管理方法を変更します。1 回限りのアイテムとして提供できるのは、Google Play のアプリ内で使用できる仮想アイテム(ゲームのレベル、宝石、コイン、ポーションなど)やプレミアム サービスです。これまでと同様、Google Play の課金システムを使用することで、1 回限りのアイテムを提供する都度その料金を請求できます。
今回、アプリ内アイテムのカタログの分類に合わせる形で、定期購入に導入したオブジェクト モデルを 1 回限りのアイテムにも適用します。これにより、アイテムの販売方法がさらに柔軟になり、管理の煩雑さが軽減されます。1 回限りのアイテムのオブジェクト モデルに移行したアイテムは、特典を関連付けることにより、さまざまな方法で販売できるように設定できます。
このオブジェクト モデルでは、販売するアイテムとその販売方法を別々に設定できるため、利用資格が同じユーザーに対して複数の価格を設定したり、ユーザーによってマーケティング方法を変えたりできます。今回の変更により、定期購入と同様の 3 段階の階層も導入されます。
- 1 回限りのアイテム: ユーザーが購入するアイテムを定義します。
- 購入オプション: ユーザーに利用資格を付与する方法、価格、アイテムを利用できる地域を定義します。1 つのアイテムに複数の購入オプションを設定できるため、たとえば地域ごとに異なる価格を設定することも可能です。
- 特典: 特典は、割引や予約購入のモデル化に使用でき、関連付けられている購入オプションの価格に影響する可能性があります。1 つの購入オプションに複数の特典を設定できます。
次の図に、アイテム オブジェクト タイプの構造を示します。
今回の変更に伴い、1 回限りのアイテムの新しい販売方法とプロモーションも導入されています。
| 購入 | ユーザーにアイテムの利用資格が付与されます。 |
| レンタル | ユーザーはアイテムに一定期間アクセスできます。 |
| 予約購入特典 | ユーザーはアイテムをリリース前に予約購入できます。予約購入特典を選択できるのは、購入オプションとして「購入」を選択した場合のみです。 |
| 割引特典 | ユーザーは割引価格で利用資格を取得できます。 |
注: アイテムには少なくとも 1 つの購入オプションが必要です。つまり、購入オプションなしでアイテムを作成することはできません。
ワークフローの変更
変更点は以下のとおりです。
- 地域別の提供状況: アイテムを利用できる地域を指定します。アプリがまだ公開されていない地域を含めることもできます。各購入オプションと特典は、アイテムが利用可能に設定されている国のユーザーのみが購入できます。
- 地域別の価格: 購入オプションを利用できる地域ごとに価格を指定できます。複数(またはすべて)の地域を選択し、指定の通貨で単一価格を設定すると、各地域の通貨への 1 回限りの自動換算が行われます。必要に応じて価格を変更することもできます。通貨換算ルールはこれまでどおりで変更ありません。詳しくはこちらをご覧ください。端数価格とその価格への影響について詳しくは、こちらをご覧ください。
- 価格の変更: 価格の変更は、購入オプション レベルで適用できます。購入オプションに関連付けられている特典がある場合、特典の価格は新しい価格に基づいて自動的に変更されます。アプリ内アイテムでサポートされていた「デフォルト価格」はサポートされなくなりました。
Google Play に新しい地域が追加された場合、その新しい地域には購入オプションのみが反映されます。予約購入特典と割引特典はデフォルトでは有効になりません。
対応している国と地域
「1 回限りのアイテム」モデルは、Google Play での購入が可能なすべての国と地域で利用できます。
1 回限りのアイテムを作成する
1 回限りのアイテムを作成する手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- [1 回限りのアイテムを作成] をクリックします。
- [1 回限りのアイテムを作成] ページで、1 回限りのアイテムについて以下の情報を入力します。
- アイテム ID
- (省略可)タグ
- 名前
- 説明
- (省略可)アイコン画像を追加
- [税金、コンプライアンス、プログラム] で、税金とコンプライアンスの設定を行います。
- [次へ] をクリックします。
- [購入オプション] セクションに以下の情報を入力します。
- [購入オプション ID] を入力します。
- [購入タイプ]([購入] または [レンタル])を選択します。[レンタル] を選択した場合は、[レンタル期間] も設定する必要があります。必要に応じて、[有効期限] を設定することもできます。
- (省略可)[タグ] を入力します。
- (省略可)[詳細オプション] をクリックし、詳細な構成オプションを表示して設定します。
- [数量と上限] を選択します。選択すると、このアイテムを 1 回の取引で複数購入できるように設定できます。
- 1 回限りのアイテムが、デジタル コンテンツかサービスかを指定します。[デジタル コンテンツ] または [サービス] を選択してください。
- 地域別の提供状況と価格を設定します。デフォルトでは、1 回限りのアイテムはすべての地域で利用できるようになっています。[提供状況と価格] セクションで、以下の設定を行います。
- アイテムを利用できない地域を指定する手順は次のとおりです。
- [提供状況とアクセス方法を編集] をクリックし、[利用不可に設定] を選択します。
- アイテムを利用不可にする地域を選択し、[利用不可に設定] をクリックします。
- 選択した地域で予約購入特典を利用できるようにする手順は次のとおりです(予約購入特典は購入オプションで [購入] を選択した場合のみ設定できます)。
- [提供状況とアクセス方法を編集] をクリックし、[利用可能に設定] を選択して予約購入を許可します。
- 予約購入特典を利用できる地域を選択し、[予約購入の場合にのみ対象として設定] をクリックします。
- アイテムを利用できない地域を指定する手順は次のとおりです。
次の画像は予約購入特典を設定するセクションです。
注: 予約購入を利用可能に設定しても、「選択した地域で予約購入特典を追加できる」ことを指定したにすぎません。その地域で予約購入特典を利用できるようにするには、予約購入特典を追加する必要があります。
- 地域ごとに異なる価格を設定するには、地域の [価格] 列にある編集アイコンをクリックし、その地域の価格を設定します。複数の地域の価格をまとめて設定する手順は次のとおりです。
- [価格を設定] > [価格を一括編集] をクリックします。
- 価格を設定する地域を選択し、[次へ] をクリックします。価格設定ダイアログが開きます。
- 価格を設定し、通貨を選択します。
- [適用] をクリックします。
- [続行] をクリックします。
9. [有効にする] をクリックします。
これで 1 回限りのアイテムが作成され、[1 回限りのアイテム] ページに表示されます。
1 回限りのアイテムを編集する
1 回限りのアイテムを編集する手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化する] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- 編集したい 1 回限りのアイテムの右矢印をクリックします。[1 回限りのアイテムを編集] ページが開きます。
- [1 回限りのアイテムの詳細を編集] をクリックし、必要に応じて詳細を変更します。
- [変更を保存] をクリックします。
アイテムの購入オプション
オブジェクト モデルでは、1 回限りのアイテムをアイテム購入オプションを通じて販売する方法を定義できます。既存の 1 回限りのアイテムは、自動的に 1 回限りのアイテムのオブジェクト モデルに移行します。詳しくは、アプリ内アイテムの移行をご覧ください。オブジェクト モデルには、地域別の価格や提供状況などさまざまな拡張機能も用意されており、1 回限りのアイテムをより柔軟に販売できるようになっています。
注: 1 回限りのアイテムには、少なくとも 1 つの購入オプションを設定する必要があります。また、関連付けることができる購入オプションと特典の数は最大 100 件です。
購入オプションの状態、提供状況、価格
Google Play Console では、購入オプションの状態や、地域別の提供状況と価格を設定できます。
購入オプションの状態
| 状態 | 説明 | この状態に設定する方法 |
| 未公開 |
Google Play に保存されており、不要になった場合は削除できる購入オプションです。 この状態の購入オプションは、Play Billing Library(PBL)からは返されません。 |
購入オプションを作成して保存しても、有効にしていなければ未公開状態となります。詳しくは、購入オプションを作成するをご覧ください。 |
| 有効 |
1 回限りのアイテムで利用可能な購入オプションです。 この状態の購入オプションは PBL によって返されます。 |
作成して保存した購入オプションを有効にすると [有効] 状態になります。詳しくは、購入オプションを作成するをご覧ください。 |
| 無効 |
無効になっていて、1 回限りのアイテムで利用できない購入オプションです。 この状態の購入オプションは PBL からは返されません。 |
購入オプションを無効にすると、[無効] 状態になります。詳しくは、購入オプションを無効にするをご覧ください。 |
購入オプションの状態を確認する手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- 詳細を表示したい 1 回限りのアイテムの右矢印をクリックします。[1 回限りのアイテムを編集] ページが開きます。[購入のオプションと特典] セクションには、すべての購入オプションとその状態が表示されます。
次の図に、それぞれの状態の購入オプションを示します。
購入オプションの提供状況では、地域別の提供状況と予約購入特典の利用可否を指定します。
|
提供状況 |
説明 |
この提供状況に設定する方法 |
|
利用可能 |
指定した地域で利用可能な購入オプションです。 |
購入オプションは、デフォルトではすべての地域で利用できます。 |
|
利用不可 |
指定した地域では利用できない購入オプションです。 |
詳しくは、購入オプションを作成するをご覧ください。 |
|
利用可能かつ予約購入可能 |
指定した地域で予約購入が可能な購入オプションです。 |
詳しくは、購入オプションを作成するをご覧ください。 |
注: 新たに追加された国や地域をまだ指定していない場合、デフォルトではそれらの国や地域でアイテムを利用することはできません。それらの地域でアイテムを利用できるようにするには手動で指定する必要があります。
購入オプションの価格設定
1 回限りのアイテムのオブジェクト モデルでは、地域ごとに異なる価格を設定するなど、柔軟な価格設定が可能です。たとえば 1 回限りの購入オプションを、カナダでは 2 ドル、米国では 3 ドルで提供できます。
購入オプションの価格を設定する手順については、1 回限りの購入アイテムを作成するのステップ 7 をご覧ください。
以下のような価格設定が可能です。
- 購入者サポートが導入されている新しい国や地域に適用する必要のある価格を設定できます。
新しい国または地域の価格を設定する手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- 編集したい 1 回限りのアイテムの右矢印をクリックします。[1 回限りのアイテムを編集] ページが開き、1 回限りのアイテムに設定されたすべての購入オプションと特典が一覧表示されます。
- [購入オプションと特典] セクションで、新しい国または地域の価格を設定したい購入オプションの右矢印をクリックします。[購入オプションの編集] ページが開きます。
- ページを一番下までスクロールし、次の図のように [新しい国 / 地域] メニューをクリックします。
- USD 地域と EUR 地域の価格を編集し、変更を保存します。
- [保存] をクリックします。
- 価格が指定されていない地域については、Google Play が 1 回限りの通貨換算を行い、価格を設定しました。地域の最終価格は、デフォルトの価格、適用される税金、現地の価格設定パターンに基づいて算出しました。通貨換算ルールの詳細については、Google Play ユーザーへの配布がサポートされている国や地域をご覧ください。
「購入」購入オプション
購入オプションとして「購入」を選択した場合、ユーザーは 1 回限りのアイテムを標準購入できます。購入フローで Play Billing Library バージョン 7 以前を使用している場合は、少なくとも 1 つの「購入」購入オプションを下位互換性ありとしてマークする必要があります。デフォルトでは、最初に作成した「購入」購入オプションが自動的に下位互換性ありとマークされます。
注: 下位互換性ありとマークできるのは「購入」購入オプションのみです。
「レンタル」購入オプション
購入オプションとして「レンタル」を選択した場合、ユーザーは 1 回限りのアイテムに一定期間アクセスできます。
レンタル アイテムとして設定する場合は、レンタル期間を指定する必要があります。必要に応じて、有効期限を設定することもできます。レンタル期間とは、ユーザーがアイテムにアクセスできる期間です。有効期限とは、ユーザーがアイテムの使用を開始してから、アイテムにアクセスできなくなるまでの期間です。以下の値を指定できます。
| レンタル期間 | 設定可能な有効期限 |
| 48 時間 | 24 時間 |
| 72 時間 | 24 時間または 48 時間 |
| 30 日間 | 24 時間、48 時間、1 週間 |
| 60 日間 | 1 か月間 |
注:
- 選択した値はユーザーに表示されます。
- レンタル アイテムへのアクセスは、Google Play では制御されません。ユーザーに適切なアクセス権が付与されているかどうかを確認する必要があります。
- ユーザーが最終日にアイテムの利用を開始した場合でも、有効期限は延長されません。たとえば、1 回限りのアイテムのレンタル期間が 30 日間で有効期限が 48 時間の場合、30 日目に利用を開始したユーザーがアイテムにアクセスできるのは 32 日目までの 2 日間のみです。
購入オプションを作成する
1 回限りのアイテムを作成する際は、少なくとも 1 つの購入オプション([購入] または [レンタル])を設定する必要があります。購入オプションや特典は後から追加できます。
購入オプションや特典を追加する手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- 編集したい 1 回限りのアイテムの右矢印をクリックします。[1 回限りのアイテムを編集] ページが開き、1 回限りのアイテムに設定されたすべての購入オプションと特典が一覧表示されます。
- [購入オプションと特典] セクションで、[購入オプションを追加] をクリックします。[購入オプションを作成する] ページが開きます。
- 新しい購入オプションを作成します。手順については、1 回限りのアイテムを作成するのステップ 6、7、8 をご覧ください。
購入オプションを有効または無効にする
未公開状態の購入オプションを有効にする手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- 有効にしたい購入オプションが設定された 1 回限りのアイテムの右矢印をクリックします。[1 回限りのアイテムを編集] ページが開き、1 回限りのアイテムに設定されたすべての購入オプションと特典が一覧表示されます。
- [購入オプションと特典] セクションで、有効にしたい購入オプションの [有効にする] をクリックします。
次の図に、未公開の購入オプションを有効にするためのオプションを示します。
有効な購入オプションを無効にする手順は次のとおりです。
下の図に、有効な購入オプションを無効にするためのオプションを示します。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- 有効にしたい購入オプションが設定された 1 回限りのアイテムの右矢印をクリックします。[1 回限りのアイテムを編集] ページが開き、1 回限りのアイテムに設定されたすべての購入オプションと特典が一覧表示されます。
- [購入オプションと特典] セクションで、無効にしたい購入オプションの右矢印をクリックします。[購入オプションの編集] ページが開きます。
- [無効にする] をクリックします。次の図に、有効な購入オプションを無効にするためのオプションを示します。
- [購入オプションを無効にしますか?] ダイアログが表示されます。
- [無効にする] をクリックします。
特典
1 回限りのアイテムのオブジェクト モデルでは、特定の購入オプションに関連付ける形で特典を提供できます。特典には、地域別の価格や提供状況を指定したりタグを設定したりできるため、1 回限りのアイテムの価格をより柔軟に設定してきめ細かく管理できます。次の特典タイプがサポートされています。
- 予約購入特典
- 割引特典
予約購入特典
予約購入特典を設定すると、ユーザーが 1 回限りのアイテムをリリース前に購入できるようになります。予約購入を行ったユーザーは、ユーザーまたはデベロッパーがリリース日より前に予約購入をキャンセルしない限り、リリース時にアイテムの代金を支払うことに同意したことになります。リリース日になるとユーザーに対して請求が行われ、アイテムのリリースに関するメール通知が送信されます。
予約購入特典は、地域内の新しいアイテムにのみ設定できます。つまり、その地域ですでに利用可能に設定されているアイテムに対して、予約購入特典を設定することはできません。
注: Google Play のコンテンツ ポリシーでは、1 回限りのアイテムについてもさまざまな要件が定められています。アイテムのメタデータ(名前、説明、アイコン)に関しては、正確で不適切でなく、誤解を招かないものにすることが求められます。
予約購入特典を追加する
予約購入特典を追加する前に、1 回限りのアイテムを作成して購入オプションを選択し、[提供状況を設定して予約購入を許可] に設定して購入オプションを予約購入できるようにする必要があります。提供状況を設定する方法について詳しくは、1 回限りのアイテムを作成するのステップ 7 をご覧ください。
予約購入特典を追加する手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- 予約購入特典を追加したい 1 回限りのアイテムの右矢印をクリックします。[1 回限りのアイテムを編集] ページが開き、1 回限りのアイテムに設定されたすべての購入オプションと特典が一覧表示されます。
- 予約購入特典を追加する購入オプションで、[特典を追加] > [予約購入] をクリックします。[予約購入の追加] ページが開きます。次の図に、予約購入特典を追加する方法を示します。
- [予約購入の追加] ページで以下の情報を入力します。
- 予約購入 ID
- (省略可)割引。[なし]、[割合]、[割引額] のいずれかを選択できます。
- (省略可)タグ
- 開始日時(3 日以上先の日時を設定する必要があります)
- 終了日時(開始日から 24 時間以上先の日時である必要があります)
- 予約購入後の提供状況。予約購入期間後すぐに予約購入を有効にするか、指定した日時に予約購入を有効にするかを指定できます。
- (省略可)安値価格保証
- [保存] をクリックします。これにより予約購入の詳細が保存されます。
- [有効にする] をクリックします。購入オプションの予約購入特典を提供できるようになり、指定した日時になるとユーザーに表示されます。
次の図に、購入オプションに追加された予約購入特典を示します。
設定した終了日を過ぎると、新しいユーザーは予約購入できなくなります。リリース日になるとユーザーに対して請求が行われ、アイテムのリリースに関するメール通知が送信されます。
注: Play Billing Library バージョン 8.0 で予約購入を利用するには、購入オプションと予約購入の両方が [有効] になっている必要があります。
予約購入特典をキャンセルする
予約購入特典は、以下のような場合にはキャンセルされます。
- お客様がアイテムのリリース日より前に予約購入をキャンセルした。
- お客様のお支払い方法に問題があったため、予約購入の取引が成立しなかった
- デベロッパーが Google Play Console で予約購入をキャンセルしたたため、予約購入に関連付けられていた保留中の取引がすべてキャンセルされた
予約購入をキャンセルすると、関連付けられている保留中の注文がすべてキャンセルされます。この変更についてはメールでユーザーに通知されます。また、Google Play の注文履歴ページには「キャンセル済み」と表示されます。
注: 個別の予約注文に問題がある場合は、[注文管理] ページでキャンセルできます。
予約購入特典に関する考慮事項
予約購入特典を設定する際は、以下の事項を考慮に入れてください。
- [安値価格保証] :
このフィールドを有効にすると、予約購入特典を利用したユーザーに請求される価格として、注文時の価格とリリース時の価格のいずれか安い方が適用されます。次に例を示します。
-
この予約購入特典は、有効期間が 2025 年 3 月 1 日から 2025 年 5 月 31 日までで、予約購入したアイテムは 2025 年 6 月 1 日にリリースされます。
予約購入の価格を毎月変更することにして、3 月は 10 ドル、4 月は 5 ドル、5 月は 7 ドルに設定しました。 -
あるユーザーが 3 月に 10 ドルで予約購入しました。
この場合は、2025 年 6 月 1 日のリリース時に 7 ドルが請求されます。予約購入時の価格が 10 ドルで、リリース時の予約購入価格 7 ドルであるため、安い方の 7 ドルが最終的な購入価格として適用されます。
-
- [リリース日]: このフィールドを更新すると、リリース日が変更されたときに、ローカル タイムゾーン内のすべての既存ユーザーにメール通知が送信されます。新しいリリース日は、ユーザーの履歴ページの取引詳細ページにも反映されます。設定済みのリリース日を、それより前の日付に変更することはできません。また、延期できる範囲は、予約購入の開始日から最大 365 日後までです。
- [名前と説明]: これらのプロパティは、アイテムに重大な変更がない場合にのみ(重大ではない誤字脱字などの場合にのみ)更新することをおすすめします。アイテムに変更を加える必要がある場合は、そのアイテムに関連付けられているすべての予約購入を事前にキャンセルする必要があります。
- [地域別の提供状況]:
- 購入オプションに設定された予約購入は、リリース時刻の 1 時間前まで変更できます。
- 有効な予約購入から国を削除すると、その地域のすべての注文はリリース日の 2 日前にキャンセルされます。次に例を示します。
- 地域 X の予約購入のリリース日が 2025 年 8 月 1 日で、2025 年 7 月 15 日に予約購入の地域から X を削除したとします。
- その後、2025 年 7 月 20 日に予約購入の地域として X を有効にした場合、予約購入は予定どおり 2025 年 8 月 1 日にリリースされます。
- 一方、予約購入の地域として X を再度有効にしなかった場合、地域 X の予約購入は 2025 年 7 月 29 日(リリース日の 2 日前)にキャンセルされます。
- ある地域で 1 回限りのアイテムの予約購入がすでにリリースされている場合、その地域で同じアイテムの別の予約購入を作成することはできません。
- レポート: 予約購入の取引は、Google Play からの請求時点で完了します。そのため、予約購入がリリースされると、その取引が予想販売レポートと収益レポートに表示されます。[注文管理] ページでは、予約購入の注文のステータスは [支払い保留中] と表示されます。
- その他の考慮事項:
- 予約購入は、予約購入のリリース時刻の 1 時間前から変更できなくなり、編集できなくなります。
- リリース日の変更は前倒しのみ可能です。
- 開始日を過ぎると変更できなくなります。
- 終了日は開始日の 1 日以上先にする必要があります。つまり、予約購入の期間を 1 日以上にする必要があります。
- 終了日を、リリース日より先の日付にすることはできません。また、予約購入期間中に終了日を前倒しにすることはできません。
- 予約購入価格の引き上げは、新規の予約購入にのみ適用されます。つまり、価格の引き上げを既存の予約購入に適用することはできません。
- 価格の引き下げは、安値価格保証が適用される既存の注文に影響する可能性があります。
- アイテムが購入可能になった後に、予約購入として販売することはできません
- 有効または実施済みの予約購入特典は地域ごとに 1 つのみです。
- 現時点では、アイテムに関連付けることができる実施中の予約購入特典は 1 つのみです。
- EEA および英国では、予約購入により注文されたすべてのアイテムは取消権の対象となります。これらの国での購入については、予約購入がリリースされた日から払い戻しリクエストへの対応が可能となります。
- 予約購入特典なしで購入オプションを有効にしている場合、その購入オプションの予約購入特典を作成することはできません。1 回限りのアイテムと購入オプションを新規に作成し、その購入オプションに予約購入特典を追加する必要があります。
割引特典
割引特典を追加すると、1 回限りのアイテムを割引価格で販売できます。割引は、購入オプションの価格からの割引率または割引額として設定できます。割引特典の開始時間と終了時間も設定できます。Google Play に過去の価格データがある場合は、購入フローにおいて割引前の価格が取り消し線付きで表示されることがあります。
特典は、該当地域の購入オプションの価格に適用されます。たとえば、ある地域の購入オプションの価格が 9.99 ドルの場合、その地域で 50% 割引を適用した後の価格は 4.99 ドルになります。特典は、購入オプションでもレンタル オプションでも作成できます。
注:
- ベルギー、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フランス、ギリシャ、ラトビア、ポーランド、スウェーデンでは、デジタル コンテンツの購入カートには割引価格のみが表示されます(特典については言及されません)。
- ベルギー、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、フランス、ギリシャ、ハンガリー、ラトビア、オランダ、ポーランド、スウェーデンでは、デジタル サービスの購入カートには割引価格のみが表示されます(特典については言及されません)。
割引特典を追加する
割引特典を追加する手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開きます。
- [1 回限りのアイテム] ページ([Google Play で収益化] > [アイテム] > [1 回限りのアイテム])に移動します。
- 編集したい 1 回限りのアイテムの右矢印をクリックします。[1 回限りのアイテムを編集] ページが開き、1 回限りのアイテムに設定されたすべての購入オプションと特典が一覧表示されます。
- [購入オプションと特典] セクションで、割引特典を追加したい購入オプションの [特典を追加] をクリックします。
- [割引] をクリックします。[割引の追加] ページが開きます。
- 以下の情報を設定します。
- 特典 ID を入力します。
- [特典のタイプ]([割引額] または [割引率])を選択します。
- [開始日時] を指定します。
- [終了日時] を指定します。特典を無期限で実施するか、指定した日時に終了するかを指定できます。
- (省略可)[タグ] を入力します。
- (省略可)[購入数の上限] オプションを選択し、購入数の上限を指定します。
- 地域別の提供状況と割引を設定します。[特典の提供状況と価格] セクションで、以下の設定を行います。
- 特典を利用できない地域を指定します。
- [特典の提供状況を編集] をクリックし、[利用不可に設定] を選択します。
- 特典を利用不可にする地域を選択し、[利用不可に設定] をクリックします。
- [割引を設定] をクリックし、割引を設定する地域を選択します。
- [特典のタイプ] を選択して割引率または割引額を入力し、[適用] をクリックします。
- 特典を利用できない地域を指定します。
- [保存] をクリックします。
- [有効にする] をクリックします。次の図のように、[購入オプションと特典] セクションに割引特典が表示されます。
アプリ内アイテムの移行
Google Play では、既存のアプリ内アイテムを 1 回限りのアイテムに移行できるようになっています。移行プロセスは、アプリ内アイテムのカタログの管理方法によって異なります。以下の 3 つの移行シナリオが考えられます。
- Google Play Console のみで管理しているカタログ
- inappproducts サービスと Google Play Console の両方で管理しているカタログ
- inappproducts サービスのみで管理しているカタログ
Google Play Console のみで管理しているカタログ
Google Play Console の UI のみでカタログを管理しており、inappproducts サービスを一度も使用したことがない場合は、既存のすべてのアプリ内アイテムが 1 回限りのアイテム オブジェクト モデルに自動的に移行されます。
inappproducts サービスと Google Play Console の両方で管理しているカタログ
inappproducts サービスを使用してカタログを管理している場合は、既存のアプリ内アイテムを自動的に移行することはできません。新しい onetimeproducts サービスを使用して移行するか、Google Play Console を使用して移行するを選択できます。
onetimeproducts サービスのみを使用して移行する場合は、inappproducts サービスのみで管理しているカタログ セクションに進んでください。Google Play Console を使用して移行する場合は、このセクションを読み進めてください。
Google Play Console を使用して 1 回限りのアイテムまたは購入オプションに移行する方法は以下のとおりです。
- 新しいアイテムを作成する場合 - アイテムは 1 回限りのアイテム オブジェクト モデルで作成されます。したがって移行は不要です。
- 既存のアイテムを修正する場合 - 自動的には移行されません。
- アイテム名などのメタデータを簡単に編集しただけではアイテムは移行されません。
- 他のメタデータ(価格など)は、移行するまでは編集できません。Google Play Console を使用して手動で移行する必要があります。移行手順は次のとおりです。
i. 1 回限りのアイテムまたは購入オプションを編集すると、Google Play Console に次のような移行を求めるメッセージが表示されます。
ii. [移行を確認] をクリックします。次の図のような、移行プロセスを開始するダイアログが表示されます。
iii. 移行オプションを選択し、[移行を開始] をクリックします。
inappproducts サービスのみで管理しているカタログ
inappproducts サービスのみを使用してカタログを管理している場合は、引き続き同サービスを使用して既存のアプリ内アイテムを管理できます。Google Play では、inappproducts サービスで作成されたアプリ内アイテムの下位互換性は確保されていますが、1 回限りのアイテム モデルに移行することをおすすめします。モデルのすべての新機能を利用するには移行が必要です。
移行するには、新しい onetimeproducts サービスを通じて更新リクエストを送信します。移行に伴い、既存のinappproducts サービスの呼び出しを onetimeproducts サービスの呼び出しに変換する必要もあります。アイテムを個別に移行することも、カタログ全体をまとめて移行することも可能です。
注:
- 1 回限りのアイテムのオブジェクト モデルに移行したアイテムは、inappproducts サービスからアクセスできなくなります。
- inappproducts サービスを使用して 1 回限りのアイテムを新たに作成した場合、そのアイテムは移行されません。
下位互換性のある購入オプション
1 回限りのアイテムに移行すると、以前に Google Play Console で無効になっていたすべてのアプリ内アイテムは、次の図のように [無効: Play Billing Library に表示] とマークされます。
これらのアイテムを Play Billing Library から返したくない場合は、購入オプションを再度有効にしてから無効にする必要があります。