新しい個人用デベロッパー アカウント向けのアプリテスト要件

2023 年 11 月に、Google Play で新たにアプリを公開するための要件が変更されました。今回の変更は、デベロッパーがアプリをリリースする前に、アプリをテストして問題を特定し、フィードバックを入手して万全の準備を整えられるようにするためのものです。今回の変更に伴い、2023 年 11 月 13 日以降に個人アカウントを作成したデベロッパーが Google Play でアプリを公開するには、特定のテスト要件を満たす必要があります。

この記事では、新しい要件の概要、Google Play Console の各種テストトラック、個人アカウントを持つデベロッパーが Google Play でユーザーにアプリを公開するために必要な手順について説明します。

新規に作成した個人アカウント向けのテスト要件の導入

アプリの開発において、テストは非常に重要なプロセスです。アプリに対して一貫性のあるテストを実施することで、アプリの公開前にその正確性、機能の動作、使いやすさを検証できます。これにより、ユーザーへの影響を最小限に抑えつつ、技術的な問題やユーザー エクスペリエンス面での問題を解決できるため、アプリの最良のバージョンをリリースできるようになります。アプリを公開する前に Google Play Console のテストツールを定期的に使用することで、より質の高いエクスペリエンスを提供でき、Google Play での高評価や成功につながります。

すべてのデベロッパーが質の高いアプリを配信できるようにするため、新しいテスト要件を導入することになりました。2023 年 11 月 13 日以降に個人アカウントを作成したデベロッパーは、Google Play でアプリを公開して配信する前に、テスト要件に沿ってアプリをテストする必要があります。デベロッパーがこれらの要件を満たすまでは、Google Play Console の一部の機能、たとえば製品版([テストとリリース ] > [製品版])や事前登録([テストとリリース ] > [テスト] > [事前登録])は無効化された状態になります。

テスト要件の概要

個人用デベロッパー アカウントを新規に作成した場合は、12 人以上のテスターが 14 日以上連続でオプトインしてアプリのクローズド テストを実施する必要があります。これらの条件を満たしている場合は、Google Play Console のダッシュボードから製品版へのアクセスを申請し、最終的に Google Play でアプリを配信できるようになります。申請時には、アプリ、テストプロセス、製品版の準備状況を把握するため、いくつかの質問に回答していただく必要があります。

以降では、テストトラックの種類とその要件、製品版へのアクセスの申請について詳しく説明します。

各種テストトラックとその要件

Google Play Console には、さまざまな種類のテストトラックが用意されています。テストを段階的に拡張することで、世界中の Google Play ユーザーに配信できるレベルまでアプリを改良できます。

  • 内部テスト: アプリの設定を完了する前に、信頼できる少人数のテスター グループにビルドを手軽に配布できます。内部テストを実施することで、早い段階でフィードバックを手に入れて問題を特定できます。Google Play Console にビルドを追加すると、通常であれば数秒でテスターに配信できます。内部テストは任意ですが、このレベルから始めることをおすすめします。
  • クローズド テスト: クローズド テストでは、管理対象の大人数のユーザー グループとアプリを共有できます。リリース前に問題を修正し、アプリが Google Play ポリシーに準拠していることを確認できます。アプリを製品版として公開するための申請を行う前に、必ずクローズド テストを実施する必要があります。製品版へのアクセスを申請するには、12 人以上のテスターがオプトインしてクローズド テストを実施する必要があります。また、それらのテスターは 14 日以上連続でオプトインする必要があります。アプリの設定が完了したら、クローズド テストを開始できます。
  • オープンテスト: アプリのテスト バージョンを Google Play に公開できます。オープンテストでは、誰でもテスト プログラムに参加して、非公開のフィードバックを送信できます。このテスト方法を選択する際は、アプリやストアの掲載情報を Google Play に掲載する準備が整っているか必ずご確認ください。オープンテストを実施するには、製品版へのアクセスが必要です。
  • 製品版: 世界中の Google Play ユーザーにアプリを公開できます。アプリを製品版として公開するための申請を行う前に、基準を満たしたクローズド テストを実施する必要があります。申請時には、クローズド テストに関するいくつかの質問にも回答する必要があります。製品版へのアクセスを申請する場合は、12 人以上のテスターがクローズド テストにオプトインする必要があります。また、それらのテスターは 14 日以上連続でオプトインする必要があります。
トラックごとのテスト要件のまとめ

次の表に、各トラックの用途と各トラックにアクセスするための要件をまとめます。

トラックタイプ 用途 このトラックへのアクセス要件
内部テスト 信頼できる少人数のテスター グループに手軽にビルドを配布し、早い段階でのフィードバックにより問題を特定することができます(アプリの設定を完了する前または後)。 なし。
クローズド テスト 管理対象の大人数のユーザー グループとアプリを共有することで、リリース前に問題を修正し、アプリが Google Play ポリシーに準拠していることを確認できます。 アプリの設定が完了している必要があります。
オープンテスト

アプリのテスト バージョンを Google Play に公開できます。誰でもテストに参加して非公開のフィードバックを送信できます。

オープンテストにアクセスするには、製品版へのアクセスを取得している必要があります。
製品版 世界中の Google Play ユーザーにアプリを公開できます。

製品版へのアクセスを申請するには、12 人以上のテスターが 14 日以上連続でオプトインしてクローズド テストを実施する必要があります。

条件を満たしたら、Google Play Console でテスト、アプリ、製品版の準備状況に関する質問に回答し、製品版へのアクセスを申請できます。

クローズド テストのガイダンスとベスト プラクティス

以下では、Google で Android アプリを設計、開発、配信する方法について説明し、参照情報へのリンクを示します。

テスターの募集

テスターを集める方法として最も一般的なのは、個人的または仕事のネットワークを通じて募集する方法です。たとえば、友だち、家族、同僚、クラスメートに連絡して、アプリのベータ版テスターになってもらうことができます。アプリを利用しそうな人たちが集まっているコミュニティで告知し、アプリをテストするユーザーを募集することもできます。たとえば、フィットネス アプリを作成しているなら、近所のジムで宣伝したり、フィットネスのオンライン グループで告知したりすることを検討します。また、アプリについてソーシャル メディアに投稿し、フォロワーにテストへの登録を依頼することもできます。

可能であれば、多様なテスター グループを構成し、ユーザーやデバイスのタイプごとに、固有のバグやユーザビリティの問題を特定することをおすすめします。同じ理由から、将来的なアプリのターゲット ユーザーを代表するようなテスターを募集することもおすすめします。たとえば、ビジネス向けの生産性向上アプリを開発する場合であれば、そのアプリへの需要が高そうな業界で働く人をテスターとして採用します。テストに参加するユーザーがターゲット ユーザーに近いほど、有益なフィードバックを手に入れることができます。

テスターへの説明

ベータ版のテスターグループを構成できたら、アプリのテスト方法とバグの報告方法について明確な手順を示すことが重要です。テスターに、どのようなフィードバックが必要とされているかを説明します。包括的なフィードバックを得るためには、テスターにできるだけ多くのアプリの機能を使ってもらう必要があります。

テスターからのフィードバックを収集するには、アプリにフィードバック チャネルを組み込むか、フィードバックの提供方法(メール、ウェブサイト、メッセージ フォーラムなど)を周知します。Google Play から非公開のフィードバックを提供してもらう方法もあります。

重要: テスターには、14 日間以上連続でクローズド テストにオプトインする必要があることを強調します。

ユーザーからのフィードバックを収集して確認する

テスト中のアプリの場合は、Google Play Console でユーザーのフィードバックにアクセスして返信することができます。ユーザーからのフィードバックは、Google Play には表示されず、デベロッパーのみが見ることができます。

  1. Google Play Console を開き、[テストのフィードバック] ページ([評価とレビュー] > [テストのフィードバック])に移動します。
  2. フィードバックの表示方法を指定します。
    • フィルタ: 特定の条件(日付、言語、返信状況、アプリのバージョン、デバイスなど)に基づいてベータ版に対するフィードバックを表示するには、使用可能なフィルタから選択します。
    • 検索: フィードバックを特定の単語で検索するには、検索ボックスを使用します。
ヒント: 受け取ったフィードバックは記録として残しておいてください。後から読み返すことで、アプリの改善に向けて短期的または長期的に対処すべきフィードバック テーマや問題を特定するのに役立ちます。また、製品版へのアクセスの申請時には、テストでのフィードバックについて要約して情報提供する必要があります。

ユーザー フィードバックへの対応

アプリのテスト期間全体を通じて、テスターからのフィードバックに対応し、見つかったバグは必ず修正する必要があります。これには以下のようなメリットがあります。

  • アプリのユーザー エクスペリエンスの改善に役立つ。
  • 製品版へのアクセスが承認される可能性が高くなる。
  • Google Play でのアプリの配信を開始した後に、否定的なレビューを受ける可能性を低減できる。

高度なテスト

この記事のガイダンスは、初めてアプリを配信する準備として、テストの基本について理解するための出発点にすぎません。デベロッパーとして経験を積み、アプリの品質をさらに最適化したいと感じたら、より高度なテストのリソースを参照してその手法を学ぶことができます。たとえば、Android でアプリをテストするや、デベロッパー向け Android のテストの基礎をご覧ください。

Google Play Console には、アプリの問題の特定に役立つさまざまな機能も用意されています。たとえば、リリース前レポートを設定して実行すると、調査や解決が必要な問題、警告、エラーをまとめた詳細レポートに基づいて、アプリをユーザーに公開する前に問題を特定することができます。

クローズド テストを実施する

クローズド テストを設定して実施する手順については、こちらのヘルプセンター ページをご覧ください。

製品版へのアクセスを申請する

クローズド テストの要件を満たしたら、製品版へのアクセスを申請できます。手順は次のとおりです。

  1. ダッシュボードにアクセスします。
  2. [製品版へのアクセスを申請] をクリックします。

その後、クローズド テスト、アプリ、製品版の準備状況についての質問に回答する必要があります。質問は以下の 3 つのセクションに分かれています。

  • クローズド テストについて
  • アプリ / ゲームについて
  • 製品版の準備状況

以下に、それぞれの回答においてどのような情報を提供すべきかについてのガイダンスを示します。

パート 1: クローズド テストに関する情報の提供

[クローズド テストについて] セクションでは、Google Play に公開する前のアプリが十分にテストされていることを確認するための情報を提供します。このセクションは、質の低いアプリからユーザーを保護すること、マルウェアの拡散を防止すること、不正行為を抑制することを目的としています。

このセクションを完了するには、以下の情報を提供する必要があります。

  1. アプリのテスターの採用は大変でしたか?表示されているオプションの中から、最も当てはまるものを選択してください。この質問では、Google Play のテスト要件を、デベロッパーがどのように満たしたかを把握します。
  2. クローズド テスト中にテスターが行った操作について情報を提供してください。関連する情報の例としては以下が挙げられます。
    • テスターはアプリのすべての機能を使用したか。
    • テスターによるアプリの使用方法は、製品版ユーザーによる使用方法として想定されるものと一致しているか。一致していない場合、どのような違いが予想されるか。
  3. 最後に、テスターから寄せられたフィードバックをまとめ、そのフィードバックの収集方法について説明してください。
  4. [次へ] をクリックします。
    • 重要: [破棄] をクリックするか、[次へ] を選択せず製品版へのアクセス用のアプリを閉じずに終了した場合、変更内容は保存されません。
パート 2: アプリ / ゲームに関する情報の提供

[アプリ / ゲームについて] セクションでは、アプリやゲームに関する適切な情報を把握し、アプリやゲームについてより深く理解するのに役立つ情報を提供してください。回答の内容が、Google Play に表示されることはありません。また、Google Play Console で利用できる機能やサービス、アプリやゲームの掲載方法、Google Play デベロッパー プログラムの利用資格に影響することもありません。

このセクションを完了するには、以下の情報を提供する必要があります。

  1. アプリやゲームのターゲットとして想定されるユーザー。できるだけ具体的に記入してください。
  2. 2 つ目の質問は、アプリ デベロッパーかゲーム デベロッパーかによって少し異なります。
    • アプリの場合: アプリがユーザーにどのような価値をもたらすのか説明してください。差別化要因について詳しくは、デベロッパー向け Android のサイトで Google Play におけるアプリの品質についての説明を確認してください。
    • ゲームの場合: このゲームを際立たせている特長について説明してください。
  3. アプリやゲームの初年度の予想インストール数はどれくらいですか?正確に予測するのは困難ですので、最も可能性が高いと思われるものを選択してください。大まかな見積もりで構いません。
  4. [次へ] をクリックします。
    • 重要: [破棄] をクリックするか、[次へ] を選択せず製品版へのアクセス用のアプリを閉じずに終了した場合、変更内容は保存されません。
パート 3: 製品版の準備状況に関する情報の提供

[製品版の準備状況について] セクションでは、アプリやゲームが製品版として準備できているかどうかを把握するための情報を提供してください。

このセクションを完了するには、以下の情報を提供する必要があります。

  1. クローズド テストでわかったことに基づいて、アプリやゲームにどのような変更を加えたかを教えてください。
  2. アプリやゲームが製品版として準備ができたと判断した方法について説明してください。
  3. [適用] をクリックします。
    • 重要: [破棄] をクリックするか、製品版へのアクセスを申請せずに終了した場合、変更内容は保存されません。

製品版へのアクセスを申請した後

製品版へのアクセスを申請すると、送信した内容について審査が行われます。審査が完了すると、アカウント所有者にメールが届きます。通常、審査の所要時間は 7 日ほどですが、それ以上かかることもあります。

アプリを公開する準備が整っていない場合は、アプリのテストを続行することが必要になることがあります。たとえば、クローズド テストに 12 人以上のテスターがオプトインしていない場合や、アプリのクローズド テストにテスターが関与していない場合などです。

申請が承認されたら、[製品版]([テストとリリース ] > [製品版])にアクセスし、世界中の Google Play ユーザーにアプリを公開できます。[オープンテスト] も使用できます([テストとリリース ] > [テスト] > [オープンテスト])。アプリを製品版として公開する前に広範囲にわたってテストすること、また今後のアップデートについても定期的にテストすることをおすすめします。

よくある質問

製品版へのアクセスを申請するには、テスターが 14 日間以上連続でオプトインする必要があるとのことですが、これはどういう意味ですか?

テストにオプトインした場合でも、14 日未満でオプトアウトしたテスターはカウントされないということです。このテスターがテストを再開して合計 14 日間オプトインしたとしても、14 日間連続ではオプトインしていないためカウントされません。要件である 12 人のオプトイン テスターとしてカウントされるためには、この後 14 日間以上連続でオプトインする必要があります。

テストに役立つと思われるおすすめの方法が他にありますか?

ユーザーから報告された問題やバグを修正している間もクローズド テストを引き続き使用してください。製品版に移行する前にクローズド テストでアプリを更新すると、質が低いというレビューや評価を最小限に抑えることができます。

他のユーザーもフィードバックを確認できるよう、クローズド テストのテスターをメッセージ グループに招待することを検討してください。テスターから別のフィードバックや状況が提供されることもあり、アプリやゲームのどの要素を優先的に改善すべきかを判断するのに役立ちます。

クラッシュやバグを修正するだけでなく、アプリの全体的なユーザー エクスペリエンスをテストするようにしてください。詳しくは、Google Play におけるアプリやゲームの品質についての説明をご覧ください。

Google Play で成功を収めるうえで、この他にも知っておくべき Google Play Console の機能はありますか?

Google Play Console の機能や最新情報については、Google Play のサイトをご覧ください。Google Play アカデミーでは、Google のスペシャリストによって設計された、アプリ デベロッパー向けの無料オンライン トレーニングを受講できます。

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