2022 年 11 月 1 日にお知らせしましたとおり、類似ユーザー機能はより持続可能なソリューションに変わります。類似セグメントは、2023 年 8 月 1 日より Google 広告のすべての広告グループとキャンペーンから段階的に削除され、8 月 31 日までにすべてが削除されます。
- 2023 年 8 月 1 日以降に類似ユーザー セグメントが使用されているディスプレイ キャンペーン、ファインド キャンペーン、動画アクション キャンペーンでは、最適化されたセグメントが有効化されます。
- 詳しくは、最適化されたセグメントを使用する方法をご覧ください。
- [商品やブランドの比較検討] または [ブランド認知度とリーチ] の目標を設定した動画キャンペーンでは、オーディエンス拡張が有効になります。
- 詳しくは、オーディエンス拡張を使用するをご覧ください。
- 2023 年 8 月 1 日より前にオプトアウトしていた場合、類似セグメントをターゲットとしている広告グループとキャンペーンは一時停止されます。必ず一時停止を解除し、関連するターゲティング条件を追加してください。
詳しくは、オーディエンス セグメントに関する変更をご覧ください。
オーディエンスの全体像を 1 か所で把握し、オーディエンスの管理と最適化を簡素化するために、Google 広告では次のような改善が行われました。
- 新しいオーディエンス レポート
オーディエンスのユーザー属性、セグメント、除外設定に関する詳細情報がまとめられています。キャンペーン アイコンをクリックして [オーディエンス、キーワード、コンテンツ] タブを開き、[オーディエンス] をクリックします。このレポートページから、オーディエンスを簡単に管理することもできます。オーディエンス レポートについて
- 新しい用語
オーディエンス レポート内と Google 広告全体で新しい用語が使用されています。たとえば、「オーディエンス タイプ」(類似、カスタム、購買意向、アフィニティなど)はオーディエンス セグメントに、「リマーケティング」は「広告主様のデータ」にそれぞれ変更されました。オーディエンスに関する用語やフレーズの更新
類似セグメントとは、データ セグメントを使用するターゲティング機能です。この機能を使うと、自社の既存顧客、ウェブサイト訪問者、アプリユーザーに似た特性を持つ新たな潜在顧客にリーチを広げることができます。
始める前に
類似セグメントによるターゲティングは、ディスプレイ ネットワーク、検索ネットワーク、YouTube、Gmail、カスタマー マッチ、アプリでご利用いただけます。類似のセグメントは、Google 広告のオーディエンス センター ライブラリで 1 つ以上の対象リストをセットアップすると Google AI を使って作成され、その後はリアルタイムで更新されるようになります。類似のセグメントを実行する前に、データ戦略を策定しておくことをおすすめします。データ セグメントを使ったターゲティングについての詳細
メリット
- リーチの拡大: データ セグメントだけを使った場合と比べて、既存のユーザーに類似した新規ユーザーに対してキャンペーンのリーチを最大 5 倍まで拡大します。
- コンバージョン数の増加: 類似セグメントとディスプレイ広告キャンペーンを組み合わせることで、コンバージョン数が 41% 増加します。
- Google AI による分析: Google AI を使って数百万ものシグナルを分析することで、類似セグメントは、掲載結果の向上に向けて最適化され、リアルタイムで更新されます。
- 管理が簡単: 類似セグメントは対象の Google 広告アカウントに Google AI により表示されます。表示されるかどうかは、新規ユーザーおよびウェブサイト訪問者とアプリユーザーとの間に統計的に有意な類似性が十分にあるかどうかによって決まります。
- 効率的なターゲティング: 既存顧客およびウェブサイト訪問者やアプリユーザーは、類似セグメントから Google AI を使って除外されるため、確実に新規ユーザーのみがターゲティングされます。
オーディエンス ターゲティングの簡略化
類似セグメントによるターゲティングでは、既存の顧客(サイト訪問者やコンバージョンに至ったユーザーなど)と似た特性があるユーザーが Google AI により割り出されるため、憶測に頼ることなく新しいユーザーが発掘されます。つまり、既存のユーザーリストにあるユーザーの共通点が Google AI により割り出され、類似の嗜好や関心を持つユーザーが発掘されます。類似セグメントを使って、好みのトピックや頻繁にアクセスするサイトなどの条件に基づいて、既存の顧客と類似した新規顧客を開拓しましょう。
類似セグメントは、元となる顧客リストのアップデートや、ユーザーの閲覧アクティビティの変化に応じて Google AI により更新されるため、作成後に手動で更新作業を行う必要はありません。
新たな見込み顧客にアピール
類似セグメントを使用すると、自社データを使って作成された既存のキャンペーンの対象ユーザーをさらに拡大し、自社の商品やサービスに関心を持っている可能性が高い新規ユーザーをサイトに呼び込むことができます。
類似セグメントのユーザーが自社サイトからすぐに購入しなくても、ユーザーがアクセスしたサイトや使用したアプリに Google タグが追加されていれば、後からまたリーチすることができます。類似セグメントによるターゲティングを設定すれば、ウェブサイトの訪問者が増えるため、直感的で管理しやすい方法で、データ セグメントの登録対象となる訪問ユーザーも増やすことができます。
事例紹介: ZOOT
プラハに拠点を置く衣料小売業者である ZOOT は、キャンペーンをより効果的に運用することと、見込み顧客の数を増やすことを目指していました。同社では、これらの目標を達成するため、動的ディスプレイ広告と類似セグメントを導入しました。動的ディスプレイ広告ではユーザーが関心を持つ商品が表示されるため、結果として売り上げが増加し、以前のキャンペーン設定と比較して全体的な費用対効果が 2 倍向上しました。また、類似セグメント機能により、以前のキャンペーンではアプローチできていなかった新規ユーザーにリーチしたところ、キャンペーン中に測定された ZOOT のウェブサイトのトラフィックのうち、新規ユーザーによる割合が 63% に到達し、類似セグメントによる優れた効果が実証されました。
仕組み
Google 広告では、ディスプレイ ネットワークのサイトで過去 30 日間に行われた閲覧アクティビティを分析して得られたデータと、ユーザーが閲覧しているコンテンツを参考にして、データ セグメントのユーザーに共通する関心の対象や特性を把握します。この情報に基づいて、ウェブサイトにアクセスしたことのあるユーザー、アプリを使用したことのあるユーザー、既存の顧客リストに登録されているユーザーと、関心と特性が似ている新しい見込み顧客が Google AI により割り出されます。ウェブサイトにアクセスしたことのあるユーザーやアプリを利用したことのあるユーザー間で共通している特性や関心の対象が多いほど、類似セグメントの効果が高まります。
類似セグメントを割り出すにあたっては、ディスプレイ ネットワークの膨大な数のアプリとサイトが確認されます。データ セグメントが変更されると、類似セグメントにも反映されます。類似セグメントは Google AI を利用して作成され、変化する市場やトレンドに動的に適応するように構築されています。これらのモデルにより、既存の顧客に類似した、高い成果をもたらすユーザーを見つけることができます。
類似セグメントの作成に適したデータ セグメントについて
次のようなさまざまな要因(これらに限定されません)に基づき、類似セグメントの作成に適したデータ セグメントが Google AI により特定されます。
- 基となるリスト(データ セグメント)に 100 人以上のユーザーが登録されていること
- これらの訪問者が元のセグメントに追加されてからの経過時間
- 登録ユーザーが閲覧したサイトの種類
- リストが共有されておらず、自分のアカウントで所有されていること
さまざまな種類のデータ セグメントを使用して、ウェブサイト訪問者、アプリユーザー、カスタマー マッチ、YouTube ユーザー、CRM、Google アナリティクスなどの類似セグメントを生成することができます。カスタムリストは対象外です。場合によっては、類似セグメントの作成に必要な情報が不足していることがあります。このような場合、該当のリストはオーディエンス マネージャーで「使用不可」と表示されます。
類似セグメントは、位置情報の制限を受けることなく、基となるリストと同じ特性を共有するユーザーに基づいて作成されます。つまり、ビジネスの拠点がカナダに置かれている場合でも、類似セグメントのユーザーはカナダのみに限定されず、世界中のさまざまな国のユーザーが対象になります。
オーディエンス マネージャーで利用できるリストのサイズには、対象となるすべての地域が表示されます。新しいキャンペーンを作成する際に地域を絞り込んでリーチ推定を行う場合は、位置情報の制限を適用してください。
留意点
Google では、人種、宗教、性的指向、健康などのデリケートなカテゴリに基づくリストで類似セグメントを特定することはありません。類似セグメントは、あらゆる用途においてパーソナライズド広告に関するポリシーが適用されます。類似セグメントに含まれることを望まないユーザーは、広告設定でオプトアウトすることができます。
リストを使った広告配信が始まるまでには、最大で 72 時間かかる場合があります。
類似セグメントのベスト プラクティス
- Google AI 入札の使用: 類似セグメントでは新規ユーザーをターゲットにしているため、ウェブサイト訪問者、アプリユーザー、および既存顧客をターゲットにするよりも、コンバージョン単価が最大 25% 高くなる可能性があります。掲載結果を向上するには、目標コンバージョン単価または目標広告費用対効果を活用します。主な成功指標が「コンバージョン」の場合は、目標コンバージョン単価を使用します。拡張クリック単価は、コンバージョンではなく、クリック重視で最適化された単価設定モデルです。
- レスポンシブ広告の利用: レスポンシブ広告のデザインを可能な限り活用することで、価値の高いユーザーをできるだけ正確にターゲティングできます。「行動を促す」テキストや、画像などを、さまざまなバージョンで試すことが可能です。
- 入札単価の変更: キャンペーンの掲載結果に応じて入札単価を調整します。入札単価を引き上げると広告が目立ちやすくなり、入札単価を引き下げると予算を節約できます。スマート自動入札では、インプレッション ベースで入札単価が調整されます。
- 位置情報と言語: ビジネスの特定の側面に応じて、地域や言語を変更する必要があるかどうかを評価できます。たとえば、ビジネスを特定の場所でのみ展開している場合や、サイトが特定の言語でのみ利用可能な場合などです。
- サードパーティとのコミュニケーション: キャンペーンでパフォーマンスに関する問題が発生し、サードパーティのコンポーネントを使っている場合は、サードパーティのサポートを使用して、処理中のエラーがないかどうかを確認します。
- キャンペーン構造: 自社データで作成した既存のキャンペーンに、類似セグメントを別の広告グループで追加できます。ただし、予算、メッセージ、測定の管理を強化するため、別のキャンペーンを作成することをおすすめします。
- リスト戦略: データ セグメント戦略は、システムで生成される類似セグメントの種類に影響を与えるため、よく検討してから作成する必要があります。計画と目標を念頭に置いたうえで最初のデータ セグメントを設定し、最も成果を上げたセグメントを使ってキャンペーンを開始することをおすすめします。たとえば、「コンバージョンに至ったユーザーに類似した」リストや、ユーザー数の最も多いリストなどを使うとよいでしょう。
類似セグメントに関する一般的な問題
リーチが不十分(または類似セグメントが小さすぎる)
- 入札単価を引き上げて、インプレッション スコアの指標を確認してみてください。入札単価を低くするとインプレッション数が失われ、入札単価を高くすると予算を早く使い果たしてしまう場合があります。また、予算を減らすと広告の表示頻度が制限され、予算を増やすとキャンペーンが高額になります。
- 追加の類似セグメントや、サイズの大きな類似セグメントをターゲティングに追加してみます。選択しているセグメントが小さすぎる可能性があります。
類似セグメントが生成されない
- 基となるリストを作成してから類似セグメントが生成されるまでには、48 時間以上かかる場合があります。
- サイズの小さなデータ セグメント(ユーザー数 500 未満)では、類似セグメントが生成される可能性が低くなります。
コンバージョン単価が高すぎる
- 目標コンバージョン単価や入札単価を引き下げてください。コンバージョン単価を抑える際は、学習期間(約 2 週間)が終了するまで待ち、リストの成果をフォローアップしながら、週に 20% ずつ引き下げることをおすすめします。すでに入札単価が低く設定されている場合は、それを引き上げてみてください。入札単価が低いと、低品質の広告枠にしかアクセスできない場合があります。
- 新しい広告クリエイティブやランディング ページを試してみてください。広告に十分な情報が含まれていないか、売り上げを後押しするための説得力に欠けている可能性があります。クリエイティブを変更すると、アルゴリズムが変更に適応し、新しいパターンを見つけるまでには、毎回ある程度の時間が必要になることにご留意ください。
- 新規ユーザーを開拓するための方法を計画する際は、キャンペーンで最も重要となるユーザーの属性と、ビュースルー コンバージョンにどれだけ重点を置くかを考慮してください。