Google 広告では 2021 年 2 月より、絞り込み部分一致(BMM)の動作をフレーズ一致に組み込むアップデートを開始しております。2021 年 7 月より、フレーズ一致と絞り込み部分一致のマッチング動作はすべての言語で新しいフレーズ一致動作に統一され、指定したキーワードの意味を含む検索であれば広告の表示対象となっています。
今回の変更は自動的に適用されますので、広告主様に特別な対応をしていただく必要はありません。
新しいフレーズ一致
新しいフレーズ一致は、従来のフレーズ一致の精度と、廃止された絞り込み部分一致のリーチを併せ持った動作で、マッチタイプの使い分けを簡素化できます。新しいフレーズ一致のマッチング動作は、従来版フレーズ一致よりも拡張性に優れ、廃止された絞り込み部分一致よりやや制限が強められています。
たとえば、フレーズ一致キーワード「引越しサービス 東京から神奈川まで」の場合、「格安 引越しサービス 東京から神奈川まで」などに一致する点は変わりませんが、これに加えて、従来は絞り込み部分一致でしか一致しなかった「東京の企業 引越しサービス 神奈川まで」などにも一致するようになります。新しいフレーズ一致でも、語順がマッチング動作に反映される点は従来どおりで、語順が異なるため意味も異なる検索内容(たとえば「神奈川から東京まで」の引越しに関する検索)は、広告表示の対象とはなりません。新フレーズ一致に関するその他の例は、こちらからご確認ください。
絞り込み部分一致
独立したマッチング動作としての絞り込み部分一致はご利用いただけなくなりました。今回の変更により、既存の絞り込み部分一致キーワードはフレーズ一致キーワードと完全に同じ動作となり、新たな絞り込み部分一致キーワードは作成できなくなりました。
過去に作成した絞り込み部分一致キーワードの扱い:
- 既存の絞り込み部分一致キーワードは、新しいフレーズ一致の動作に切り替わります。
- 広告配信を継続するために、同じキーワードをフレーズ一致形式で追加し直す必要はありません。
- 従来は、ひとつのキーワードの中で一部の語句だけを絞り込み部分一致に指定することも可能で、その場合は残りの語句は通常のインテント マッチの動作になっていました。今回の変更により、絞り込み部分一致の指定が含まれているキーワード全体が、フレーズ一致キーワードとして扱われるようになっています。
- 既存の絞り込み部分一致キーワードを編集すると、自動的にフレーズ一致の記法(キーワードを " " で囲む)に変換されます。
- 既存の絞り込み部分一致キーワードのその他の属性(入札単価、ステータスなど)は、引き続き編集可能です。
2021 年 7 月以降の動作:
- 従来の絞り込み部分一致の記法(キーワード内の語句の前に + 記号を付ける)で新しいキーワードを追加することはできません。
- 既存の絞り込み部分一致キーワードによる広告配信は続行されますが、マッチング動作は新しいフレーズ一致キーワードと同一です。
推奨される対応
- 最適化案「重複するキーワードを削除しましょう」を確認しましょう。同じ広告グループに同一動作のフレーズ一致キーワードがある場合は、絞り込み部分一致キーワードが重複キーワードとしてピックアップされます。
- トラフィックを注視し、広告の表示対象から外したい検索内容があれば、除外キーワードを追加しましょう。除外キーワードの詳細
- 一部のフレーズ一致キーワードではボリューム増加が生じる可能性があるため、予算による掲載の制約を受けないよう、キャンペーンの予算設定に注意しましょう。
- 最適化案「新しいキーワードを追加しましょう」を参照し、広告のカバー範囲を維持するために追加するべきキーワードがないか確認しましょう。絞り込み部分一致のリーチが従来よりも絞られるため、既存のキーワードではリーチできなくなる検索語句もあり得ます。推奨キーワードの一覧には、これに対応するためのキーワードがその旨のラベル付きで表示されます。最適化案の詳細
- スマート自動入札をご使用の場合は、フレーズ一致キーワードや絞り込み部分一致キーワードを、通常のインテント マッチに切り替えることを検討しましょう。パフォーマンス目標を意識したまま最大限のリーチが得られます。
よくある質問
フレーズ一致と絞り込み部分一致のトラフィックはどう変化しますか?
フレーズ一致キーワードのトラフィックは増加する可能性があります。検索語句レポートとアカウントのパフォーマンスを注視することをおすすめします。検索語句レポートの詳細
絞り込み部分一致キーワード、特にキーワード内の一部の語だけを絞り込み部分一致にしているもの(例: +moving services)については、トラフィックが減少する可能性があります。
既存の絞り込み部分一致キーワードはそのまま運用でき、フレーズ一致の形式に変換してもパフォーマンス上のメリットはありません。あえて既存の絞り込み部分一致キーワードをフレーズ一致(またはその他のマッチタイプ)に変更する場合、次の 2 種類の方法で一括処理が可能です。
Google 広告内で:
- Google 広告の管理画面で、[キャンペーン] アイコン をクリックします。
- セクション メニューの [オーディエンス、キーワード、コンテンツ] プルダウンをクリックします。
- [検索キーワード] をクリックします。
- 変更するキーワードを選択します。表の上端にあるチェックボックスを使えば、全キーワードを一括選択できます。
- [編集] をクリックします。
- メニュー内の [マッチタイプを変更] まで進みます。
- [マッチタイプを変更] にカーソルを合わせると、[絞り込み部分一致キーワードを変更する] という項目が表示されます。
- [絞り込み部分一致キーワードを変更する] を選択します。
この方法では、絞り込み部分一致キーワードだけを、指定したマッチタイプに変更できます。
Google 広告エディタで: 絞り込み部分一致キーワードの隣に警告が表示されます。[修正] プロンプトを使って、選択したすべての絞り込み部分一致キーワードを任意のマッチタイプに変更します。フレーズ一致形式と絞り込み部分一致形式で同内容のキーワードがある場合、絞り込み部分一致形式のものを削除するべきでしょうか?
最適化案「重複するキーワードを削除しましょう」に、移行後のキーワード整理を省力化する機能が盛り込まれています。同じ広告グループに同一動作のフレーズ一致キーワードがある場合は、絞り込み部分一致キーワードが重複キーワードとしてピックアップされます。重複キーワードを検索して修正する方法の詳細
アカウントに絞り込み部分一致キーワードとフレーズ一致キーワードの両方がある場合、オークションではどちらが優先されますか?
フレーズ一致キーワードと絞り込み部分一致キーワードとで、オークションにおける扱いに差が生じることはありません。通常は広告ランクの最も高いキーワードが採用されますが、例外もあります。Google 広告アカウントの類似キーワードの詳細
一部の語にのみ + 記号を付けた絞り込み部分一致キーワードはどうなりますか?
絞り込み部分一致を、キーワード内の一部の語句にのみ適用することはできなくなります。たとえば +moving services(「+引っ越し サービス」)というキーワードの場合、両方の語が絞り込み部分一致扱いとなり、+moving +services や "moving services" と同じように動作します。これによるトラフィックの減少を抑えるため、次の対応をおすすめします。
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スマート自動入札を利用している場合は、通常のインテント マッチ(例: 「moving services」)を使用する
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最適化案「新しいキーワードを追加しましょう」で、トラフィック量回復のために追加するべきキーワードを確認する
キーワードの品質スコアには影響しますか?
ディスプレイ広告や動画広告のキーワードにはどんな影響がありますか?
- ディスプレイ ネットワークでは、すべてのキーワードがインテント マッチとみなされます。
- 動画(YouTube 検索など)では、完全一致、フレーズ一致、インテント マッチの各マッチタイプを使用できます。絞り込み部分一致はインテント マッチと解釈されるため、今回のアップデートによる影響はありません。
検索広告と同様に、2021 年 7 月より、絞り込み部分一致の記法を使ったキーワードの新規作成はできなくなります。動画キャンペーンで、キーワードと同じ意味を含む検索内容に対して広告を表示するには、フレーズ一致をご使用ください。