データドリブン クリエイティブを使用すると、さまざまなユーザー セグメントに合わせてクリエイティブのデザインをカスタマイズできます。たとえば、40 歳以上のユーザー層と 40 歳未満のユーザー層で異なるクリエイティブ メッセージを表示することが可能です。行動を促すフレーズ(CTA)のテキスト、exit URL、画像といったダイナミック クリエイティブの要素を入れ替えることができます。
データドリブン クリエイティブのメリット
- クリエイティブの作成を効率化。 カスタム フォーマットを 1 つだけ設計して構築し、Google のツールを活用して、実際に表示される広告の内容が状況に応じて差し換わるようにできます。
- 入稿作業を合理化。 クリエイティブのメッセージやサイズごとに固有のクリエイティブを使うのではなく、レスポンシブ データドリブン クリエイティブを 1 つだけ入稿します。
- 最も関連性の高い広告を配信。 ダイナミック ルールを使用して、ユーザーに表示するクリエイティブ コンテンツをインプレッションごとに調整します。
- 共同作業が容易に。 クリエイティブ チーム、制作チーム、メディアチームが 1 つの共同ワークスペースでアイデアとワークフローを共有し、クリエイティブを作成することが可能です。
成功するうえで重要な 3 つの考え方
プログラマティック購入とデータドリブン クリエイティブを組み合わせると、より効果的なデジタル広告キャンペーンを配信できます。ただし、データとクリエイティブを結び付ける作業は簡単なものではありません。成功するには、次の 3 つの考え方が重要となります。
1: 利用可能なデータをすべて把握したうえで、適切なデータシグナルを選択する
多くのマーケティング担当者は、すでに CRM ツールやマーケット調査のデータを使用して、キャンペーンの成果向上を図っていることでしょう。しかし、これ以外にも、会社のサイトの自社分析データや第三者オーディエンス データ、端末、場所、メディアの種類に関するコンテンツ入力データなどの多様なデータシグナルを利用することができます。ディスプレイ&ビデオ 360 や他の Google マーケティング プラットフォーム サービスでどのようなデータを利用できるか把握しておくことが重要です。
2: クリエイティブ制作会社と協力して、データに基づく堅実なクリエイティブ戦略を立てる
クリエイティブ制作会社や制作チームは、重大な決定がすでに下された後でプロセスに参加することがよくあります。その場合は、マーケティング担当者が代わりに制作会社と協力して、プロジェクトの初期段階のデータに基づくクリエイティブ戦略を立てなければなりません。
プログラマティック キャンペーンを設計する際は、すべてのチームが一堂に会して、メディア、クリエイティブ、ブランドに関するデータを踏まえながらデジタルプランを一緒に構築します。これらのデータを基に、チーム全員が最初からプロセスと成果に貢献できる戦略を設計してください。
3: すべてのベンダーや代理店が最初から最後まで参加できる、協同的で機能的なキャンペーン プロセスを推進する
今日のキャンペーン作成プロセスは完全な分業制で、フィードバックはほとんど行われません。メディア担当者とクリエイティブ担当者がコミュニケーションを取ることもなく、それぞれの作業について知ることができません。確実に成功するためには、マーケティング担当者はキャンペーン プロセス全体にすべての代理店が関わりを持てるようにし、お互いに話し合える環境を用意する必要があります。
データドリブン クリエイティブのワークフローの概要
データドリブン クリエイティブの配信を開始する手順は次のとおりです。
ステップ 1: すべてのデータシグナルの分析情報を集める
データは複数の部門のチームから集めます。マーケティング担当、商品担当、データ分析担当のほか、パートナー代理店、ディスプレイ&ビデオ 360 のレポートやアトリビューション ツール、アナリティクス 360 の分析ツールからも収集します。
- オーディエンス データを収集し、分類する。 適切なチャネルから分析情報を収集して、セグメント戦略を立てます。
- 重要な場面を特定する。顧客や見込み顧客にどのような場面でアプローチするかを決めます。
- その場面でユーザーがどのようなシグナルを出しているかを考察します。
ステップ 2: 共同でデジタルプランを設計する
関係者全員で協力してデジタルプランを設計します。次の点を検討することをおすすめします。
- ステップ 1 で収集したデータを分析し、キャンペーンでどれを使用するかを決めます。
- カスタマー ジャーニー全体を通じて、ビジネス目標に合ったデータシグナルを選びます。
- キャンペーンの重要業績評価指標(KPI)とその測定方法を決めます。
- プランとスケジュールを作成します。
ホワイトボードに戦略を書き出してもよいでしょう。まずカスタマー ジャーニー全体を通じて、各段階でターゲット オーディエンスにどのように行動し、考えてもらいたいかを話し合います。そして、この目標到達プロセスに沿って、ターゲットとするユーザー セグメントを絞り込み、どうすれば関心を引けるかを検討します。
ステップ 3: 広告キャンバスのフォーマットを作成する
Google Web Designer を使用してカスタム フォーマットを作成するか、ディスプレイ&ビデオ 360 の既定のデータドリブン フォーマットを使用します。
フォーマットを選択または作成する際は、データシグナルに基づいてクリエイティブのどの要素を変更するかを決めることが大切です。こうすると、デザインチームは同時進行でアセットを作成できるので、ステップ 4 ですべてのクリエイティブ コンテンツを広告キャンバスで使用できるよう準備しておくことが可能です。
データシグナルとその分析情報に基づいて、動的に変更すると最も効果が見込める要素を特定し、テストしたうえで確定します。まずは小さい変更を試し、様子を見ながら複雑な戦略を展開してください。
ステップ 4: バリエーションとダイナミック ルールを作成する
この段階では、クリエイティブ チームは広告キャンバスでクリエイティブのバリエーションを作成し、メディアチームや制作チームはダイナミック ルールのセクションでユーザー セグメントの定義付けを開始します。
このステップは、データドリブンのワークフローにおいて最も協同的で、制約の少ない循環的なプロセスとなります。
たとえば次のような進め方が可能です。
- データドリブン プロセスの最初のステップとして、メディアチームや制作チームにダイナミック ルールの作成を開始してもらう。
- または、広告キャンバスでクリエイティブのバリエーションがすべて確定するまで、ルールの作成を保留してもらう。
- 複数のチームが並行して両方の作業を行い、共同で時間をかけてデータドリブン戦略を構築する。
ディスプレイ&ビデオ 360 では、広告キャンバスでのクリエイティブの変更と、ダイナミック ルールの作成および管理を同時進行できるので、社内の作業体制に関係なく、共同作業を効率的に進めることができます。
ステップ 5: キャンペーンを開始する
作成したデータドリブン クリエイティブを入稿用に広告申込情報に割り当てます。可能な場合は、試験的に開始して、以下を確認します。
- すべてが適切に設定されているか
- メディア ターゲティングとダイナミック ルールが適切に機能しているか(おすすめの設定をご覧ください)
- 適切なレポート指標を収集しているか
問題がないようであれば、キャンペーンを本格的に開始します。
ステップ 6: 結果を分析して改善する
キャンペーンを開始した後も、最初の設定のまま終了まで放置せず、掲載結果を収集、分析して、最適化します。キャンペーンの期間全体を通して、クリエイティブで最大限の成果を上げられるようにしてください。
ダイナミック テクノロジーによって、この作業は大幅に効率化されています。複数のクリエイティブをローテーションで配信し、レポートを作成して掲載結果を確認したら、それに基づいて更新や最適化を行います。クリエイティブの制作ステップに戻る必要はありません。