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フリークエンシー キャップは、指定した期間内に 1 人のユーザーに特定のエンティティ(キャンペーン、クリエイティブ、広告申込情報など)の広告を表示する回数を制限するものです。この制限を設定すると、キャンペーンのリーチ拡大を図り、同じユーザーに繰り返し広告を表示して予算を無駄に消費するのを防げるため、投資収益率が向上します。
通常、この制限はビッダー側で適用され、入札リクエストのユーザー識別子別にインプレッションをカウントし、十分にインプレッションが発生しているユーザーの場合は入札を行わないようにします。Google がホストするフリークエンシー キャップは、プライバシーに配慮したソリューションで、入札リクエストのユーザー識別子を共有することなくフリークエンシー キャップを適用できます。
Google がホストするフリークエンシー キャップの仕組み
Google がホストするフリークエンシー キャップを使用すると、入札レスポンスにフリークエンシー キャップを設定できます。この設定により、選択したパラメータに応じて、入札が指定した上限を超える場合はインプレッションが落札されなくなります。インプレッション単価の最も高い入札についても同様です。
例 1
ユーザーがサイトにアクセスすると、アド エクスチェンジによりリクエストが行われます。ビッダー A は、入札のインプレッション単価が 2 ドルで、インプレッション数を 1 回だけに制限するフリークエンシー キャップを設定しています。ビッダー B は、入札のインプレッション単価が 1 ドルで、フリークエンシー キャップは設定していません。ここで、ユーザーにどちらのビッダーのインプレッションもまだ発生していないとします。この場合はインプレッション単価の高い入札がインプレッションを落札することになります。次に、同じユーザーがサイトに再度アクセスし、新たに広告リクエストが行われたとします。パラメータが同じままであれば、ビッダー A の入札はオークション前に除外されます。これは、ユーザーはフリークエンシー キャップで指定された 1 インプレッションにすでに達しているためであり、したがってビッダー B がより低いインプレッション単価でインプレッションを落札することになります。
なお、このフレームワークでは、サードパーティ Cookie やファーストパーティ Cookie など、Google が不変のユーザー識別子を使用できる必要があります。
フリークエンシー キャップのプロパティ
フリークエンシー キャップは、次のプロパティに基づいて指定できます。
ID |
fcap_id は、設定するフリークエンシー キャップの単位を表します。たとえば、キャンペーン、キャンペーン内の特定のクリエイティブまたは広告申込情報、広告主などの単位を使用できます。 ID は 64 文字以下で指定してください*。 |
単位時間 |
time_unit プロパティは、フリークエンシー キャップの持続期間を設定します。MINUTE、DAY、WEEK、MONTH、INDEFINITE のいずれかの値を指定できます。time_unit を「INDEFINITE」に設定した場合、time_range プロパティは無視されます。 |
期間 |
time_range プロパティは、指定した単位時間でインプレッションを表示できる回数を制限します。たとえば、time_unit を「DAY」、time_range を「2」に設定した場合、2 日あたり最大で max_impressions 回表示されます。 time_range プロパティは 1 以上で指定してください*。 |
最大インプレッション数 |
max_imp プロパティは、指定した単位時間と期間で、1 人のユーザーにインプレッションを表示できる回数の上限を設定します。上記の例で max_impressions を「10」、time_unit を「DAY」、time_range を「2」とした場合、1 人のユーザーに表示できるインプレッション数は 2 日あたり最大で 10 回になります。1 週間あたりのインプレッション数を 10 回までに制限する場合は、max_impressions を「10」、time_range を「1」、time_unit を「WEEK」に設定します。 max_impressions プロパティは 1 以上で指定してください*。 |
例 2
video-campaign-US というキャンペーンを実施していて、キャンペーン内の任意のクリエイティブについて、各ユーザーに表示するインプレッション数を 1 週間あたり最大 10 回までに制限するとします。この場合、video-campaign-US キャンペーンのクリエイティブを使って入札する際に、次のようなフリークエンシー キャップを入札レスポンスに追加します。
// OpenRTB の入札レスポンス
{
"seatbid": [{
"bid": [{
"ext": {
"fcap": [{
"fcap_id": "video-campaign-US",
"time_unit": "WEEK",
"time_range": 1,
"max_imp": 10
}]
}
}]
}]
}
同じ入札レスポンスに fcap_id のユニットを複数指定して、フリークエンシー キャップのプロパティを複数使用することもできます。
例 3
video-campaign-US というキャンペーンを再び使用して、キャンペーンのインプレッション数と、キャンペーン内の各商品のインプレッション数を制限するとします。これを実現するには、次のようなフリークエンシー キャップを設定します。
// 入札レスポンス
{
"seatbid": [{
"bid": [{
"ext": {
"fcap": [{
"fcap_id": "video-campaign-US",
"time_unit": "WEEK",
"time_range": 2,
"max_imp": 25
}, {
"fcap_id": "super-cool-headphones",
"time_unit": "WEEK",
"time_range": 2,
"max_imp": 5
}]
}
}]
}]
}
フリークエンシー キャップの設定について詳しくは、AdSlot オブジェクトまたは FrequencyCap オブジェクトのプロトコルをご確認ください。 |
Google がホストするフリークエンシー キャップの適用範囲を確認する
Google は、入札リクエストの frequency_capping_scope フィールドで指定された広告枠に対して、フリークエンシー キャップを適用できます。このフィールドには、次のいずれかの値を指定できます。
アプリ | フリークエンシー キャップは、1 つのアプリ内で適用されます。 |
ブラウザ |
同じブラウザ内のサイト全体で 1 人のユーザーに同じインプレッションを表示する回数の上限です。 |
デバイス |
1 人のユーザーが同じデバイスを使用しているときに、アプリ全体(ブラウザ以外)で同じインプレッションを表示する回数の上限です。 |
サイト | フリークエンシー キャップは、1 つのサイト内で適用されます。 |
なし | フリークエンシー キャップはリクエストでサポートされていません。フリークエンシー キャップの適用範囲が「なし」の場合、フリークエンシー キャップを設定している入札はオークション前に除外されます。 |
次の例で「サイト」のフリークエンシー キャップの仕組みを説明します。
- ユーザーがウェブサイトにアクセスします。
- Google がサイトレベルのフリークエンシー キャップをサポートしている場合は、入札リクエストに scope=site が設定されます。
- ビッダーが入札リクエストを受信し、入札を決めたら、入札レスポンスにフリークエンシー キャップを含めます。
- 指定のウェブサイトで、そのユーザーに表示されるインプレッション数が上限を超えないように Google により調整されます。なお、上限を超えた後も、他のサイトではこのユーザーにインプレッションが発生する可能性があります。
他の適用範囲についても、仕組みは同じです。たとえば、scope=app であれば、Google は指定のアプリ内のインプレッションを制限できますが、ユーザーがアプリを切り替えた場合は、追加のインプレッションが表示される可能性があります。
注: 指定された適用範囲に関係なく、すべてのフリークエンシー キャップの適用対象は Google で配信されるインプレッションです。他のエクスチェンジで配信されるインプレッションについては、インプレッション数の上限に達しているかどうかを判断する際、考慮されません。
拒否の理由を確認する
フリークエンシー キャップを設定している場合にさまざまな理由で入札が拒否されることがあります。一般的な理由は次のとおりです。
理由 |
考えられる原因 |
---|---|
フリークエンシー キャップにより入札は除外されました |
このユーザーには入札レスポンスで指定された上限数のインプレッションがすでに表示されています。 |
フリークエンシー キャップの形式が正しくないか、フリークエンシー キャップに対応していないリクエストで指定されていたため、入札は除外されました |
無効なまたは形式が正しくないフリークエンシー キャップが設定された入札は、次の理由で拒否される場合があります。
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フリークエンシー キャップの参照エラー |
Google でインプレッション数を特定できなかったため、インプレッションが上限を超えて表示されるのを回避するために入札は除外されました。 |