Google 広告は、テキスト広告やディスプレイ広告を作成できる Google の広告システムです。テキスト広告は、入札したキーワードとユーザーの検索語句とのマッチングにより Google 検索結果の横に表示されます。ディスプレイ広告は、テキスト、画像アニメーション、動画からなる広告で、Google ディスプレイ ネットワークと呼ばれる多数のウェブサイトに表示されます。
たとえば Google ストアで T シャツを販売する場合、「Google t-shirt」「Google clothing」などのキーワードに入札します。ユーザーが特定の商品を Google で検索すると、Google 広告の品質に関するガイドラインを満たした関連性の高いテキスト広告が表示されます。この種の広告は Google 検索やディスプレイ ネットワークを日々利用しているユーザーをサイトに呼び込むのに役立ちます。
アナリティクスを Google 広告とリンクしている場合、次のことを行えます。
- Google 広告のクリックと費用に関するデータをアナリティクスのサイト エンゲージメント データと一緒に確認する
- アナリティクスで作成したリマーケティング リストを Google 広告で使用する
- アナリティクスの目標をコンバージョンとして Google 広告にインポートする
- アナリティクスのデータを Google 広告で確認する
Google 広告アカウントを設定するには、このレッスンの最後にあるリンクからアカウント作成の手順に従ってください。所要時間は 20 分程度です。
アナリティクスを Google 広告とリンクするには、まず Google 広告と同じメールアドレスを使ってアナリティクスにログインしているか確認します。現在使用中のメールアドレスはページ右上で確認できます。なお、両方の管理者である必要があります。
次に、[アナリティクス設定] タブをクリックし、Google 広告にリンクするアカウントとプロパティを選択していることを確認します。[プロパティ] の [Google 広告のリンク設定] をクリックします。Google アカウントとリンク済みの Google 広告アカウントが自動的に表示されます。リンクするアカウントのチェックボックスをオンにし、[続行]をクリックします。次に [リンクグループのタイトル] を入力します。
たとえば Google 広告アカウント ID を入力します。Google 広告のデータを表示するビューを選択し、[アカウントをリンク] をクリックします。リンクされたアカウントは、入力したタイトルでリンクグループのリストに表示されます。
自動タグ設定
Google アナリティクス アカウントと Google 広告アカウントをリンクすると、キャンペーン データは両方で共有されますが、キャンペーン トラッキングは引き続き必要です。前に見たように、URL 生成ツールを使ってタグを Google 広告の URL に手動で追加することはできますが、もっとよい方法があります。自動タグ設定機能を使えば、Google 広告の URL に特別なキャンペーン タグを自動的に追加できます。ただし、Google 広告の特定のディメンションを Google アナリティクスに追加する必要があります。利用できる Google 広告のディメンションは次のとおりです。
- クエリのマッチタイプ - Google 広告キーワードがユーザーの検索語句にどのようにマッチしたかを示します。
- 広告グループ - キーワードやクリエイティブ、クリックと関連付けられた広告グループを示します。
- リンク先 URL - 広告に設定された Google 広告リンク先 URL を示します。
- 広告フォーマット - 広告フォーマットが、テキスト広告、ディスプレイ広告、動画広告のどれであるかを示します。
- 広告掲載ネットワーク - 広告の掲載に使用されたネットワークを示します。
- プレースメントのドメイン - 広告が表示されたディスプレイ ネットワーク上のドメインです。
- Google 広告お客様 ID - Google 広告アカウントに割り当てられている固有の ID です。
こうしたデータはすべて Google 広告キャンペーンの成果を適切に分析する際に役立ちます。たとえば、広告フォーマットのディメンションを使うと、さまざまな広告フォーマットの成果を簡単に比較できます。また、マッチタイプに基づいてキーワードの成果を分析すると、キーワードのマッチタイプ設定を調整できます。なお、これらの追加のディメンションとレポート機能は、Google アナリティクスと Google 広告アカウントをリンクした場合のみお使いいただけます。
Google 広告をアナリティクスとリンクすると、左パネルの [集客] セクションに Google 広告レポートが表示されます。
キャンペーン
[キャンペーン] レポートをクリックすると、Google 広告キャンペーンの成果を確認できます。このレポートでは、Google 広告キャンペーンの名前が Google 広告で設定した名前で表示されます。これが Google 広告とリンクするメリットの 1 つです。
また、レポートの上部で指標を [デスクトップ]、[モバイル]、[タブレット] に切り替えてデバイスごとにキャンペーンの成果を確認することもできます。下のデータ表では、集客関連の指標を使って各キャンペーンのクリック数やクリック獲得に支払った総額を確認できます。[クリック単価] にはクリックあたりの平均費用が、[行動] には各キャンペーンのユーザー エンゲージメントが表示されます。[コンバージョン] では、コンバージョン率、実際の目標の完了数、Google 広告キャンペーンごとのコンバージョンの最終価値を確認できます。
広告が Google 検索ページに掲載される位置を確認するには、セカンダリ ディメンションとして「広告スロット」を追加します。これにより、広告が検索結果ページの上に表示されるか横に表示されるか把握できます。さらに詳しく確認したい場合は、キャンペーン名をクリックし、広告グループをご覧ください。
キーワード
次に [キーワード] レポートを見てみましょう。このレポートでは、キーワードと個々の広告の成果を把握できます。たとえば、トラフィックは多いものの直帰率も高いキーワードがあれば、広告とランディング ページのコンテンツとの間に一貫性がない場合があります。コンバージョン率は高いものの表示回数が少ないキーワードがあれば、そのキーワードの入札単価を上げて広告の掲載頻度を高めリーチするユーザーの拡大を検討することをおすすめします。セカンダリ ディメンション「デバイス カテゴリ」を追加すると、ユーザーが広告をクリックしてサイトにアクセスしたときに使用したデバイスの種類別にキーワードを表示できます。
入札単価調整
最後に [入札単価調整] レポートを見てみましょう。入札単価調整は Google 広告の機能であり、ユーザーのデバイス、所在地、時間帯に基づいてキーワードの入札単価を自動的に調整できます。たとえば Google ストアがホリデー シーズンに一時的にオープンして商品を販売する場合は、入札単価調整を追加して営業時間中ストアから 5 km 以内にあるモバイル端末に広告が多く表示されるようにすることができます。
アナリティクスの入札単価調整レポートを使うと、キャンペーンに設定した入札単価調整について Google 広告の成果を分析でき、表の上部にあるセレクタを使ってデバイス、所在地、時間帯、リマーケティング リストの入札単価調整別にキャンペーンの成果を評価できます。リマーケティングについて詳しくは上級コースをご覧ください。リストのキャンペーン名をクリックすると入札単価調整と指標をすべて確認できます。
Google 広告をアナリティクスと組み合わせると、どれだけ効果的かをご覧いただけたと思います。実施しているマーケティングの価値を本当の意味で理解することができるため、それを踏まえて調整を行うことで投資収益率を改善することができます。