プロパティの移行について
アナリティクスでプロパティを再構成する場合、アカウント間でプロパティ(とそのビュー)を移行することができます。
プロパティを移行すると、常に最新のビジネスデータをアナリティクスで使用できます。たとえば、他社と合併したときや組織変更したとき、代理店を変えたとき、新たな統合戦略を立てるときなどにプロパティを移行します。
ここでは、移行元のアカウントから移行先のアカウントへプロパティを移動する方法を説明します。
プロパティを移行するには、移行元のアカウントと移行先のアカウントの両方について、管理者のロールと編集者のロールが必要です。
注意点
移行元のアカウント
プロパティを移行した後、空になった(プロパティが含まれていない)移行元のアカウントを削除できます。なお、所有できるアナリティクス アカウント数には制限があり、空になった移行元のアカウントも 1 アカウントとしてカウントされます。
トラッキング ID とタグ付け
トラッキング ID(例: UA-12345-1)は変更されないので、タグを設定し直す必要はありません。
移行元のアカウントで同じトラッキング ID が再利用されることはなく、トラッキング ID はアナリティクス環境全体で常に一意に保たれます。
プロパティの権限
プロパティを移行するには権限が必要ですが、これには 2 つの方法があります。
- 既存のプロパティとビューの権限を移行先のアカウントの権限と置き換えます。プロパティとビューでは移行先のアカウントの権限が継承されます。
- 既存のプロパティとビューの権限を維持します。プロパティとビューの現在の権限が、そのプロパティとともにコピーされます。移行元のアカウントでアカウント レベルのアクセス権を持つユーザーには、移行先のアカウントでプロパティ レベルのアクセス権が与えられます。
レポートデータ
プロパティに関連付けられているすべてのレポートデータが、移行先のアカウントへ(コピーではなく)移行されます。
プロパティの設定、関連付けられている構成とオブジェクト
プロパティを移行しても、プロパティの設定は何も変わりません。トラッキングのカスタム設定(例: User-ID)、リマーケティングのターゲットと動的属性、カスタム定義、データ インポート、カスタム表など、その他の設定と関連オブジェクトも同様です。
ビュー
プロパティに関連付けられているすべてのビューが移行されます。ただし、ビューの設定は何も変わりません。
さらに、これらのビューに関連付けられているアセット(マイレポート一覧、カスタム レポート、メモ、セグメント、目標など)も移行されます。
フィルタ
対象プロパティのビューに適用されているフィルタは、移行先のアカウントにコピーされます。
移行先のアカウントでまったく同じフィルタ名と設定が見つかった場合、そのフィルタはコピーされず、移行先のアカウントのフィルタが適用されます。
フィルタが移行元のアカウントから削除されることはありません。
リンクされたアカウントおよび統合
プロパティを移行しても、そのプロパティにリンクしているアカウント(Google 広告、AdSense など)や他のプラットフォーム(BigQuery、キャンペーン マネージャー 360、ディスプレイ&ビデオ 360、検索広告 360 など)との統合は維持されます。
Google アド マネージャーのアカウントにアナリティクスのプロパティをリンクしている場合、プロパティの移行はできません。このようなプロパティの移行が必要な場合は、Google マーケティング プラットフォームのサポート担当者に問い合わせて、アド マネージャーとのリンクを解除してください。その後、プロパティを移行してから、再びアド マネージャーをリンクします。
プロパティを移行するためにアナリティクス 360 とアド マネージャーの統合のリンクを解除すると、リンク先に公開されているユーザーリストがすべて閉じられますのでご注意ください。ユーザーリストが閉じられると、ユーザーの追加は停止され、有効期間は 30 日間にリセットされます。ユーザーリストを再度開く必要がある場合、移行したプロパティを元のアド マネージャー アカウントとリンクし直せば、ユーザーリストが自動的に再開されます。この場合、ユーザーリストの有効期間には、閉じられてから再開されるまでの間にギャップが生じます。
オプティマイズのテスト
オプティマイズのテストがリンクされているプロパティを移行すると、テストは中止されます。
お支払い
お支払いとご請求はアナリティクス 360 のプロパティにのみ適用されます。
プロパティを移行すると、そのプロパティのお支払いとご請求対象であるアカウントに、その月全体の料金が請求されます。たとえば、ある月の 15 日にアカウント A からアカウント B へプロパティを移行した場合、そのプロパティで発生するその月全体の料金と翌月以降の料金がアカウント B に課金されます。
プロパティを移行できない場合
次のような状況では、プロパティを移行できません。
- 移行元と移行先のアカウントが属する Google マーケティング プラットフォームの組織が異なる。組織の管理者にお問い合わせのうえ、2 つのアカウントが同じ組織に属するようにしてください。
- プロパティのサービスレベルがアナリティクス 360 に設定され、組織にリンクされているアカウントの確認が完了していない。組織の管理者にお問い合わせのうえ、次のいずれかを行ってください。
- 移行元のアカウントと移行先のアカウントを同じ組織にリンクする。
- プロパティを 360 からスタンダードにダウングレードする。これにより、プロパティを移行できるようになります。
- 移行先のアカウントに対するユーザーの管理権限と編集権限を持っていない。
- プロパティが Google アド マネージャーにリンクされている。
Google マーケティング プラットフォームのサポート担当者に依頼して、プロパティのリンクを解除してください。リンクはプロパティの移行後に改めて設定できます。
移行元のアカウントとは異なる法人が所有するアカウントにプロパティを移行する場合、新しいリンク契約に署名してください。 - 1 つ以上の非サンプリング レポートがプロパティで処理されている。
非サンプリング レポートの処理が完了するのを待ってから、移行を再度お試しください。 - 移行先のアカウントでプロパティの数がすでに上限に達している(デフォルトでは 50 個)。
- プロパティが統合プロパティか参照元プロパティである。
統合プロパティは移行できません。参照元プロパティを移行する場合は、そのプロパティと統合プロパティとのリンクを解除してください。
プロパティを移行する方法
- Google アナリティクスにログインします。。
- [管理] をクリックします。
- [アカウント] 列のメニューで、移行するプロパティを含むアカウントを選択します。
多数のアカウントを設定している場合は、検索ボックスを使って該当のアカウントを検索します。 - [プロパティ] 列で、移行するプロパティを選択します。
- [プロパティ設定] をクリックし、[プロパティの移行] をクリックします。
- 移行先のアカウントを選択します。
- 権限設定を選択します。
- 既存のプロパティとビューの権限を維持します。現在のユーザー権限がプロパティとともにコピーされます。移行先のアカウントの権限はプロパティに継承されません。
- 既存のプロパティとビューの権限を移行先のアカウントの権限と置き換えます。プロパティは移行先のアカウントの権限を継承します。
- [移行] をクリックします。
- 移行後のデータを確認して、[保存] をクリックします。