統合レポートについて

この機能は、Google マーケティング プラットフォームに含まれるアナリティクス 360 でのみご利用いただけます。
Google マーケティング プラットフォームの詳細

統合レポートを使用すると、アナリティクスの複数のプロパティからデータを集約して、1 つのレポートでまとめてデータを確認できます。

たとえば、複数の国で展開しているブランドサイトで複数のプロパティがある場合(example.fr、example.co.uk など)、それらのデータを集約して国をまたいだ掲載結果の指標を確認したり、ドリルダウンして国同士でブランドの掲載結果を比較したりできます。

総合レポートは、次の 2 種類のプロパティで構成されています。

  • 参照元プロパティ: 1 つのサイト、アプリ、インターネット接続デバイスのデータを含む、アナリティクスの個別のプロパティ。
  • 統合プロパティ: 複数の参照元プロパティのデータのアグリゲータとして使用するプロパティ。
現在のところ、統合レポートで Firebase プロパティを使用することはできません。

 

この記事の内容:

データ

統合プロパティには、ウェブとアプリのプロパティのデータだけでなく、Measurement Protocol 経由でアップロードしたプロパティのデータも含めることができます。

ただし、参照元プロパティにインポートしているデータや、参照元プロパティにリンクしているデータ(Google 広告、AdMob、AdSense、YouTube など)は含まれません。参照元プロパティにリンクしているデータの複製を統合プロパティに取り込む場合は、統合レベルで同じリンクを作成する必要があります(たとえば、Google 広告、AdMob、Google マーケティング プラットフォームの該当するアカウントに、統合プロパティをリンクします)。

統合プロパティには、参照元プロパティからリアルタイムで取得したデータが含まれます。

サイトやアプリのデータを統合プロパティへ直接送信することはできません(たとえば、サイトやアプリに統合プロパティ用のトラッキング ID を挿入したり、Measurement Protocol を使用して、ヒットを統合プロパティを直接送信したりできません)。統合プロパティに直接送信したヒットは削除されます。

セッションの統合

異なる複数の参照元プロパティに、同じ Client-ID または User-ID を持つユーザーが含まれている場合、通常、それらのユーザーのセッション データは統合されます。セッションのタイムアウト設定を超過して参照元プロパティ間を移動した場合には、例外が発生します(後述)。

次のタイプの参照元プロパティのデータが統合されます。

  • クロスドメイン トラッキングを使用してリンクされているサイトのプロパティ
  • トップレベル ドメインが同じであるディレクトリまたはサブドメインのプロパティ
  • 同じログインを共有しているサイトまたはアプリの User-ID プロパティ

異なる複数の参照元プロパティに、同じ Client-ID または User-ID を持つユーザーが含まれていない場合、セッション データは統合されません。

セッションのタイムアウト設定によって、ユーザーが参照元プロパティ間を移動した際にセッションが統合される方法が異なります。

結果として、統合レポートのセッション数は、参照元プロパティのすべてのセッションの合計になるとは限りません。異なる状況でセッションが統合される方法の例は次のとおりです。

参照元プロパティごとに同じ ID

例:

  • SourceProperty A で ClientID_1 のユーザー
  • SourceProperty B で ClientID_1 のユーザー
  • プロパティ設定で定義されたセッション時間内に 2 つのプロパティ間を移動したユーザー

結果

  • SourceProperty A で 1 回のセッションが開始され、1 回とカウントされます。
  • SourceProperty B で 1 回のセッションが開始され、1 回とカウントされます。
  • これらの 2 回のセッションは統合され、統合プロパティで 1 回のセッションとしてカウントされます。
参照元プロパティごとに異なる ID

例:

  • SourceProperty A で ClientID_1 のユーザー
  • SourceProperty B で ClientID_2 のユーザー
  • プロパティ設定で定義されたセッション時間内に 2 つのプロパティ間を移動したユーザー

結果:

  • SourceProperty A で 1 回のセッションが開始され、1 回とカウントされます。
  • SourceProperty B で 1 回のセッションが開始され、1 回とカウントされます。
  • これらの 2 回のセッションは統合されず、統合プロパティで 2 回のセッションとしてカウントされます。
セッションのタイムアウト設定の影響

例:

  • 参照元プロパティと統合プロパティの両方でセッションのタイムアウトが 30 分(デフォルト)
  • SourceProperty A で ClientID_1 のユーザー
    • 0 分の時点で Page1 のページビュー(ランディング ページ)
    • 40 分の時点で Page2 のページビュー
    • 80 分の時点で Page3 のページビュー
  • SourceProperty B で ClientID_1 のユーザー
    • 20 分の時点で PageX のページビュー
    • 60 分の時点で PageY のページビュー
    • 120 分の時点で PageZ のページビュー
  • ページビューの順番:
    • 0 分の時点で Page1
    • 20 分の時点で PageX
    • 40 分の時点で Page2
    • 60 分の時点で PageY
    • 80 分の時点で Page3
    • 120 分の時点で PageZ

結果:

  • SourceProperty A では、各ページビューの間隔が 30 分以上なのでセッションは 3 回とカウントされます。各セッションには、1 つのページビューが含まれます。
  • SourceProperty B では、各ページビューの間隔が 30 分以上なのでセッションは 3 回とカウントされます。各セッションには、1 つのページビューが含まれます。
  • これらの 6 回のセッションは統合され、統合プロパティで 2 回のセッションとしてカウントされます。最初の 5 つのページビューの間隔は 30 分未満なので合わせて 1 回とカウントされ、最後のページビューはその前のページビューから 40 分経過しているので、別のセッションとしてカウントされるからです。
    • 次の順番の 5 つのページビューを含む 1 回のセッション: Page1、PageX、Page2、PageY、Page3
    • 1 つのページビューを含む 1 回のセッション: PageZ

統合プロパティと各参照元プロパティに別々のセッション タイムアウトを設定すると、統合プロパティでのセッション回数と参照元プロパティでのセッション合計数の差異はさらに大きくなります。

要件

統合プロパティとその参照元プロパティは、すべて同じアナリティクス 360 アカウントに属している必要があります。

参照元プロパティのサービスレベルを 360 に設定する必要があります。

1 つの参照元プロパティを複数の統合プロパティに集約することができますが、統合プロパティを参照元プロパティとして使用することはできません。

統合プロパティの設定に際し、追加のタグ設定は必要ありません。

作成と管理

現在、統合プロパティの作成は、Google アナリティクス 360 サポートチームが担当しています。

統合プロパティを作成する場合は、Google アナリティクス 360 サポートまでお問い合わせいただき、以下の情報をお知らせください。

  • 会社名
  • 統合プロパティを作成するアナリティクス アカウントのアカウント番号
  • 統合プロパティのタイムゾーン(例: (グリニッジ標準時間 -08:00)太平洋時間)
  • 既定のホスト名(例: www.example.com)
  • 作成する統合プロパティの数

統合プロパティを作成したら、[管理] の [プロパティ] > [統合プロパティの管理] で参照元プロパティを追加または削除することができます。詳細

システム上の制限

統合プロパティごとに最大 200 まで参照元プロパティを設定できます。

データ制限

統合プロパティで処理される個々のヒットは、参照元プロパティの対応するヒットとは別にカウントされます。また、毎月の請求対象となるヒット数に適用される際は、1 回ではなく 0.5 回としてカウントされます。たとえば、統合プロパティのヒット数が 1,000 万回の場合、アナリティクスでは 500 万回とカウントされます。

一時的なデータの不一致

統合プロパティとそれに対応する参照元プロパティのノーリファラー セッションの回数について、統合プロパティの方が一時的に多くなることがあります。

参照元プロパティ: キャンペーンで開始されたセッションの後に開始されたノーリファラー セッションがキャンペーンのタイムアウト設定の範囲内であった場合、そのノーリファラー セッションの参照元は直近のキャンペーンに関連付けられます。

統合プロパティ: 作成日よりも前のデータは統合されません。参照元が統合プロパティの作成日よりも前のキャンペーンに関連付けられている統合プロパティのノーリファラー セッションは、そのキャンペーンのデータが統合されず、ノーリファラーとして表示されます。そのため、統合プロパティのノーリファラー セッションの回数は、参照元プロパティすべてについての合計回数より大きくなることがあります。

この不一致は、参照元プロパティのキャンペーンがタイムアウトし、ノーリファラー セッションが、統合プロパティより後に作成されたキャンペーンに関連付けられると解消します。

通貨の換算

参照元プロパティのトラッキング コードで複数通貨のサポートを有効にしている場合、通貨データはすべて統合プロパティのビューで設定した通貨に換算されます。

現時点では、複数通貨のサポートを有効にしないと、アナリティクスでは通貨の値は換算されません。

リマーケティング オーディエンス

関連付けた参照元プロパティでリマーケティング機能と広告レポート機能を有効にしている場合、統合プロパティに基づいてリマーケティング ユーザーリストを作成できます。なお、この機能は、個々の参照元プロパティのイベント、ユーザー プロパティプロパティの単位にかかわらず、広告のパーソナライズ設定の対象となります。参照元または統合プロパティで、これらのコントロールを使用して任意のイベントで広告のパーソナライズが無効にされている場合、そのイベントを統合プロパティ内で広告のパーソナライズに使用することはできません。

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