e コマース データを分析する

e コマース データ関連の分析の多くは、そのアプローチが非常にシンプルです。トラッキング対象となるのは収益、コンバージョン率、平均注文額です。本記事は、基本的な分析の実施から、e コマース関連のレポートの使用、収集したその他のデータの評価までをカバーします。

コンバージョン率と平均注文額

コンバージョン率と平均注文額をトラッキングするには、e コマース サマリー レポートを使用します。

グラフの下のスコアカードは、5 つの指標を使用してビジネスの概要を示しています。

これら 5 つの指標の中で、特に重要なのが e コマースにおけるコンバージョン率と平均注文額です。

e コマースのコンバージョン率は、e コマース トランザクションに至った訪問の割合であり、ユーザーの購買意欲をかき立てられるようマーケティングを展開しているか、サイトが容易に購入手続きを進められるような作りになっているかなど、マーケティング戦略やサイトのデザインの有効性を測定するうえで非常に役立ちます。

コンバージョン率は業種によって異なりますが、ご自身の業種や同規模の企業の平均コンバージョン率について簡単に調べておくと、取っ掛かりとしては良好なベンチマークが得られる可能性があります。

自社に適切なコンバージョン率を既に把握している場合は、このレポートを使用して、現在の期間におけるコンバージョン率と比較できます。比較対象となる期間を指定して、先月や昨年と比較して改善しているかなど長期的な推移を把握することも可能です。

平均注文額は、サイトにおける各取引のクローズ状況を確認するうえで有効です。たとえば、商品リストは複数の商品への関心を呼び起こしているか、クロスセル(関連商品の販売)は成果を上げているか(たとえばコートを販売している場合、帽子や手袋も一緒に販売しているか)、数量割引はユーザーによる複数購入を後押ししているか、などを調べられます。

比較対象となる期間を指定して、数値が上昇傾向にあるか、横ばいを維持しているか確認することができます。

キャンペーンの掲載結果

サマリー レポートでは、全体的なマーケティングにおけるキャンペーンの成果を確認できます。サイト全体と比較することも可能です。

アナリティクスでは、キャンペーン、オーダー クーポン、アフィリエイト マーケティングの点からマーケティングを分析し、各要素について次の 3 つの指標をトラッキングします。

  • トランザクション数
  • 収益
  • 平均注文額

各要素の集計データ(キャンペーンの全体的なパフォーマンス)を確認したり、キャンペーンが目的のビジネスのシェア獲得に貢献しているかどうかをすばやく把握したりすることができます。

[マーケティング] セクションの上にあるスコアカードを使用して、サイト全体の掲載結果と個々のマーケティングの要素を比較することができます。

キャンペーンの掲載結果は、キャンペーン レポートや Google 広告キャンペーン レポートでより深く掘り下げることができます。たとえば指標の値が期待どおりのものでなければ、個々のキャンペーンの詳細情報を確認し、掲載結果におけるウィーク ポイントを把握できます。逆に、サマリー レポートで良好なキャンペーンの掲載結果が示されている場合は、他のレポートを確認して、この成果が 1 つのキャンペーンに限ったものかどうか、それともすべてのキャンペーンで広範に見られるかどうかを調べることが可能です。

購入プロセスの成果

ショッピング行動の分析レポートでは、購入プロセスにおける長所と短所を確認できます。

このレポートを使用すると、購入プロセスに入ってから出るまでのユーザーの流れを把握できます。特定の地点で離脱者が過度に多い場合は、そのコンテンツを調べてみてください。

商品の詳細情報を閲覧したユーザーがカートにアイテムを追加しなかった場合、商品の説明に十分な説得力がないか、情報をバランスよく提供していないことを示している可能性があります。たとえばメインのユーザー層が一般消費者であるにもかかわらず、商品の説明が技術的に難しい内容であれば、ユーザーの購買意欲を高めるうえで適切ではありません。あるいは、ユーザーがアイテムを追加できないようにする機能面の不具合が発生しているかもしれません。

ユーザーがカートにアイテムを追加した後に離脱した場合、そのユーザーは他社と比較し、どの小売業者がトランザクションを完了するのに最適なインセンティブを提供しているかを調べるために、カートをそのままにしていると考えられます。現時点の価格とインセンティブを調べ、他の小売業者と比較してみてください。放棄されたカートに入れられたアイテムがそのままの場合、おそらく価格面で競争力が弱いのかもしれません。あるいは、価格面ではどこもほとんど差がないのであれば、他社に対し優位性を確保できる価格やインセンティブを提供するのがよいでしょう。

ユーザーが決済時にプロセスを放棄した場合は、そのプロセスが不必要に複雑であった、または最後の最後で掲示された高すぎる配送料に不快を示したといったことが考えられます。

失敗する可能性は常にあるとはいえ、この目標到達プロセスを使用すれば、失敗が発生した地点を詳細に突き止められるので、改善するためにどこから手を付ければよいかを正確に把握できます。

決済プロセスの成果

決済行動分析レポートでは、ユーザーがどの地点で決済プロセスを放棄しているかを確認できます。

たとえば、離脱するユーザーが最も多いのが、アカウントへのログインが要求される最初のステップであると判明した場合、ゲストとして決済したり、既存の Google や Twitter のアカウントでログインしたりできるオプションを追加することを検討して、アカウントやパスワードを別途設定することを望まない買い物客の購買意欲を高めます。

特定の地点における高い放棄率も、技術的な問題を示すシグナルである可能性があります。たとえば、ユーザーが別のアカウントでログインした場合、OpenID 認証を受ける際に問題が発生するかもしれません。あるいは、ページの読み込み時間が過度に長い、といったシンプルなケースも考えられます。

放棄の理由が明確でない場合は、操作性のテストを実施して、ユーザーの間で反響が大きかった地点を確認します。

商品の販売状況

サマリー レポートでは、販売状況の集計データを評価できますが、商品の販売状況では個々の商品の販売状況を確認することが可能です。

このレポートは、次の 2 つの点から商品の販売状況を分析します。

  • サマリー: 商品による収益、販売された数量、平均価格、発生した払い戻しの金額、Cart-to-Detail 率および Buy-to-Detail 率。
  • ショッピング行動: リスト内の商品が閲覧された頻度、商品の詳細情報が閲覧された頻度、商品がショッピング カートに追加または削除された頻度、各商品が決済に含まれていた回数、固有の購入数、Cart-to-Detail 率および、Buy-to-Detail 率。

商品によってどれだけの収益が発生しているか、どれだけ購入されているかは常に気になると思いますが、このレポートでは、さらなる情報として、サイト デザインが購入を促すうえで有効であるかについて、より包括的なデータが提供されます。たとえば、[ショッピング行動] ビューのデータでは、商品リストにおける商品の成果、リストのプレースメントがユーザーによる個々の商品の閲覧に貢献している頻度、商品の詳細情報の閲覧、およびその閲覧からショッピング カートへの商品の追加、購入手続きの完了を促進するうえでのサイト デザインの貢献度を確認できます。

カテゴリやブランドのマネージャーは、商品カテゴリや商品ブランドのディメンションを使用して特定機能に関するデータを表示したり、販売やショッピング関連の指標に基づいて各戦略の成果を評価したりすることができます。

商品リストの販売状況

サイトにユーザーを誘導するマーケティングをトラッキングすることに加えて、サイト内のマーケティングの成果や、商品オプションを説明するためにユーザーに表示する商品リスト、関連商品、アップセルやクロスセルを行うために使用するリストに関する情報も必要かもしれません。

商品リストの販売状況レポートでは、リストと個々の製品が相互に連携してどのような成果を上げているか確認することができます。

リストの観点からデータを見るには、商品リスト名をプライマリ ディメンションとして使用します。リストごとに、ユーザーが閲覧したリスト内の商品の数やクリックした回数、リストのクリック率を確認できます。この指標の組み合わせにより、ユーザーへの商品表示という点でリストがどの程度成果を上げているかや、レイアウトやテキスト、画像がユーザーによる商品の詳細情報閲覧のためのクリックを促進しているかどうかを把握できます。

商品リスト位置をプライマリ ディメンションとして使用し、最も成果の高いリスト位置を確認することができます。

商品をプライマリ ディメンションとして使用して、リストに表示される個々の商品の成果を確認します。

商品をプライマリ ディメンションとして、商品リスト位置をセカンダリ ディメンションとして使用して、各商品の成果をそれぞれのリスト位置と照らし合わせて確認します。リスト内で下位にある商品がより上位の商品よりも高い成果を上げている場合、こうした成果の高い商品をリストのより目立つ位置に移動させることをおすすめします。

クーポンおよびアフィリエイト マーケティング

アナリティクスでは、商品クーポン コードやオーダー クーポン コードを含むコンバージョンに加え、アフィリエイト マーケティングの結果として達成したコンバージョンをトラッキングすることができます。

商品クーポン コードでは、次の関連情報を確認できます。

  • 商品の収益: 商品クーポンを使用して購入されたすべての商品からの収益
  • 固有の購入数: 商品クーポン コードを含む固有の購入数の合計
  • 商品の収益(購入平均): 商品クーポン コードを含む各購入の商品の平均収益

オーダー クーポンおよびアフィリエイト コードでは、次の関連情報を確認できます。

  • 収益: 各オーダー クーポンまたはアフィリエイト コードと関連付けられた合計収益
  • トランザクション数: 各オーダー クーポンまたはアフィリエイト コードと関連付けられたトランザクションの合計数
  • 平均注文額: 各オーダー クーポンまたはアフィリエイト コードと関連付けられた全トランザクションの平均注文額

商品クーポンおよびオーダー クーポンのレポートのデータからは、クーポン コードと関連付けられたアクティビティに関する未加工の数値がわかります。さまざまなビジネスの状況におけるこうした取り組みの効果を把握するには、サマリー レポートを使用すると、たとえば次のように、クーポンを提供している期間において全体的な数値にどのような影響があったかを確認できます。

  • 母の日や記念日の前の週にクーポンを提供した場合は、比較対象の期間として該当の週、その前の週、その後の週の各収益を比較して、上昇または低下が見られるか確認することができます。
  • ある地域でクーポンを提供しており、別の地域で提供していない場合は、対象期間のデータを地域別に分割表示して、両地域における収益とトランザクション数の差異を確認し、クーポンが有効であったかどうかを判断することが可能です。

アフィリエイト コード レポートを使用して、最も価値の高いコンバージョンをもたらしたアフィリエイトを確認します。

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