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データドリブン アトリビューションの方法論は、主に 2 つの要素から成ります。まず利用可能なすべての経路データを分析して、コンバージョンの可能性(発生確率)のカスタムモデルを作成し(1)、次に得られた可能性データセットに高度なアルゴリズムを適用し、各マーケティング接点にコンバージョンの価値の一部を関連付けます(2)。
この記事の内容:利用可能なすべての経路データからコンバージョン可能性モデルを作成する
データドリブン アトリビューションでは、参照可能なすべての経路データ(コンバージョンに至ったユーザーのデータも、そうでないユーザーのデータも含まれます)を使って、マーケティング上の各接点がユーザーのコンバージョンの可能性にどう影響しているかを分析します。得られた可能性モデルを使用すれば、あるイベントのシーケンスにおいて、各ポイントでユーザーがコンバージョンに至る可能性を示すことができます。
アルゴリズムによって各マーケティング接点にコンバージョンの価値を関連付ける
次に、このようにして得られた可能性データセットに対して、協力ゲーム理論の概念であるシャープレイ値に基づくアルゴリズムを適用します。シャープレイ値とは、ノーベル経済学賞受賞の Lloyd S. Shapley 氏が開発したもので、チームが生み出した成果を構成員に公正に分配するためのアプローチです。
データドリブン アトリビューションの場合、分析対象となる「チーム」の「構成員」となるのは、マーケティング上の各接点(例: オーガニック検索、ディスプレイ、メール)であり、チームが生み出した「成果」に当たるのがコンバージョンです。データドリブン アトリビューションのアルゴリズムは、各マーケティング接点の利得を反事実的条件法で計算します。具体的には、これらの接点で接触のあった類似ユーザーのコンバージョンの可能性と、経路内で接点が発生しなかった場合のコンバージョンの可能性とを比較します。
各接点に割り当てられるコンバージョンの価値を実際に計算する際には、接点のさまざまな順列パターンをすべて比較し、正規化する必要があります。このため、データドリブン アトリビューションのアルゴリズムでは、各接点が発生する順序を考慮し、経路上の位置が違えば異なる価値を割り当てます。たとえば、ディスプレイ、有料検索の順に接点があった場合と、有料検索、ディスプレイの順に接点があった場合では、モデリングは別個に行われます。
例
次の概略的な例では、オーガニック検索、ディスプレイ、メールの組み合わせでコンバージョンの可能性が 3% になっています。ここからディスプレイが抜けると、可能性は 2% に下がります。ディスプレイが介在した場合に 50% の上昇が見られるという結果になり、この値がアトリビューションに使用されます。
データドリブン モデルを詳しく確認し、投資収益率への影響を分析する
モデル エクスプローラ レポートでは、データドリブン モデルによって設定された、チャネルや接点に基づく具体的な重みづけの比率を詳しく確認することができます(さらに詳しく分析する場合は、モデルを CSV ファイルとしてダウンロードすることができます)。モデルの比較や、最適化のチャンスの発掘には、モデル比較ツールを使用します。投資収益率分析レポートでは、データドリブン モデルの投資収益率への影響を調べることができます。