Google アナリティクスのカスタム ディメンションやカスタム指標を使用すると、ウェブサイトやアプリから集めたカスタムデータを使って分析と広告掲載を行うことが可能になります。カスタム ディメンションやカスタム指標では、Google アナリティクスで自動的に収集、表示される標準データの枠を超え、現実問題に直結した、より詳しい分析が可能になります。
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仕組み
イベントでは、ウェブサイトやアプリでのユーザー行動(リンクのクリックや動画の視聴など)を測定します。イベント パラメータは、こうしたユーザー行動に関する詳しい情報をもたらします。たとえば、どのリンクがクリックされたのか、動画がどこまで視聴されたのかといった情報です。ユーザー プロパティでは、ユーザー自身の詳しい情報(年齢や所在地など)がわかります。
自動収集イベントと事前定義済みユーザー プロパティを送信するようにアナリティクスを設定すると、一部のデータが自動的に収集されます。自動収集イベントとそのイベント パラメータの一覧については、Google アナリティクスのイベント パラメータをご覧ください。
ウェブサイトやアプリでこうした追加情報を収集すると、カスタム ディメンション(説明的なデータ)とカスタム指標(数値データ)を設定して、これらのデータをレポート内で整理、分析することが可能になります。カスタム ディメンションとカスタム指標を使用すると、そうしたデータを広告掲載やリマーケティングでも使えるようになります。
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ウェブサイトまたはモバイルアプリのコードに、イベント パラメータあるいはユーザー プロパティを追加する |
ユーザーがウェブサイトまたはアプリにアクセスすると、Google アナリティクスにカスタムデータが送信される |
カスタム ディメンションまたはカスタム指標を作成して、イベント パラメータあるいはユーザー プロパティのデータを分析できるようにする |
24〜48 時間後に、カスタム ディメンションまたはカスタム指標を使用してレポート作成と広告掲載を行えるようになる |
カスタム ディメンションとカスタム指標の種類
カスタム ディメンションとカスタム指標は、レポートを作って広告掲載で利用したい情報に応じて、複数種類作成できます。
カスタム ディメンション
- ユーザー スコープのカスタム ディメンションを使用すると、カスタム ユーザー プロパティに関するレポートを作成できます。ウェブサイトかアプリのコードにカスタム ユーザー プロパティを追加すると、これらのカスタム ディメンションにより、ユーザー固有のデータを分析、把握できるようになります。
- イベント スコープのカスタム ディメンションを使用すると、カスタム イベント パラメータ(イベントを通じて捕捉されるユーザー アクションについて詳しいデータを測定するパラメータ)に関するレポートを作成できます。クリックされたリンクを識別している場合も動画エンゲージメントを識別している場合も、推奨イベントかカスタム イベントにカスタム イベント パラメータを追加することで、これらのインタラクションを詳しく分析できるようになります。
- アイテム スコープのカスタム ディメンションは、e コマースサイトとモバイルアプリに有益です。これらのカスタム ディメンションを使用すると、「purchase」や「add_to_cart」などの e コマース イベントの items 配列に含まれるカスタムデータ(商品の色やサイズなど)を分析できます。
カスタム指標
- カスタム指標を使用すると、イベント パラメータの数値を分析できます。イベント パラメータでアクションの数や頻度を測定している場合は、カスタム指標を作成すると、パラメータの数値を行動につながるインサイトに変換できます。ただし、カテゴリデータ(どのテキストがクリックされたか、どのページが閲覧されたかなどのデータ)については、イベント スコープのカスタム ディメンションを使ったほうが分析に適しています。
- 計算指標では、既存の指標やカスタム指標を組み合わせて、より高い有益性が見込まれる新しい指標を生成できます。
上限
次の表に、標準プロパティと 360 プロパティで作成できるカスタム ディメンションとカスタム指標の数を示します。
カスタム ディメンションやカスタム指標の種類 | 標準プロパティの上限 | 360 プロパティの上限 |
---|---|---|
ユーザー スコープのカスタム ディメンション | 25 | 100 |
イベント スコープのカスタム ディメンション | 50 | 125 |
アイテム スコープのカスタム ディメンション | 10 | 25 |
カスタム指標 | 50 | 125 |
計算指標 | 5 | 50 |
カスタム ディメンションやカスタム指標の数が上限に近づいているかどうかは、[管理] の [カスタム定義] ページで確認できます。それまでに作成したカスタム ディメンションとカスタム指標の数を確認するには、右上の [割り当て情報] をクリックします。
ベスト プラクティス
カスタム ディメンションとカスタム指標を作成する前に、可能な場合は事前定義されたディメンションと指標を使用できないかご検討ください。
標準のプロパティを使用している場合は、不要な高基数のカスタム ディメンションは作成しないでください。不要な高基数ディメンションを作成すると、レポートとデータ探索に悪影響が生じ、データが「(other)」行に集約される可能性があります。
例
許可されない、または避けるべき高基数ディメンションの例を以下に示します。
- 各ユーザーの一意の ID に対してカスタム ディメンションを使用している(代わりに User-ID 機能を使用してください)
- 詳しくは、ユーザー ID のカスタム ディメンションを作成せずにユースケースに対応する方法についての記事をご確認ください
- カスタム ディメンションを使用して、セッションごとに一意の ID(セッション ID など)を送信している
- カスタム ディメンションとしてタイムスタンプを送信している
注: Google アナリティクスにデータを送信する際、カスタム ディメンション内で数値に似ている値は、元々はテキスト形式であっても数値として扱われます。
例:
- 「9343.324234」を(テキストとして)送信すると、GA4 では数値「9343.32」として解釈されます。
- 「94E40」を(テキストとして)送信すると、GA4 では数値「9.4e+41」(科学的記数法)として解釈されます。
最後に、事前定義済みディメンションのパラメータ(ページおよびスクリーンの各ディメンション、取引 ID など)にカスタム ディメンションを登録することはおすすめしません。登録しても基数には影響しませんが、カスタム ディメンションの割り当ての 1 つが使われてしまいます。
カスタム パラメータ レポートのサポート終了
イベント スコープのカスタム ディメンションとカスタム指標では、パラメータの識別がプロパティ全体のディメンションと指標を対象に行われるため、1 つのパラメータに基づいて 1 つのディメンションまたは指標を作成し、イベントの数に関係なく、そのパラメータについてレポートできます。従来のカスタム パラメータ レポートでは、パラメータはイベントごとに識別されていました。そのため、5 つのイベントに対して 1 つのパラメータをレポートする場合、カスタム ディメンションとカスタム指標の 100 個の割り当てのうち 5 個を使用する必要がありました。
カスタム パラメータ レポートのサポート終了に伴い、アナリティクスでは過去のイベント スコープの集計が保持されています。新しい集計では、過去のデータがシームレスに拡張されます。1 つのパラメータが複数のイベントに対して登録された場合に区別しやすくなるよう、アナリティクスでは各ディメンション / 指標の名前に現在割り当てられているイベント名が含まれます(例: 「custom_dimension_name [event_name]」など)。
複数のイベントに登録され、重複しているカスタム ディメンションおよびカスタム指標は、使用数上限への影響を避けるため削除することをおすすめします。
ユーザー スコープのカスタム ディメンションを使用すると、「スロット」を考慮する手間が省けます。ユーザー プロパティがユーザー スコープのカスタム ディメンションのスロットのエイリアスとなるため、従来のように各データポイントをランダムなスロット番号と紐付ける必要はなく、意味のある名前が付いたデータポイントをトラッキングすることに集中できます。