アド マネージャーのテストに関する最新情報

公開日: 2023 年 11 月 22 日、最終更新日: 2024 年 4 月 4 日

背景

2023 年の初め、Google アド マネージャーでは、信頼関係を築き、価値を創造し、自社データを活用するために開発を進めているプライバシーとデータのソリューションについて最新情報をお知らせしました。本日は、2024 年 1 月のプライバシー サンドボックスのテストプランについて詳しくご説明します。

Google アド マネージャーをはじめとする Google の広告プラットフォームでは、英国競争・市場庁(CMA)と Google の取り決めの一環として、Privacy Sandbox API およびサードパーティ Cookie を使用しない主要なオンライン広告のユースケースをサポートする他のプライバシー保護シグナルの効果を評価するテストを CMA の管理下で設計および実施しています。

Chrome を利用したテストでは、サイトがサードパーティ Cookie を使用せずにどのように動作および機能するかをプレビューできる 2 つのテストモードを提供しています。

  • モード A: 2023 年第 4 四半期より、プライバシー サンドボックスのテストを実施しているアドテック プロバイダは、一部の Chrome ブラウザで一貫性のあるラベルの受け取りを有効にできます。Google アド マネージャーではこのモードのテストを積極的に実施してきました。
  • モード B: 2024 年第 1 四半期より、Chrome のトラフィックの 1% でサードパーティ Cookie がグローバルに無効化されます。Google アド マネージャーでは、モード B を使用して、サードパーティ Cookie の廃止による影響を評価するテストを実施し、2024 年第 2 四半期に結果を CMA に報告します。

どちらのモードも、少なくとも 2024 年第 2 四半期までは継続されます。また、モード B で(Chrome トラフィックの 1% で)無効になったサードパーティ Cookie は、サードパーティ Cookie が完全に廃止されるまで無効のままとなります。

モード B のテストの主な目標は、サードパーティ Cookie の廃止による影響とプライバシー サンドボックス技術の効果を定量的に把握することです。

テストの設計

モード B のテスト設定では、CMA が推奨しているとおり、トラフィックを 3 つのグループに分けます。

  • コントロール グループ 1: 現状維持のベースライン(利用可能な場合はサードパーティ Cookie を使用)
  • コントロール グループ 2: サードパーティ Cookie なし、Privacy Sandbox API なし、その他の緩和策(パブリッシャーの自社データおよび ID など)あり
  • トリートメント グループ: サードパーティ Cookie なし、Privacy Sandbox API あり、その他の緩和策(パブリッシャーの自社データおよび ID など)あり

以下の表に、Google アド マネージャーのモード A とモード B のプランを示します。

モード

ラベル名

(Chrome により提供)

Chrome による対応

Google アド マネージャーによる対応*

B

control_2

[サードパーティ Cookie] 無効

[Topics] 無効

[Protected Audience] 無効

[Topics] 利用不可

[Protected Audience] 利用不可

B

treatment_1.1

treatment_1.2

treatment_1.3

[サードパーティ Cookie] 無効

[Topics] 利用可能

[Protected Audience] 利用可能

[Topics] 利用可能(有効な入札リクエストで共有)

[Protected Audience] 利用可能(有効な広告枠で実施)(トラフィック サンプリングの対象外)

A

control_1.1

control_1.2

control_1.3

control_1.4

[サードパーティ Cookie] 利用可能

[Topics] 利用可能

[Protected Audience] 利用可能

[Topics] 利用不可

[Protected Audience] 利用不可

A

label_only_1

[サードパーティ Cookie] 利用可能

[Topics] 利用可能

[Protected Audience] 利用可能

[Topics] 利用可能(有効な入札リクエストで共有)

[Protected Audience] 利用不可

A

label_only_2

label_only_3

 

[サードパーティ Cookie] 利用可能

[Topics] 利用可能

[Protected Audience] 利用可能

[Topics] 利用可能(有効な入札リクエストで共有)

[Protected Audience] 制限付きで利用可能(ラベルのないトラフィックと同様に、トラフィックの一部でのみオークションを実施)

A

label_only_4

label_only_5

[サードパーティ Cookie] 利用可能

[Topics] 利用可能

[Protected Audience] 利用可能

[Topics] 利用可能(有効な入札リクエストで共有)

[Protected Audience] 利用可能(有効な広告枠で実施)(トラフィック サンプリングの対象外)

* Chrome および CMA のガイダンスの更新またはパートナーのフィードバックに基づき変更される場合があります

Chrome のトラフィックの 1% を占めるモード B のトラフィックでは、サードパーティ Cookie を利用できないため、現在サードパーティ Cookie を使用しているすべての機能(サードパーティ Cookie に基づくオーディエンスを使用した予約広告申込情報のオーディエンス ターゲティングなど)に影響が生じます。

テストの結果から何を期待できますか?

このテストにより、プライバシー サンドボックスに関する API の効果を評価し、英国の競争・市場庁、Chrome、業界と知見を共有することができます。テストの結果は、2024 年第 2 四半期に CMA と共有される予定です。

テストの結果から、サードパーティ Cookie がない場合のパフォーマンスを早期に予測できると期待されます。結果で示されるパフォーマンスは最低ラインであり、サードパーティ Cookie のサポート終了の対策として、プライバシー サンドボックスなど、プライバシーを重視した技術の導入や最適化、利用範囲の拡大が進むにつれて、パフォーマンスはさらに改善していくことが予想されます。

このテストに関してパブリッシャー側で必要な対応はありますか?

このテストに関してパブリッシャー様側で必要な対応は特にありません。Google アド マネージャーでは、Chrome、参加している SSP および DSP、CMA と直接連携してテストを実施しています。

パブリッシャーがこのテストを無効にすることはできますか?

Topics はこちら、Protected Audience はこちらの手順に沿って、Google アド マネージャーによる Privacy Sandbox API の使用を無効にできますが、広告のユースケースで Chrome を利用したテストを無効にすることはできません。

パブリッシャーはアド マネージャー管理画面のレポート機能を使用して、Chrome によるテストの結果を確認できますか?

アド マネージャーのレポート機能では、Chrome のテストラベルのディメンションはサポートされていません。別の方法としては、Chrome から直接ラベルを読み取り(詳しくは Chrome のドキュメントをご覧ください)、アド マネージャーへの広告リクエストでこれを Key-Value として渡して、Key-Value レポートを使用してラベルに関するレポートを作成することができます。

  (2023 年 5 月 19 日公開)API に関する最新情報: Topics、Protected Audience、Attribution Reporting

サードパーティ Cookie に代わるプライバシー保護の重要な手法である Privacy Sandbox API の開発が着実に進んでいるとの発表が Chrome チームからありました。アド マネージャーでは、広告に支えられたビジネスを成功に導くために必要なツールをパブリッシャー様に提供するため、こうした技術をテストしてきました。Chrome で Privacy Sandbox API が一般提供されるのに伴い、アド マネージャーでは引き続き、この技術のサポートに投資していきます。

Topics API

7 月より、Topics API がすべての Chrome ユーザーに一般提供されます。アド マネージャーでは、利用可能になり次第、Chrome トラフィックの Topics データの取り込みを開始する予定です。それに向けて、API およびパートナー様にとっての有用性を引き続き評価していきます。

Protected Audience API(旧 FLEDGE)

Protected Audience API の一般提供開始後、アド マネージャーではテストの対象とするトラフィックの量を段階的に増やしていきます。トラフィックの割合を少しずつ増やし、パブリッシャー様の収益への影響をモニタリングします。

Attribution Reporting API

アド マネージャーでは、プライバシーに配慮した代替の測定手法に投資する取り組みの一環として、Attribution Reporting API をサポートしています。コンバージョン アクションをパートナー様のプロパティに適切に関連付けられるようにすることで、広告主はパフォーマンスとパブリッシャー広告枠の価値を正確に把握できます。現時点では、パブリッシャー様側で必要な対応はありません。

アド マネージャーでは、Chrome でこの技術が一般提供される前に、新しい分析情報と UI でのオプトアウトといった管理機能を提供する予定です。これらの機能とテスト拡大の計画については、今後数週間以内に詳しくお知らせいたします。

これまでと同様に、パブリッシャー様は Chrome の権限ポリシーで、Topics APIProtected Audience APIAttribution Reporting API をいつでもオプトアウトできます。

(2023 年 1 月 12 日公開)プライバシー サンドボックスの初期テストは順調に進行中

Google アド マネージャーの目標は、広告に支えられたビジネスを成功に導くために必要なツールをパブリッシャー様に提供することです。プライバシーと規制を取り巻く状況の急速な変化に対応するため、Google ではパートナーのパブリッシャー様に今後も関連性の高い広告をよりプライバシーに配慮した方法で配信していただけるよう、新しい方法をテストしています。

アド マネージャーでは、他の広告技術企業とともに、ウェブ向けのプライバシー サンドボックスのテストを開始しました。Chrome が主導するこの取り組みは、プライバシーを保護した代替ブラウザ技術を提案し、主要なユースケースをサポートすることを目指しています。パーソナライズド広告に関しては、2 つのプライバシー サンドボックス API(TopicsProtected Audience API(旧 FLEDGE))の実装に重点を置いています。

これまでのところ、アド マネージャーでの Topics と Protected Audience API の初期テストは順調に進んでいますが、この技術の有用性を最大限に高めるための改善を提案しています。Google では、これらの API の効果を高めるためのフィードバックを提供するとともに、広告技術コミュニティの他の企業にも改善の提案をお願いしています。

Topics により改善が見込まれる点

Topics では、ユーザーがアクセスしたサイトを追跡することなく、最近の閲覧履歴に基づきインタレスト カテゴリが特定されます。購入者は、Topics を他のシグナルと組み合わせて、インタレスト ベース広告に使用できます(詳しくはこちらをご覧ください)。

アド マネージャー タグでは、Topics が使用可能な場合はこれを取得し、入札リクエストで広告主に渡します。Topics のテストへの参加については、パブリッシャー様側での明示的な対応は必要ありません。必要に応じて、こちらに記載されている手順に沿って Topics をオプトアウトすることもできます。

2022 年 8 月より、アド マネージャーで、ごく一部のトラフィックの入札リクエストにおいて、関係するすべてのバイサイド パートナー(Google 広告、ディスプレイ&ビデオ 360、認定バイヤー、Open Bidding のビッダー)への Topics の送信を開始しました。テストでは、アド マネージャーのシステムが想定どおり動作し、Google のインフラストラクチャが Topics を読み取って渡せることが確認されています。詳しくは、ヘルプセンターをご覧ください。

Chrome により Topics が送信されるトラフィックが増え、Google のバイサイド パートナーが広告の選択で Topics が使用されていることを確認できれば、Google でバイサイド パートナーのパフォーマンス評価を開始します。

今回のテストに基づき、Google ではいくつか改善を加えることで、インタレスト ベース広告における Topics の関連性と有用性を向上できると考えています。たとえば、購入者に広告主関連の Topics へのアクセス権を付与すると、返されるトピックのカバレッジと広告との関連性を向上できる可能性があります。また、Chrome チームはすでに Topics の取得方法を変更する計画を進めており、これによってレイテンシや分類作業を軽減できる可能性があります。

Protected Audience API のテストは順次展開し、2023 年にはさらに拡大する予定

Protected Audience API は、複数のサイトにわたる閲覧アクティビティを公開することなく、訪問者のデバイスで広告オークションを行うことにより、リマーケティングやカスタム オーディエンスのユースケースにおける、新しいプライバシー保護アプローチを実現します(詳細)。SSP は Protected Audience API ワークフローにおいて、購入者が広告枠を利用できるようにして、デバイス上のオークションのロジックを提供するという重要な役割を果たします。アド マネージャーと Protected Audience API の統合について詳しくは、ヘルプセンターをご覧ください。パブリッシャー様は Chrome の Permissions-Policy を使用して、Chrome の Protected Audience API テストをオプトアウトできます。

Protected Audience API は新しい技術であるため、アド マネージャーではテストについて反復的なアプローチを取っています。また、収益とパフォーマンスへの影響を最小限に抑えるため、ごく一部のパブリッシャー様のトラフィックのみに広告を配信しています。アド マネージャーの Protected Audience API のテストは、以下の段階を経て進められています。

  1. インフラストラクチャのテスト: 2022 年 5 月に完了したテストの第 1 段階では、バックエンドのインフラストラクチャが想定どおり機能することを確認しました。この段階では、Protected Audience API を介した広告配信は行われませんでした。
  2. 広告配信のテスト: システムが動作していることを確認した後、テストの一環として、Amazon 広告、Criteo、Google 広告、RTB House といったバイサイド パートナーのごく一部のトラフィックで Protected Audience API 広告の配信を開始しました。現在、アド マネージャーでは 1 日あたり数百万件の広告リクエストで Protected Audience API をテストしており、関係するデマンドサイド プラットフォームとの積極的な統合を進めています。アド マネージャーでは、将来的により多くの購入者を対象に Protected Audience API をテストしたいと考えています。
  3. パフォーマンスのテスト: Chrome で Protected Audience API の対象となるトラフィックが増えるにつれて、アド マネージャーでもテスト対象のトラフィックを増やし、パフォーマンスを評価する予定です。Protected Audience API の新機能がブラウザで利用可能になった時点でアド マネージャーにも追加され、引き続きパブリッシャー様のパフォーマンスの向上に向けて反復テストと最適化が行われます。

Google では、テストに基づき、パブリッシャー様と広告主にとって Protected Audience API がより有用なものとなるよう、レイテンシを低減する方法や、リソース消費に関するレポートを提供する方法といった改善点のフィードバックを提供しています。

プライバシーにより配慮した広告によってウェブを支える

Topics と Protected Audience API はどちらも、プライバシーに配慮したパーソナライズド広告の配信をサポートする新たなツールとして大きな可能性を秘めています。アド マネージャーでは引き続きプライバシー サンドボックス技術を評価し、パブリッシャー様によるこうしたソリューションの使用に役立つ機能を設計、実装していきます。2023 年も広告コミュニティの皆様には、テストへの参加と、こうした取り組みの改善へのご協力をお願いいたします。

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