-
ユーザー補助検証ツールのスタートガイド
Android アプリを設計、開発するときは、ユーザー補助検証ツールを使って、アプリの使いやすさを向上させることができます。
ユーザー補助検証ツールは画面をスキャンし、以下の内容に基づいて、アプリのユーザー補助機能を改善するための提案を行います。
- コンテンツ ラベル
- タップ ターゲットのサイズ
- クリック可能アイテム
- テキストと画像のコントラスト
重要: ユーザー補助検証ツールは手動テストの代わりになるものではなく、アプリのユーザー補助機能を保証するものでもありません。
ステップ 1: ユーザー補助検証ツールをインストールして有効にする
ユーザー補助検証ツールは、Android 6.0 以降を搭載したスマートフォンやタブレットでご利用いただけます。お使いの Android のバージョンをご確認ください。
- Google Play からユーザー補助検証ツールをダウンロードします。
- ユーザー補助検証ツール を起動します。
- デバイスの設定アプリで、画面の指示に沿ってユーザー補助検証ツールを有効にします。
- [ユーザー補助] [ユーザー補助検証ツール] [ サービスの使用] をタップします。
- ユーザー補助検証ツールを無効にするには: [設定] [ユーザー補助] [ユーザー補助検証ツール] にもう一度アクセスします。
ステップ 2: アプリをスキャンする
アプリのスナップショットをスキャンできます。アプリを操作しながら一連の画面をスキャンすることもできます。
記録をスキャンする
アプリ内のワークフローやタスクをスキャンできます。このオプションを使用すると、ユーザーがアプリを操作する際に画面上の要素が記録され、分析されます。
重要: この記録には、一連のスクリーンショットが含まれます。動画や音声は含まれません。記録はデバイス内で保持されます。Google と共有されることはありません。
記録をスキャンするには:
- アプリを開きます。
- [ユーザー補助検証ツール] ボタン をタップします。
- 記録アイコン をタップします。
- アプリを使用します。
- 別のアプリに移動すると、戻るまで記録は一時停止します。
記録を停止するには:
- 画面上部から下にスワイプして通知を開きます。または、別のアプリを開きます。
- [ユーザー補助検証ツールで記録しています] をタップします。
- 停止アイコン をタップします。
スナップショットをスキャンする
アプリの 1 つの画面をスキャンするには:
- アプリを開きます。
- [ユーザー補助検証ツール] をタップします。
- [スナップショット] をタップします。
スキャンの結果を確認する
記録やスナップショットをスキャンすると、ユーザー補助検証ツールにアプリのスクリーンショットが表示されます。スクリーンショット内で、スキャンの結果がオレンジ色の長方形で囲まれます。
- 詳細を表示するには: 長方形で囲まれた部分をタップします。画面に複数の結果がある場合は、次へアイコン をタップします。
- スクリーンショットの全結果の一覧を表示するには: リストアイコン [画面別表示] または [カテゴリ別表示] をタップします。
- 結果を共有するには: 共有アイコン をタップします。
記録をスキャンした場合や、スクリーンショットが複数ある場合:
- スクリーンショット間を移動するには: 上部のカルーセルでスクリーンショットをタップします。または、次へアイコン をタップします。
- すべてのスクリーンショットでグリッドを表示するには: [ライブラリ] をタップします。
ヒント: リソース名が長すぎて画面に収まらない場合は、リソース名を長押ししてマーキー表示にします。
保護されたウィンドウをスキャンする
WindowManager.LayoutParams.FLAG_SECURE
を使用して「保護」フラグが宣言されているウィンドウがアプリに含まれている場合、ユーザー補助検証ツールではその画面の画像をキャプチャできません。また、色のコントラストを確認することもできません。アプリでこのようなウィンドウをスキャンすると、ユーザー補助検証ツールには真っ黒の画面が表示されます。ただし、スキャン結果を見て他の改善点を確認することはできます。コントラストとタップ ターゲットのサイズのしきい値を変更する
検証ツールで使用するコントラスト比とタップ ターゲットのサイズのしきい値を変更できます。
- デバイスでアプリの一覧に移動します。
- ユーザー補助検証ツール 設定アイコン をタップします。
- 以下の設定を確認または変更します。
- テキストのコントラスト比: テキストの色のコントラストの最小値を新たに設定します。
- 画像のコントラスト比: 画像の色のコントラストの最小値を新たに設定します。
- タップ ターゲットのサイズ: タップ ターゲットのサイズの最小値を新たに設定します。
コントラスト比の結果を編集する
検証ツールは前景色と背景色を使用して、コントラスト比を判断します。この前景色と背景色を変更できます。
- デバイスでアプリの一覧に移動します。
- [ユーザー補助検証ツール] をタップします。
- 色のコントラストに関する提案があるスキャンをタップ [色を編集] をタップします。
- スクリーンショットの下にある [前景] または [背景] をタップします。
- 前景色または背景色を変更するには:
- 選択フレームをスクリーンショットの別の領域にドラッグします。
- 下部に表示される色の提案のいずれかをタップします。
- [適用] をタップします。
ヒント: 選択フレームを移動するには、横にある矢印をタップします。または、矢印を長押しして調整範囲を広げます。
スキャン結果を共有する
同僚など、他のユーザーと結果を共有できます。
結果をすぐに共有するには:
- スキャンを完了します。
- 共有アイコン をタップします。
- 結果の共有方法を選択します。
ヒント: 個々の項目の結果を共有するには、その項目を表示しているときに [共有] をタップします。
結果を後で共有するには:
- デバイスでアプリの一覧に移動します。
- [ユーザー補助検証ツール] をタップします。
- 対象のスキャンをタップ 共有アイコン をタップします。
- 結果の共有方法を選択します。
過去のスキャンを管理する
スキャンの名前を変更する
- デバイスでアプリの一覧に移動します。
- [ユーザー補助検証ツール] をタップします。
- 対象のスキャンをタップ その他アイコン をタップ [タイトルを変更] をタップします。
- タイトルを入力します。
- [名前を変更] をタップします。
説明を追加する
- デバイスでアプリの一覧に移動します。
- [ユーザー補助検証ツール] をタップします。
- 対象のスキャンをタップ その他アイコン をタップ [説明を編集] をタップします。
- 説明を追加します。
- [保存] をタップします。
スキャンを削除する
- デバイスでアプリの一覧に移動します。
- [ユーザー補助検証ツール] をタップします。
- 対象のスキャンをタップ その他アイコン をタップ [スキャンを削除] をタップ [削除] をタップします。
ヘルプの参照、フィードバックの送信
ユーザー補助検証ツールについて、ヘルプを参照したり、フィードバックを送信したりするには、アプリの [ヘルプとフィードバック] をタップします。
-
ユーザー補助検証ツールのスキャン結果
ユーザー補助検証ツールは、アプリのユーザー補助機能の改善点について以下のような可能性を提案します。
コンテンツ ラベルユーザー インターフェースのコントロールの多くは、そのコントロールの意味や使用法を示す視覚的なヒントに頼っています。こうしたヒントは、目の不自由なユーザーにはわかりにくいおそれがあります。
コンテンツ ラベルを使うと、ユーザー インターフェースのコントロールが利用しやすくなります。コンテンツ ラベルは画面には表示されませんが、目の不自由なユーザーが TalkBack などのスクリーン リーダーのようなユーザー補助機能サービスを使って利用することができます。
ユーザー補助検証ツールは、コンテンツ ラベルの以下のような可能性を探します。
- アイテムのラベルの欠落
スクリーン リーダーがフォーカスできるView
のうち、View
または下位階層の関連View
で読み上げる説明が設定されていないものを特定します。詳しくは、コンテンツ ラベルをご覧ください。 - タイプや状態のラベルを付けたアイテム
View
に冗長な説明がある事例を特定します。詳しくは、タイプや状態のラベルを付けたアイテムをご覧ください。 - アイテムの説明の重複
説明が完全に重複するView
が階層に含まれていないかどうかを特定します。たとえば、フォーカス可能な 2 つの異なるボタンの説明がどちらも「その他のオプション」であると、ユーザーの混乱を招く可能性があります。詳しくは、説明の重複をご覧ください。 - リンクの目的が不明確
「ここをクリック」など、情報に欠けるリンクテキストを特定します。詳しくは、リンクの目的が不明確をご覧ください。 - 認識されないテキスト
可視であるもののスクリーン リーダーで読み上げられないラベルが含まれるView
を特定します。詳しくは、認識されないテキストをご覧ください。
ユーザー補助検証ツールは、
View
の階層構造を調べて、身体の不自由なユーザーがレイアウトで操作しにくいような事例を特定します。- クリック可能なリンク
UrlSpans
ではないClickableSpan
の使用を特定します。詳しくは、クリック可能なリンクをご覧ください。 - クリック可能な要素の重複
他のクリック可能な要素とスクリーン上の同じ位置を共有するクリック可能な要素を特定します。詳しくは、クリック可能な要素の重複をご覧ください。 - 編集可能なアイテムラベル
EditTexts
と編集可能なTextViews
のうち、contentDescription
が空欄でないものを特定します。詳しくは、編集可能なビューのラベルをご覧ください。 - サポートされていないアイテムタイプ
ユーザー補助機能サービスでサポートされていないアイテムタイプを特定します。詳しくは、サポートされていないアイテムタイプをご覧ください。 - 移動順序
スクリーン リーダーやその他のユーザー補助機能サービスに影響を与える可能性のある、アイテムの移動順序の潜在的な問題を特定します。詳しくは、移動順序をご覧ください。 - テキストの拡大縮小
テキストの文字切れや抜け、全体が表示されない問題を引き起こす可能性のある、フォントサイズやレイアウトの仕様に関する潜在的な問題をユーザー インターフェースの設計段階で特定します。詳しくは、テキストの拡大縮小をご覧ください。
ユーザー補助検証ツールは、身体の不自由なユーザーがタップしにくいような小さなタップの対象を探します。
- タップ ターゲットのサイズ
クリックや長押しが可能なView
のうち、48 x 48 dp より小さいもの、または入力方法のウィンドウ内または画面の端に寄せられているView
の場合は 32 x 32 dp より小さいものを特定します。ユーザー補助検証ツールの設定で最小サイズを変更できます。詳しくは、タップ ターゲットのサイズをご覧ください。
ユーザー補助検証ツールは、目の不自由なユーザーがアプリを利用しやすくするために、カラー コントラスト比の改善を提案します。
- テキストと画像のコントラスト
テキストの色と背景色(TextView
が空欄ではない場合)または前景色と背景色(ImageView
の場合)のコントラスト比が 3.0 未満のテキストや画像を特定します。ユーザー補助検証ツールの設定で最小比率を変更できます。詳しくは、色のコントラストをご覧ください。
ユーザー補助機能について
詳しくは、Android デベロッパー向けのユーザー補助機能に関するドキュメントをご覧ください。
- アイテムのラベルの欠落