共有ドライブは Google ドライブ内にある特別なフォルダです。このフォルダをチームで利用してファイルを保存、検索したり、ファイルにアクセスしたりできます。共有ドライブ内のファイルは、個人ではなくチームが所有します。メンバーがチームを去ってもファイルは共有ドライブ内に残るため、どこにいてもどのデバイスからでも、チームで引き続き情報を共有して仕事を進めることができます。
共有ドライブの主な機能
- チームを去るメンバーがいてもファイルやフォルダは残る
ファイルは個人ではなくチームや組織が所有します。メンバーがチームを去り、そのメンバーのアカウントが管理者によって削除されても、そのメンバーが共有ドライブに追加または作成していたファイルは残ります。
- 柔軟な共有
共有ドライブ内のファイルやフォルダに対するアクセス権を付与するには、1)ユーザーやグループを共有ドライブのメンバーとして追加する、2)メンバーがファイルやフォルダをメンバーではない相手と共有する、の 2 通りの方法があります。
- メンバー間でのシンプルで一貫した共有 共有ドライブのすべてのメンバーに同じコンテンツが表示されるため、共有リクエストに対応する手間を省くことができます。グループを共有ドライブのメンバーとして追加することができます。グループに追加されたユーザーは、そのグループがメンバーになっているすべての共有ドライブに自動的にアクセスできるようになります。メンバーにはアクセスレベルが割り当てられます。このアクセスレベルによって、メンバーがファイルや共有ドライブに対してどのような操作を行えるかが決まります。
- メンバー以外のユーザーへの適宜の共有 外部共有が許可されている場合、共有ドライブのメンバーは、個々のファイルやフォルダをメンバーではない相手と共有できます。この方法では、共有ドライブ内のすべてを共有することなく、メンバー以外のユーザーがアクセスする必要がある情報のみを共有できます。
- 共有ドライブで外部ユーザーが作業できる(組織で許可されている場合)
同じ組織の相手ではなくても、その人が Google アカウントに関連付けられているメールアドレスを持っていれば共有ドライブに追加できます。組織内のユーザーが作成した共有ドライブで外部の人が行った作業(ファイルの編集、作成、アップロードなど)は、組織に移管されます。
- 共有ドライブをパソコンに同期する
パソコン版 Google ドライブを使用すると、パソコン上で共有ドライブにアクセスできます。
共有ドライブとマイドライブの比較
マイドライブ |
共有ドライブ |
|
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ファイルを追加できるユーザー |
マイドライブを所有するユーザー。 |
投稿者アクセス以上の権限を持つすべてのメンバー。 |
ファイルやフォルダのオーナー |
ファイルまたはフォルダを作成したユーザー。 |
チーム。 |
ファイルとフォルダの移動 |
可能。マイドライブ内でファイルやフォルダを移動できます。 |
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パソコンとのファイル同期 |
可能。パソコン版 Google ドライブを使用します。 詳しくは、パソコン版ドライブでできることをご覧ください。 |
可能。パソコン版 Google ドライブを使用します。 |
共有の仕組み |
個々のファイルへのアクセス権限に応じて、フォルダに表示されるファイルは異なります。 |
共有ドライブのすべてのメンバーにすべてのファイルが表示されます。 |
ゴミ箱に移動したファイルの保持期間 |
ゴミ箱内にあるファイルとフォルダは 30 日後に完全に削除されます。[完全に削除] を選択して、ゴミ箱内のファイルを削除することもできます。 |
各共有ドライブに、それぞれゴミ箱があります。
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ファイルの復元 |
可能。ファイルのオーナーであれば復元できます。 |
可能。投稿者アクセス以上の権限があれば復元できます。 |
共有ドライブの一般的な使用例
- プロジェクト - 同じプロジェクトに関与しているユーザー用。
- イベント - 所定の期間に特定のイベントや成果物で作業を行うユーザー用。
- テンプレート - ユーザーがコピーや再利用を行えるファイル用。
- 会社全体で使用するファイル - トレーニング向けファイルなど、全員がアクセスする必要があるファイル用。
- 機密ファイル - 機密性の高いファイル用。セキュリティを強化してアクセスを制限できます。
共有ドライブのベスト プラクティス
1. 共同編集ファイルや参照ファイルを共有ドライブに配置し、データ損失を回避する
組織全体またはチームでの使用を目的としたコンテンツ(プロジェクト計画書、研究レポート、チーム会議のメモなど)は共有ドライブで管理し、個人的なファイルや非公開のファイル(1 対 1 の会議メモ、職能評価、キャリア開発計画など)はマイドライブで管理するようにします。
このようにすることで、個人的なコンテンツは非公開に保たれ、組織ではデータ損失も防げます。共有ドライブ内のファイルのオーナーは特定のユーザーではなく組織であるため、組織を去るユーザーがいてもファイルは保持されます。
メンバーが共有ドライブからファイルを削除しないか心配な場合は、メンバーに付与するアクセスレベルを投稿者、閲覧者(コメント可)、閲覧者のいずれかに限定してください。これらのアクセスレベルのメンバーは、ファイルを削除できません。
2. 各共有ドライブの目的や用途を明確にする
プロジェクトごとに共有ドライブを作成します。さまざまなプロジェクトでファイルを使用する場合は、複数の共有ドライブを作成します。この方法は、共有ドライブの目的に基づいてメンバーのアクセスレベルを定義する際にも有用です。
例:
- 共有ドライブが共同編集のためのアクティブ スペースである場合 - メンバーには、コンテンツを更新できるようにコンテンツ管理者または投稿者のアクセスレベルを設定します。コンテンツ管理者は共有ドライブ内でファイルやフォルダを移動したり、ファイルをゴミ箱に移動したりできます(ただし、ファイルを完全に削除することはできません)。
- 共有ドライブが完了済みプロジェクトや最終版コンテンツのリポジトリである場合 - メンバーには、コンテンツを変更できないように閲覧者(コメント可)または閲覧者のアクセスレベルを設定します。共有ドライブの名前にステータスがわかるような語句([アーカイブ] や [参照用] など)を付けるのもおすすめです。
メンバーを過度に追加しないでください。プロジェクトやチームの数が増えると、1 つの共有ドライブでコンテンツを管理することが難しくなりがちです。多くのファイルやフォルダが追加されているため共有ドライブが使いにくくなっている場合は、それらのコンテンツを複数の新しい共有ドライブに再編することを検討します。その際に作成する共有ドライブは、個々のプロジェクトや部門のチーム(または部門横断的なチーム)用のものにします。
組織について意見の相違がみられる場合は、共有ドライブを使用するプロジェクトやチームの数が多すぎる可能性があります。この場合は、次のように 2 ~ 3 個の共有ドライブに整理しなおします。
- 部門をまたぐプロジェクト チームの「共有」コンテンツのみを保存する 1 つの共有ドライブ
- 各部門チーム固有のコンテンツを保存する共有ドライブ(1 つまたは複数)
3. メンバーシップに Google グループを使用する
グループを使用すると共有ドライブのメンバーシップを管理しやすくなります。グループに追加された人は、そのグループがメンバーになっている共有ドライブに自動的にアクセスできるようになるためです。このアプローチには 2 つの主な利点があります。
- 新しいグループ メンバーには既存のグループ メンバーと同じ共有ドライブ内のファイルとフォルダへのアクセス権が付与されるので、アクセス権があるかどうかを心配する必要がありません。
- 共有ドライブに多くのメンバーを追加できるようになります。共有ドライブのメンバーを個別に追加した場合、追加できるのは 600 人までです。グループを使用すると、最大 100 個のグループと 50,000 人のユーザーを追加できます。
4. 責任を持ってコンテンツを共有する
共有ドライブ内のすべてのファイルとフォルダにアクセスする必要があるユーザーまたはグループについては、適切なアクセスレベルを持つメンバーとして追加します。可能であれば、共有ドライブでの共同編集が制限されないように、そのようなユーザーやグループには管理者または コンテンツ管理者のアクセスレベルを設定します。
- パソコン版 Google ドライブを使用している共同編集者への対応 - パソコン版 Google ドライブを使用して Google 以外のファイル(Adobe PDF ファイル、Microsoft Office ファイルなど)にアクセスする共同編集者には、コンテンツ管理者のアクセスレベルを設定します。注: アクセスレベルが投稿者のメンバーでも、パソコン上でオフライン編集を行い、更新したファイルをパソコン版ドライブを使用せずにアップロードすることは可能です。詳しくは、別の版へのファイル切り替えについての記事をご覧ください。
- 別々の共有ドライブを使用してアクセスを制御する - アクセスのニーズが異なる別々の共同編集者グループが存在する場合、同じプロジェクトに複数の共有ドライブを作成したいことがあります。(社外の代理店と一緒にプロジェクトに取り組む場合など)。社内のチームメンバー用の共有ドライブとは別に、社内外の協力者用に共有ドライブを作成します。これにより、外部メンバーが社内専用のコンテンツにアクセスできないようにすることができます。
- アクセスを制限してファイルを共有する - 共有ドライブ内の一部のファイルやフォルダにのみアクセスする必要がある相手については、メンバーにするのではなく必要なファイルやフォルダのみを共有します。共有ドライブ内のフォルダを共有できるのは、そのドライブの管理者に限られます。
5. アクセスレベルに留意して共有ドライブ内のフォルダを整理する
共有ドライブは、簡単かつ柔軟にアクセス管理できるように設計されています。中にフォルダが存在する共有ドライブを作成する際は、それぞれのフォルダに対する各ユーザーのアクセスレベルが適切になるようにしてください。それができない場合は、一部のフォルダを個別の共有ドライブに再編することを検討してください。
6. 命名規則を使用する
共有ドライブが見つかりやすく、かつ共有ドライブ間で名前が競合しないようにするには、組織共通の命名規則を定めます。例:
- 各地域の営業部のために、営業地域ごとに共有ドライブを作成する。その際、それぞれの共有ドライブを識別できるよう、先頭に地域名やその略称を付ける。
- もう動いていないプロジェクトには [アーカイブ]、現在動いているプロジェクトには [進行中] などの接頭辞を付けることで、ステータスを示す。
- 社外用と社内用の共有ドライブを区別するために、[社外]、[社内] といった接頭辞を付ける。