Google Cloud サービスをご利用の際、ドメインの DNS 設定の変更が必要になることがあります。以下に、よく使われる用語について、その意味と Google サービスでの利用方法を説明します。ドメイン名に関する基本ガイドもあわせてご覧ください。
- DNS
- MX レコード
- TXT レコード
- CNAME レコード
- A レコード
- NS レコード
- TTL(Time To Live)
- URL(Uniform Resource Locator)
- DNS の設定例
DNS
DNS は「ドメイン ネーム システム(Domain Name System)」の略です。このシステムは、ドメインを整理し識別するための、ウェブの電話帳のようなものです。電話帳の場合は「○○ ピザ」といった名前から電話番号を見つけますが、DNS の場合は、「www.google.com」のようなウェブアドレスを、そのサイトをホストしているパソコンの物理 IP アドレス(「74.125.19.147」など)に変換します(例に挙げたのは Google のトップページです)。
Google Cloud サービスを使用する際、各種のツールおよびサービスを設定するために、何度か DNS 設定の変更が必要になります。変更する DNS レコードにはさまざまな種類があり、たとえば、お使いのドメインのメールを Google のメールサーバーへ転送する場合はドメインの MX レコードを変更します。
MX レコード
Mail Exchange(MX)レコードは、ドメインのメールを、ドメインのユーザー アカウントをホストしているサーバーに配信します。Google Workspace で Gmail を設定するには、MX レコードが Google のメールサーバーを参照するように指定する必要があります。ドメインには、優先値の異なる複数の MX レコードを定義できます。最優先のレコードを使用してメールを配信できない場合は、2 番目のレコードを使用し、それでも配信できない場合は 3 番目のレコードと、順次、優先値の低いレコードを使用していきます。
詳しくは、Google Workspace のメール向けに MX レコードを設定するをご覧ください。
TXT レコード
TXT レコードは、ドメイン外のソースにテキスト情報を提供するための DNS レコードで、さまざまな任意の目的に使用できます。レコードの値は、人間が読み取り可能なテキスト形式である場合と、機械で読み取り可能なテキスト形式である場合とがあります。Google Cloud サービスでは、TXT レコードはドメインの所有権の証明や、SPF、DKIM、DMARC といったメールのセキュリティ機能の実装のために使用されます。
ドメインの TXT レコードを追加または変更する方法については、TXT レコードについてをご覧ください。
CNAME レコード
CNAME(Canonical Name)レコードは、エイリアス名を実際の「正規」ドメイン名にリンクします。たとえば、www.example.com を example.com にリンクします。Google Cloud サービスでは、CNAME レコードを使用して、Google サービスのアドレスまたは Google サイトで構築したウェブサイトのアドレスをカスタマイズします。
ドメインの CNAME レコードを追加または変更する方法については、CNAME レコードについてをご覧ください。
A レコード
A(Address)レコードはホストレコードとも呼ばれ、ドメインをそのドメインのサービスをホストしているパソコンの物理 IP アドレスにリンクします。A レコードを追加すると、Google Cloud サービスで「ネイキッド」ドメイン アドレスを有効にすることができます。
ドメインの A レコードを追加または変更する方法については、A レコードについてをご覧ください。
NS レコード
ネームサーバー(NS)レコードは、ドメインの DNS 情報を伝えるサーバーを定義するレコードです。一般に、ドメインにはプライマリとセカンダリのネームサーバー レコードがあります。Google Cloud サービスでは、DNS 照会用に Google サーバーを参照する NS レコードを設定することができます。
TTL(Time To Live)
TTL は、レコードの変更が反映されるまでの秒数を指定する、DNS レコード内の値です。MX レコードや CNAME レコードといった、ドメインの各 DNS レコードには、それぞれ TTL 値が指定されています。レコードのその時点の TTL により、変更が反映されるまでに要する時間が決まります。たとえば、レコードの TTL が 86,400 秒であれば、変更が反映されるまでに最長で 24 時間かかります。
レコードの TTL を変更すると、それ以降の変更が反映されるまでの時間が変わります。Google では、TTL 値を 3,600 にすることをおすすめしています。こうすると、インターネット上のサーバーが、レコードの更新を 1 時間おきにチェックするようになります。短く設定した TTL が有効になるのは、前の TTL で設定した時間が経過した後です。つまり、次にレコードを更新すると、その反映には最長で 1 時間かかります。変更を元に戻したいときなど、変更を迅速に反映させたい場合は、TTL をさらに短く指定することもできます。たとえば 300 に指定すれば、5 分で変更が反映されます。レコードを適正に設定し終えたら、TTL の値は 86,400 にしておくことをおすすめします。そうすれば、インターネット上のサーバーは、レコードの更新を 24 時間ごとにチェックするようになります。
URL(Uniform Resource Locator)
URL は、インターネット上のリソースのウェブアドレスです。これは、特定のウェブサイトにアクセスするときにブラウザに入力するアドレスです。たとえば、Google Workspace 管理者用ヘルプセンターの URL は http://support.google.com/a です。
DNS の設定例
Google Cloud サービスで使用されるドメインの DNS 設定の例を以下に示します。
DNS 設定では実際のドメイン名は使用しない点に注意してください。ドメイン名の代わりに @ マークを使用します。
名前、ホスト、エイリアス | レコードタイプ | 優先値 | 値/応答/参照先 |
---|---|---|---|
空白または @ | A | 該当なし | 216.239.32.21 |
空白または @ | A | 該当なし | 216.239.34.21 |
空白または @ | A | 該当なし | 216.239.36.21 |
空白または @ | A | 該当なし | 216.239.38.21 |
空白または @ | MX | 1 | ASPMX.L.GOOGLE.COM. |
空白または @ | MX | 5 | ALT1.ASPMX.L.GOOGLE.COM. |
空白または @ | MX | 5 | ALT2.ASPMX.L.GOOGLE.COM. |
空白または @ | MX | 10 | ASPMX2.GOOGLEMAIL.COM. |
空白または @ | MX | 10 | ASPMX3.GOOGLEMAIL.COM. |
CNAME | 該当なし | ghs.googlehosted.com | |
空白または @ | TXT | 該当なし | google-site-verification=6tTalLzrBXBO4Gy9700TAbpg2QTKzGYEuZ_Ls69jle8 |
空白または @ | TXT | 該当なし | v=spf1 include:_spf.google.com ~all |
www | CNAME | 該当なし | ghs.googlehosted.com |