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SPF レコードを定義する: 詳細設定

なりすましとフィッシングへの保護対策を行い、メールが迷惑メールに分類されないようにする

この記事の対象者

この記事は、IT 担当者やメールサーバーの設定経験がある方を対象としており、SPF レコードの要件、SPF レコードの構文、SPF によるメール配信への影響など、SPF(Sender Policy Framework)に関する技術情報が記載されています。Google Workspace でのみメールを送信する場合、または Google Workspace に加えてその他の送信元からもメールを送信する場合の基本の SPF レコードの設定は、SPF レコードを定義する - 基本設定に沿って行ってください。
Google Workspace でのみメールを送信する場合は、SPF レコードを定義する: 基本設定に沿って SPF レコードを取得してください。

SPF レコードには、ドメインに代わってメールを送信することを許可されているメールサーバーとドメインが定義されています。また、検証が完了したメールの受信サーバー側での処理方法も指定されています。受信サーバーは SPF レコードをチェックして、組織を送信元とする受信メールが承認済みのサーバーから送信されていることを確認します。ドメインに設定できる SPF レコードは 1 つだけですが、そのレコードに、ドメインに代わってメールを送信できるサーバーとサードパーティを複数指定できます。

 

Set up SPF

SPF を設定するには、ドメイン プロバイダで DNS TXT レコードを追加します。

SPF レコードの形式

SPF レコードは、タグと値のリストを 1 行の書式なしテキストで表したものです。このタグは機構と呼ばれます。値は通常、IP アドレスとドメイン名です。

SPF レコードは、DNS TXT レコードの形式でドメイン プロバイダに追加されます。詳しくは、DNS TXT レコードについての記事をご覧ください。

SPF レコードの最大文字数は 255 文字です。TXT レコードのファイルサイズは 512 バイト以下にする必要があります。

SPF レコードの機構

この表の機構を使用して、SPF レコードを作成します。受信メールサーバーは、SPF レコードにリストされた順で機構に対してメールを検証します。

注意事項:

機構 説明と値
v

SPF のバージョン。このタグは必須で、レコードの最初のタグにする必要があります。必ず次の機構を指定してください。

v=spf1

ip4

メールサーバーを IPv4 アドレスまたはアドレス範囲で承認します。値は次のように標準形式の IPv4 アドレスまたはアドレス範囲である必要があります。

ip4:192.168.0.1

または

ip4:192.0.2.0/24

ip6

メールサーバーを IPv6 アドレスまたはアドレス範囲で承認します。値は次のように標準形式の IPv6 アドレスまたはアドレス範囲である必要があります。

ip6:3FFE:0000:0000:0001:0200:F8FF:FE75:50DF

または

ip6:2001:db8:1234::/48

a

メールサーバーを次のようにドメイン名で承認します。

a:solarmora.com

mx

メールサーバーを次のようにドメインの MX レコードで承認します。

mx:mail.solarmora.com

この機構が SPF レコードにない場合、デフォルト値は SPF レコードが使用されているドメインの MX レコードです。

include

サードパーティのメール送信元を次のようにドメインで承認します。

include:servers.mail.net

all

すべての受信メールが照合されることを指定します。この機構を必ず SPF レコードに含めることをおすすめします。

この機構は、SPF レコードの最後に配置する必要があります。SPF レコードの all の後に続く機構はすべて無視されます。

~all と -all について

SPF レコードに ~allSoftFail 限定子)が含まれている場合、SPF レコードにない送信元からのメールは受信サーバーで通常は受け入れられますが、不審なメールとして扱われます。

SPF レコードに -allFail 限定子)が含まれている場合、SPF レコードにない送信元からのメールは受信サーバーで拒否される可能性があります。SPF レコードが正しく設定されていない場合、Fail 限定子によってドメインからのメールがより多く迷惑メールに分類されるおそれがあります。

ヒント: メール送信に使用していないドメインのなりすましを防ぐには、ドメインの SPF レコードとして vspf1 ~all を使用します。

SPF レコードの限定子

限定子は、SPF レコード内の任意の機構に追加できる省略可能な接頭辞です。機構の値が一致する場合に、メールを認証済みとみなすかどうかを受信メールサーバーに指定します。次に例を示します。

v=spf1 include:_spf.google.com -all

この SPF レコードの例では、Google Workspace のみがドメインに代わってメールを送信できます。all 機構で Fail 限定子(-)が使用されているため、その他の送信元からのメールは SPF チェックに合格せず、受信サーバーによって拒否される可能性があります。

機構は SPF レコード内の順に検証されます。機構に限定子がなく、機構が一致する場合、認証のデフォルトの処理は「Pass」です。機構が一致しない場合、デフォルトの処理は「Neutral」です。メールの認証結果は合格、不合格のどちらでもありません。

これらの省略可能な限定子を使用して、SPF レコードの機構が一致するメールの処理方法を受信メールサーバーに指定します。

限定子 一致した場合の受信サーバーでの処理
+ Pass。一致する IP アドレスを持つサーバーは、ドメインに代わってメールを送信できます。メールは認証されます。これは、機構で限定子を使用しない場合のデフォルトの処理です。
- Fail。一致する IP アドレスを持つサーバーは、ドメインに代わってメールを送信できません。SPF レコードに送信サーバーの IP アドレスまたはドメインが含まれていないため、メールは認証に合格しません。
~ SoftFail。一致する IP アドレスを持つサーバーは、ドメインに代わってメールを送信できない可能性があります。通常、そのようなサーバーからのメールは受信側のサーバーで受け入れられますが、不審なメールとして扱われます。
? Neutral。認証結果が合格、不合格のどちらでもありません。ドメインに代わってメールを送信できる IP アドレスであることが、SPF レコードに明示されていません。通常、中立的な結果の SPF レコードには ?all が使用されます。

次のステップ

ドメインの SPF レコードを作成したら、ドメイン プロバイダで SPF レコードを追加します。

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