この記事は、Google Workspace 管理者を対象としています。Google Chat と従来のハングアウトが連携する仕組みについて知りたいユーザーの方は、Google Chat と従来のハングアウトを併用するをご覧ください。
Google Chat と従来のハングアウトの両方を利用している組織では、ユーザー全員が 2 つのサービス間で相互にチャットできるようになりました。たとえば、1 人のユーザーが Chat でメッセージを表示、入力する一方で、他のユーザーは引き続き従来のハングアウトで同じメッセージを表示できます。この機能は、2020 年 12 月より徐々に導入が開始されます。
この導入処理はほとんどの点で外部に見えない形で行われるため、ユーザーは Chat または従来のハングアウトを通常どおりに使用するだけです。ただし、いくつかの例外事項と、管理者にとって重要な考慮事項があります。
新しいグループ チャット
2020 年 12 月より、新しく作成するグループ チャットではメンバーを柔軟に操作できるようになっています。Chat と従来のハングアウトが連携する仕組みを十分に理解するには、Chat において従来のグループ チャットと新しいグループ チャットを区別することが重要です。
- 新しいグループ チャット - 2020 年 12 月より、グループ チャットのメンバーを追加または削除することができます。また、グループ チャットから一度退出しても、後で再び参加することができます。新しいグループ チャットを識別するには、チャット メニューに [退出] の項目があるかどうかを確認します。
- 従来のグループ チャット - グループ チャットがいったん作成されると、そのメンバーリストは確定となります。このようなグループ チャットから退出することはできません。
Chat と従来のハングアウトの併用
従来のハングアウトが有効になっているユーザーは、Chat にも表示される会話をハングアウトで作成できます。Chat が有効になっているユーザーは、従来のハングアウトにも表示される会話(1 対 1、新しいグループ チャット、非スレッド形式のスペース)を Chat で作成できます。それぞれの会話はサービス間で次のように対応しています。
従来のハングアウト | Google Chat |
---|---|
1 対 1 のダイレクト メッセージ | 1 対 1 のダイレクト メッセージ |
名前のないグループ会話 | 新しいグループ チャット |
名前付きのグループ会話 | 非スレッド形式のスペース |
例外
-
2022 年 3 月中旬以降、サービス設定を [Chat を優先] にしている組織では、Chat 内に新規に作成した内部専用スペースを従来のハングアウトと相互運用することはできなくなります。外部ユーザーの参加を許可している新規のスペース、または従来のハングアウトもしくは Chat のグループ会話として作成されたスペースについては、相互運用が可能です。
サービス設定を [Chat と従来のハングアウト] にしている組織では、[Chat を優先] または [Chat のみ] に設定されている下位組織部門にもこの例外が適用されます。
- Chat で作成した従来型のグループ チャットとスレッド形式のスペースは、従来のハングアウトには表示されません。
- 1 対 1 のダイレクト メッセージを相互運用できるのは、双方のユーザーが従来のハングアウトを有効にしている場合に限られます。
- 2017 年 11 月より前に従来のハングアウトで行われた非アクティブな 1 対 1 の会話は、Chat にはまだ表示されません。
- 従来のハングアウトにおいて嫌がらせ行為者との間で行われたグループ会話は、Chat には表示されません。
- 従来のハングアウトで行われたグループ会話は、従来の会話のオーナー組織を特定できない場合、Chat には表示されません。たとえば、会話の参加者の組織がそれぞれ異なっていて、会話を作成したユーザーの Google アカウントが削除されている場合がこれに該当します。
- Chat で作成した新しいグループ チャットと非スレッド形式のスペースが従来のハングアウトに表示されるのは、従来のハングアウトを有効にしている組織がオーナーである場合に限られます(新しいグループ チャットまたは非スレッド形式のスペースのオーナー権限は、それを作成したユーザーの最上位組織部門にあります。したがって、子組織部門の設定が異なっていても関係ありません)。
- 従来のハングアウトを使用していない外部組織のユーザーは、グループ チャットまたは非スレッド形式のスペースに参加できます。また、そうしたユーザーのメッセージは、Chat と従来のハングアウトの両方に保存されます。
- 組織で従来のハングアウトを無効にすると、たとえ再び有効にしても、既存のグループ チャットまたは非スレッド形式のスペースの相互運用性が損なわれ、元に戻せなくなる可能性があります。グループ チャットまたはスペースでなんらかのアクティビティが行われるとすぐに、従来のハングアウトとの相互運用は完全に停止します。従来のハングアウトを再び有効にする前にアクティビティが何も行われなかった場合、相互運用は復元されます。
おすすめの方法: 従来のハングアウトを使用していないユーザーが、従来のハングアウトと相互運用するグループ会話に参加できないようにするには、対象のユーザーに対して外部チャットを無効にする必要があります。
グループ会話のデータアクセス
従来のハングアウトでは、グループ会話のオーナー権限は、そのすべての参加者にあります。Chat では、新しいグループ チャットまたは非スレッド形式のスペースのオーナー権限は、その作成者の最上位組織部門にあります。同期される会話のオーナー権限のルールは、従来のハングアウトと Chat で異なります。Vault またはデータ エクスポート ツールによるデータの書き出し時に何を行えるかは、グループ会話のオーナー権限によって決まります。
- 従来のハングアウトまたは Gmail の場合、管理者はこうしたツールにより、ユーザーが参加したすべてのグループ会話のデータの検索、書き出しができます。
- Chat の場合、管理者はこうしたツールにより、自身がオーナーである新しいグループ チャットまたは非スレッド形式のスペースのデータの検索、書き出しができます。
おすすめの方法: Vault またはデータ エクスポート ツールを使用して従来のハングアウトのデータにアクセスしている場合は、引き続き同じツールでデータの検索または書き出しを行うことをおすすめします。従来のハングアウトのメッセージは Chat に同期されますが、自分がオーナーでないグループ会話の書き出しは Chat では行えなくなります。
グループ チャットのゲストアクセス
Chat で作成されたグループ チャットに外部ゲストが参加することはできません。ただし、管理者が外部チャットを許可した場合、従来のハングアウトを有効にしているユーザーは、外部ゲストとの名前のないグループ会話をハングアウトで作成することができます。作成後のハングアウトのグループ会話は、外部ゲストとの新しいグループ チャットとして Chat に表示できます。
スペースの管理者
スペースに対応する従来のハングアウトのグループ会話では、スペースの管理者にラベルが付けられません。従来のハングアウトで名前付きグループ会話として開始されたスペースについては、会話を開始したユーザーに Chat のスペース管理者のロールが自動的に割り当てられます。Chat と同じルールに従って、より多くのユーザーにこのロールが割り当てられる場合があります。
Google データ リージョン
データ リージョン ポリシーは従来のハングアウトではサポートされていません。したがって、Chat の会話が従来のハングアウトでミラーリングされても、従来のハングアウト内のコピーがデータ リージョンの設定に準拠することはありません。
おすすめの方法: ユーザーのチャットデータをそれぞれの現在地に関連付けたい場合は、最上位の組織部門で従来のハングアウトの設定を無効にすることをおすすめします。
Vault での保持と電子情報開示
Vault では、グループ チャットの相互運用の扱い方が異なります。
- 保持 - グループ会話を従来のハングアウトで保持(または従来のハングアウトに同期)するには、組織部門に対してカスタム保持ルールを設定します。このルールは、Chat の新しいグループ チャットには適用されません。グループ チャットを Chat で保持するには、すべての Chat スペースに対してカスタム保持ルールを設定します。このルールは 1 対 1 のダイレクト メッセージには適用されませんが、相互運用中のすべてのグループ チャットに適用されます。詳細
- 記録保持(リティゲーション ホールド) - 従来のハングアウトと Chat のグループ チャットは、デフォルトで Chat の記録保持に含まれます。詳細
- 検索と書き出し - Gmail 検索を行うと、ハングアウトの 1 対 1 のダイレクト メッセージ、ハングアウトのグループ会話、Chat の相互運用中のグループ チャットが返されます。相互運用中のグループ チャットのほとんどを Chat 検索で取得するには、検索対象に Chat スペースを含める必要があります。詳しくは、Gmail 検索と Chat 検索についてのページをご覧ください。
グループ会話の削除
グループ会話または非スレッド形式のスペースを Chat で削除した場合、ミラーリングされている会話も従来のハングアウトから削除されます。
次の場合は、新しいグループ会話と非スレッド形式のスペースが自動的に削除されます。
- グループ会話またはスペースの作成者が Workspace ユーザーである場合: 作成者の組織が Google Workspace を解約すると、その会話とスペースが削除されます。
- グループ会話とスペースの作成者が一般ユーザーである場合: 会話とスペースは、Workspace ユーザーの参加者が残っていても、一般ユーザーの参加者が全員退出すると 5 日後に削除準備に入ります。Workspace ユーザーの参加者には、削除予告がメールで届きます。
Chat の削除された会話またはスペースを復元した場合は、Chat 上でのみ復元され、従来のハングアウトとの相互運用はできなくなります。この状況が発生するのは、会話またはスペースが完全に削除される前に、組織が Workspace に再度申し込んだ場合(上の 1 番目のケース)、または一般ユーザーが参加した場合(2 番目のケース)です。
従来のハングアウトの履歴の同期
従来のハングアウトから以前に投稿されたメッセージはほぼすべて、Chat 内でアクセスできるようになりました。ただし、2017 年 11 月より前に投稿された非アクティブな 1 対 1 のメッセージなど、いくつか例外があります。詳しくは、上述の「Chat と従来のハングアウトが連携する仕組み」で説明している例外をご覧ください。
おすすめの方法: Vault またはデータ エクスポート ツールを使用して従来のハングアウトのデータにアクセスしている場合は、引き続き同じ方法を使用することをおすすめします。以前ユーザーによって削除され、管理者のみがアクセスできる従来のハングアウトのメッセージは、Chat には同期されません。ただし、そのようなメッセージは Gmail サービスを保持する限り、Gmail を介して Vault で引き続きアクセスできます。
サードパーティによるアーカイブ
従来のハングアウトのメッセージは、Gmail のチャット アーカイブにアーカイブされます(Gmail のチャット アーカイブは、サードパーティによる Gmail のアーカイブの設定で指定できます)。サードパーティによる Chat のアーカイブを有効にすると、従来のハングアウトで投稿されたメッセージのうち、Chat との相互運用性があるものも書き出されます。